『小松島競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月3日

 小松島競輪開設70周年記念「阿波おどり杯争覇戦」は2日目。1~9Rまで全てが予選2走目で準決勝進出をかけたポイント争いが繰り広げられた。2日間のポイントは松浦悠士、清水裕友がそれぞれ12ポイントで予選をトップ通過。6ポイントで並んだ6名のうち、競走得点最上位の山田庸平が準決勝最後の1枠をゲットした。なお9R中5Rで1着と2日目も大活躍した地元勢は6名が準決勝に勝ち上がった。
 なお、今シリーズも無観客開催となります。インターネットや電話投票でお楽しみください。

<1R>

久米康平選手
久米康平選手
 打鐘過ぎ4コーナーからカマした久米康平(写真)が押し切り。連勝で準決勝進出を決めた。
 「初手は前か2番目で。ホーム前後の行けるところで行こうと思ってたし、行けそうな雰囲気があれば行くつもりでした。いいペースで行けたけど、もうちょっと後半感触が良ければっていうのはある。もうちょっと楽に最後まで踏めたらな。そこ良ければ言うことない。セッティングで修正するというよりは乗り方のイメージを変える感じですかね」
 初日は太田竜馬を2日目は久米を交わせなかった福島武士は苦笑い。
 「今日も抜けない…。みんな地元やから走り方わかっとるんかな。康平もええカマシやったけど、バックで流したとこで脚がたまったので抜けるやろと。昨日より心に余裕持ってたけど足りんかった。追い込みとして前抜かんといかんですね。ちょっとずつ修正して」

<2R>

 5番手でタイミングをうかがっていた島川将貴が、打鐘手前から反撃に出る。久保田泰弘も合わせて踏むが、島川が主導権を奪取する。あおりもあって離れながら山中貴雄が、島川を追いかける。後続をちぎった島川は、横一線の2着争いをしり目に楽に押し切って予選を連勝。
 「前が取れなかったら、一気にカマそうと思っていたので作戦通り。踏み出しも軽いし、いい感じ。後ろがいないのはわかったけど、状況まではわからなかったですね。準決は相手が強力になるけど、スピードレースをしたい。7車は走りやすいし、力を出しやすい」
 4番手で立て直した久保田泰弘が、直線で伸びて2着に入った。
 「もっと踏んでペースを上げておけば良かった。そうしたら、1人で来た島川さんに飛び付く形から追えた。状態は悪くないけど、島川さんには手も足も出なかった」

<3R>

大坪功一選手
大坪功一選手
 赤板ホームでも佐伯辰哉が上がって来ないと見るや、前受けの北津留翼は佐伯のカマシに合わせて打鐘前2コーナーから突っ張り先行。3番手で立て直してまくって来た佐伯を合わせ切ると、番手の大坪功一(写真)がゴール前で抜け出した。
 「翼が流し過ぎてて、そこを(佐伯が)すかさず来た。持っていったところで翼が踏んだので口が空いた。最初から踏んどけですよね(笑)。バックでヤバいなと思ったけど、そのあとは冷静にいけた。翼のおかげですね。(ポイントで2人も準決勝に上がれて)そこも良かったです」
 佐伯を突っ張った北津留翼も2着に逃げ粘った。
 「ラインで佐方(良行)さんまで決めたかったけど残念。蛇行しながら(の突っ張り)じゃ付きづらいですよね。カントを使って合わせようとしたのがアダになった。でも大坪さんが1着で良かったです。抜かれましたね。踏み直したけどダメだったです。状態は悪くないと思う」

<4R>

河端朋之選手
河端朋之選手
 赤板の2コーナーで先頭に立った山崎賢人がそのままペースに持ち込むかに思えたが、掛水泰範が4番手から叩きに出て両者の先行争い。6番手で脚を溜めた河端朋之(写真)が、最終2コーナー手前から鮮やかにまくった。
 「掛水さんが目標になって、まくりにいけた。すんなりの6、7番手ではなかったから。タイミングも重なったけど、いいスピードが出た。ポイントは気にせず、今日(2日目)は1着を取りたかった。競技に出ていたのもあるけど、めちゃくちゃ久しぶりの1着。これがキッカケになれば」
 一度は掛水に出られた山崎賢人だったが、さすがの加速力で突っ張り切って2着に踏ん張った。
 「(掛水を)出させるつもりはなかった。河端さんだと思って合わせたんですけど、違いましたね。河端さんは彗星みたいなスピードだった。宇宙でした。(自分の状態は初日の)昨日よりも軽かったし、体調は上向き」

<5R>

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 後ろ攻めの津村洸次郎が赤板の1センターで先頭に立つと、そのまま主導権を握る。4番手に下げた小川丈太が1センターから巻き返すと、バックから坂本亮馬が番手まくり。合わされた小川丈が浮いた外を小川真太郎(写真)が鋭く突き抜けた。
 「津村さんの切ってきたスピードでヤル気だなと思った。(小川丈が合わされて)俺が内に入ったらアイツの腰が砕けちゃう。僕は絶対外踏まないとと思ってた。俺が前なら2人でワンツー決まったかもしれないのに申し訳ないです。一緒に練習してるので、悔しいですね。僕はここに入るときめちゃくちゃ良かった。脚的にはめちゃくちゃいいと思う」
 2着に入った坂本亮馬は後輩の頑張りを素直に称えた。
 「頑張ってくれて、それに尽きる。ラインが2着、3着に来たのも前のおかげだし。3コーナーまで持ってくれれば止めてワンツーと思ったけど、バックなら後ろに(小川)真太郎もいるから。津村は無茶駆けもしなかったし、されてたら俺もキツかった。(西川親幸に)食われてたら俺も(ポイントで)ヤバかったかな」

