『小松島競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月5日

 小松島競輪開設70周年記念「阿波おどり杯争覇戦」が7月2~5日の日程で開催された。今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から7車立、9R制で開催された初の記念開催だった。注目のシリーズを制したのは地元の原田研太朗。2着は太田竜馬、3着に小倉竜二が入り、4車で結束した地元勢が上位を独占する結果となった。決勝戦の上がりタイムはバンクレコードタイの10秒5。1周タイムも21秒6という脅威のスピードバトルだった。

決勝戦 レース経過

 号砲で清水裕友が飛び出してスタートを取り、河端朋之-清水-松浦悠士の中国勢が前受け。島川将貴-太田竜馬-原田研太朗-小倉竜二の地元ラインが後ろ攻めで周回を重ねる。
 青板の4コーナーから動いた島川が赤板過ぎで先頭に立ち、河端は5番手に車を下げる。島川は打鐘から一気に踏み上げて、隊列に変化のないまま最終回へ。河端は1センター過ぎから反撃に出るが、太田がバックから合わせてまくり出し、河端は不発。清水はバックで小倉の後ろに切り替えて2センターから踏み込んだが、絶好の展開で4コーナーを回った原田が、ゴール手前できっちり太田を交わして優勝を飾った。2着にまくった太田が入り、3着に小倉。地元勢で確定板を独占した。


原田研太朗選手
原田研太朗選手

 S班でさえ「なす術がない」と口をそろえたハイスピードバトル。島川将貴が打鐘過ぎ2センターからピッチを上げると、河端朋之の巻き返しに合わせて太田竜馬が2コーナーから番手まくりに出る。続いた原田研太朗(写真)が太田をとらえて地元記念初優勝。2017年3月の松山以来、4度目となる記念優勝を飾った。
 「島川君がやる気でしたね。えげつないかかりで前でドリフトしていた。(太田が番手から出たあとは)早めに行こうと思ったけど、太田が相当踏み直してた。でも僕が早めに踏まんと小倉さんのコースがなくなるので。前だけを見て余裕はなかったけど、ハコじゃない分の余裕はありました」
 2012年7月のS級デビューから呼ばれ続けていた地元記念だったが、昨年はあっせんがなかった。それだけにこの優勝は格別だ。
 「小松島記念がS級のデビュー戦で、それ以来ずっと呼んでもらっていたけど、去年はあっせんがなくて悔しかった。一人で練習をしていてごっつ寂しくて、それが頑張れるきっかけになった。今年はチャンスがあれば狙いたいと思ってました。去年は目の前で太田君が完全優勝をしてうれしかったし、今年もと思っていた」
 残念だったのは無観客開催だったこと。これだけのスピードレースを地元ファンの目の前で見せたかったはずだ。
 「無観客は無言でさみしい。僕は気持ちで走るタイプなので。小松島はこれで今年最後の開催。リニューアルしたあとにはお客さんを入れて欲しいですね」
 再開後は原田がファンの大声援を受けて地元バンクを疾走する。

 太田竜馬の大会連覇はならず。それでも初の番手回り、しかも4車の軸という大事な役割を務め上げた。
 「点数ないのに番手を回らせてもらったし、並び的に原田さんの優勝かなと思ってた。頑張ったっすけど、後ろに差されるのはしゃーないですね。ペースで行ったら終わりなんで、全開で(番手まくりに)行きました。島川さんのおかげですね。(初の番手は)後ろもおるんでヘマできんから緊張しました」

 4コーナーで置いていかれそうになった小倉竜二だったが、なんとか3着に踏みとどまった。
 「スピード競輪やね。まくりの太田のその上を研太朗がまくって行く感じだった。(原田の)2センターからのまくり追い込みでもう一段階スピードが上がって、そこに対応できなかった。(4着になりそうで)最後はちょっと危なかったですね」

 徳島勢上位独占の結果は島川将貴の頑張りがあってこそだ。
 「やることはできました。初めての決勝だし、点数とか関係なく僕が実績が一番ないんで。河端さんがいつ来るか怖かったけど、後ろの3人がワンツースリーなら最高ですね」

 1周21秒6、上がり10秒5で後方に置かれては、さすがの清水裕友でも出番はなかった。
 「厳しいですね。相手がその気だと、どうしようもなかった。練習みたいな感じで、ええスピードを体験できました。もっと鍛えろということでしょう」

 7着に敗れた河端朋之は「もがき合うか、まくりか、どっちかしかなかった。力負けですね。太田の横までも行けなかった。行ければ後ろにチャンスがあったけど」と悔しそうにレースを振り返った。






7月10日~12日の日程でいわき平競輪場にて第16回サマーナイトフェスティバル(GII)が開催されます。

今年はいわき平競輪場で7月10日から3日間の日程で開催されます。S級S班9選手をはじめ競輪のスターが一堂に集結する注目のビッグレース。ハイレベルなシリーズになることは間違いない。
また、ガールズのトップ選手による「ガールズ競輪フェスティバル」も併せて開催される見どころの多いシリーズです。
注目選手は高松宮杯でブランクを感じさせない走りで完全優勝を飾った脇本雄太が本命。
高松宮杯で8着に敗れた新田祐大、地元での巻き返しを狙います。
脇本、新田不在の競輪界を席巻していた松浦悠士、清水裕友の中国黄金コンビ、1月当所記念を制した山崎芳仁に和田圭、大槻寛徳、自力では菅田壱道や新山響平の北日本ラインにも注目です。

6月30日時点での選手データを分析した「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
プロスポーツ号外版(表)は"こちら"
プロスポーツ号外版(裏)は"こちら"