『小松島競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月6日

 小松島競輪開設69周年記念「阿波おどり杯争覇戦」は佳境の3日目。準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。10Rでは浅井康太が失格し、阿竹智史は車体故障で無念の脱落。地元勢からは3連勝の太田竜馬に小倉竜二、久米康平が決勝に勝ち上がった。最終日はいよいよ決勝戦。6RにはS級ブロックセブンも開催される。
 最終日はプロレス「DORAGON GATE」が小松島競輪に登場。5R発売中、9R発売中に特設リングで2試合が行われます。8R発売中には選手会のオークションが、4R発売中には山田裕仁氏、山口幸二氏、市田佳寿浩氏の解説者トークショーも予定されています。注目の決勝戦をぜひ本場でお楽しみください。

<10R>

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手

和田圭選手
和田圭選手
 門田凌が地元の阿竹智史を背に積極策に出ると、新田康仁が齋藤正国をさばいて3番手の位置を奪う。2コーナーから巻き返してきた浅井康太に合わせて阿竹が番手から出ると、2人でモガき合いに。そこを最後の最後まで脚をためた山崎芳仁(写真)が鋭いまくりで飲み込んだ。
 「今日は浅井も新田さんもいるからもう位置にはこだわらないようにしようと思っていました。発進も分かっていたことなのでしょうがないですよね。あとはホームから行くかバックから行くかでしたね。齋藤君が外に浮いたからホームは無理でしたね。初日は自転車とセッティングを換えて失敗したけど、2日目から戻して良くなった。腰の状態も徐々に良くなっていますね。体と相談しながら決勝も頑張ります」
 山崎に続いた和田圭(写真)が2着で決勝進出を決めた。
 「カマすって作戦だったからハンドルをしぼったのに、いつもの感じかって(苦笑)。でもさすがですね。ザキ(山崎)さんは強い。あれが勝ちパターンですよね。あと5周行ってくれても抜けない(笑)。決勝に乗れて最高にうれしいです」
 浅井が3位入線したが、ゴール前で内を締め込んで阿竹を車体故障させてしまったため失格に。浅井を追走した渡辺十夢が繰り上がりで決勝への切符を手にした。
 「本当に浅井の頑張りに尽きますね。浅井には付いて行けたけど、自分は最後、内藤(秀久)君との勝負でしたから。何とか耐えられて。このクラスになると前を抜くどうこうよりも位置をしっかり守ることも簡単じゃない」

<11R>

山田英明選手
山田英明選手

久米康平選手
久米康平選手
 後ろ攻めの久米康平が切った上を植原琢也が打鐘で叩いて主導権。最終ホームから8番手の南潤が巻き返すと番手の村上義弘が離れてしまう。山田英明(写真)はすかさず南へ切り替えると、2センターから外に持ち出し、南とサイドバイサイドの争いを制した。
 「最後は意地ですね。2着はあるなと思ったけど、他地区は潰しとかんと。(車間を空けたのは)南君のカマシに対応しないといけないと思った。そこは間合いですね。村上さんが離れたので慌てて追いかけました。状態は正直に言ってもう少し欲しい」
 南潤は最終ホーム8番手からまくり返すもゴール前で山田のまくりに屈した。
 「先行したかったですね。先行して新人(植原)とやり合いたかった。山田さんが車間を切っているのが見えたのでそこを目がけて仕掛けた。もうちょっと脚を付けたいが、踏めてはいますね」
 南に合わせて仕掛けた久米康平(写真)は南、山田に行かれてしまう。しかし、外を粘り強く踏んで初の記念優出を地元で決めた。
 「初日、2日目と何もしていないので、少し取り返せたかな。脚を使わないまま中団を取れたのが良かった。後ろを見ずに仕掛けたらたまたま合った感じですね。それにどんな形でもあそこで仕掛けるつもりだった。記念の決勝は初めて。地元で優出できてうれしい」

<12R>

太田竜馬選手
太田竜馬選手

小倉竜二選手
小倉竜二選手
 前から2番目の位置を取った太田竜馬(写真)は簗田一輝の上昇に対して車を下げると、打鐘過ぎ4コーナーから一気のカマシ先行。1周21秒7の好ラップを叩き出すと無傷の3連勝で決勝進出を決めた。
 「作戦どおり。(展開が)どんなやってもホームで行きますと言ってた。まあまあ出たっすね。ゴールまで誰も来んだろうと思いました。地元で3連勝できたし状態は問題ない。ここ最近ではいい仕上がりだし、ビックリするぐらい体が動く。まずは最低目標をクリアしたし、あとひとつ。地元3人そろったので頑張りたい」
 ピタリと続いた小倉竜二(写真)だったが逆転はならなかった。
 「アイツ(本気を)出したな(苦笑)。ホームのスピードはいつもどおり強かった感じだけど、1コーナーからもう一発上げてキツかった。後輪がドリフトした。あと1キロ上げられたら切れとった。今まで付いたなかで一番強い。余裕もあるし、バックで流してた。違いますね」
 離れながらも徳島コンビを追いかけた月森亮輔を目がけて1センターからまくった簗田一輝が直線で月森をとらえて決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「思ってたタイミングより(太田が)少し早くカマして来た。半テンポ、ワンテンポだけど、その分反応が遅れてしまった。早く反応できれば、もう少し差を詰められましたね。月森さんは脚があるし、最後は力勝負だったけど、成清(貴之)さんまで連れ込めなければいけなかった。色んな人からアドバイスを聞いたりして、感じ的には日に日に良くなってる」

<最終日・6R S級ブロックセブン>

伊勢崎彰大選手
伊勢崎彰大選手
 最終日6RにはS級ブロックセブンが開催される。単騎の選手が3人いて、メンバー的には中西大の先行一車だ。
 「最近は悪いですね。でも色々試行錯誤した結果なんで。これが悪いんだな、合ってないんだなっていうのもわかったから、今後にはつながると思う。(ルール改正して)低速からネバネバ行く僕は苦手かもしれないですね。トップスピードがないと話にならない」
 番手の柴崎俊光にもチャンスはある。
 「中西君の番手は2回目。1回目は彼がS級に上がりたての広島だったと思う。2年前は98点まで落ちたし、そのあとは戻っても102、3点で停滞してた。(今は109点)変わったことは何もしてないけど、調子はけっこう戻ってきてるのかなと思う。チャンスのある位置だと思うんで頑張りたいです」
 2年前の函館記念でエボリューションを、昨年の武雄記念ではブロックセブンを制すなど、伊勢崎彰大(写真)は一発勝負に強い。
 「中西君の3番手を取れればまくれると思う。それだけ脚力的には問題ないです。車番が悪いなと思ったけど、中村(敏之輔)君が付いてくれるんでね。彼に(1着を)プレゼントするぐらいでやればイケるんじゃないかな。一発勝負は2連勝中。徳島は嫁の実家なんで頑張りたい」