<6R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 中団で吉武信太朗にフタをされた上田尭弥は5番手に車を下げると、車間を切ってけん制する吉武を構わず打鐘前から一気に仕掛ける。後ろに黒田淳が入ったことを確認した中川誠一郎(写真)は車間を空けて後ろをけん制。ゴール前で計ったようにとらえて上田とワンツーを決めた。
 「(上田の)力が違いました。粘られても、今日(2日目)なら大丈夫でした。状態は悪くないので。4番(黒田)が3番手にいたのがわかったので、車間を空けておかないと、合わせるにも合わせられない。(直線で)詰まってきたので最後は(上田が)キツそうでしたね。初めてワンツーが決まりました」
 2着に逃げ粘った上田尭弥は「今日(2日目)はめちゃくちゃ軽く感じたので1周半なら行けると思った。体がいいのかな。4コーナーで誠一郎さんがきていないので、自分がかかっているのかなと思ったが最後は一気にきましたね。初めてワンツーが決まって良かった」とレースを振り返った。

<7R>

小倉竜二選手
小倉竜二選手
 前受けから下げた太田竜馬は中団か動いたら片岡迪之の動きに乗って打鐘過ぎ4コーナーから一気のカマシ先行。ライン3車で後続を千切ると、最後は番手の小倉竜二(写真)が抜け出した。
 「前取って引いてカマシしかないですよね。太田が早めに行ってくれましたね。あれで反応して行ってくれたんで、彼も状態はいいと思う。あんだけ行ったら抜かないかんなと思った。ラインでノリ(佐々木則幸)まで決まって良かった」
 太田竜馬も2着に粘ってきっちりと準決勝へ駒を進めた。
 「前取ってタイミングでって感じでした。(片岡を)ほっといてもいいかなと思ったけど、行ったほうがラインで決まると思ったので、あのタイミングになった。長かったけど、流れで行ったほうが後ろも付きやすいと思ったので。相手がどうより自分の踏んだ感じもいいんで悪くない。練習どおりの力が出しやすいし、(7車の)レースの流れは向いてると思う」

<8R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 打鐘前から先頭に立ったところを山田庸平、吉田智哉に次々と叩かれ、5番手になってしまった清水裕友(写真)だったが、1センターから仕掛けて豪快に前団を飲み込んだ。
 「ジャンで自信のなさが出た。3番手を取ろうと思ったのに吉田君が来て予想外でした。動いたのに後ろになってしまった。それでも(レースに)流れがあって良かった。越えれるかなと思ったんですけど、3コーナーで滑りそうで思い切り(体を)倒せなかった。9車なら飛んでますね。セッティングを変えて今日(2日目)のほうがいいけど、体調に不安がある。準決勝はメンバーが良くなるし、レースも流れると思うので、体調を整えていく」
 うまく3番手に入った山田庸平だが、清水より先に仕掛けることができなかったことを反省する。
 「(打鐘で)清水があんなに流すと思わなかったけど、自然と体が動いて清水を切ることができた。中団を取れたのは良かったが、清水より先に仕掛けないとダメですね。出られたら、そこから出ていくしかできないので。初日よりは良かったけど、いつもよりは良くない」

<9R>

 後ろが競りになっても松浦悠士が立てた作戦の勝利。原田研太朗が外に追い上げて来たのを確認すると、打鐘2センターから一気に仕掛けて4番手の栗田貴徳までライン4車できれいに出切る。ラスト1周すんなり番手回りだった原田研太朗がゴール前で松浦をとらえた。
 「松浦さまさまですね。作戦を組んでくれたとおり。脚力もだけど、やっぱり賢いですね。僕も勉強になりました。しっかり付いて行けたのが自分のなかでは良かった。とりあえずホッとしてます。(初日から自転車を換えて)こっちのほうがやっぱり全然いい。余裕がありますね。自転車を換えたのもあったけど、(感じも)今日(2日目)のほうが良かった。準決勝は僕らが鬼門。でも、今の島川(将貴)は頼もしいんで」
 松浦悠士も2着に粘って清水裕友と並びトップタイの12ポイントで予選を通過した。
 「引いても3番手だけど、ライン4車なのでバックを先頭で通過しての勝負かなと。後ろが競りなんで踏んでもやめてもだし、ジャンの2センターで行くとは言ってました。佐藤(幸治)さんが切ってくれたので、あとは自分のタイミングでしっかり行くだけだった。最後は粘りが効かなかった。最後の踏み直しがほしいですけど、後ろが研太朗なので抜かれるのは多少仕方ないところもありますね」