『小松島競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月3日

 21年、後半戦のG戦線は小松島から。リニューアルされた小松島競輪場で開催されている開設71周年記念「阿波おどり杯争覇戦(GIII)」は、7月3日に3日目を迎えた。激戦が繰り広げられた準決では、山田庸平、和田圭、小倉竜二が白星を挙げて、地元勢からは小倉、小川真太郎、太田竜馬の3人がファイナルに進出した。シリーズもいよいよ大詰め、最終日には地元トリオをはじめ、熾烈なバトルを勝ち抜いた9人よる決勝の号砲が鳴らされる。
 今シリーズは、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から事前申し込みで当選された700人(4日間共通)の方のみの入場となります。入場証をお持ちでない方の入場はできません。また、ご来場の際は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。本場だけでなく、テレビ、インターネット中継などでも観戦をお楽しみください。

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山田庸平選手
山田庸平選手

佐々木悠葵選手
佐々木悠葵選手
 近畿勢が切った上を上田尭弥が飛び出して主導権を握る。上田がペースを上げて風を切り、山田庸平(写真)にとっては絶好の流れ。最終2コーナーで畑段嵐士がまくるが山田後位まで。その上を佐々木悠葵がまくり上げる。逃げる上田との車間を空けた山田が、間合いを取ってギリギリまで我慢。ゴール前で抜け出した。
 「一番いい展開で周回はできました。畑段君に切らせて、(上田が)行くのが一番いいかなと。自分は昨日(2日目)と違って今日の方が余裕はありました。1人でも多く九州から勝ち上がれるようにと思ったけど、自分の力不足ですね。まだ(番手での立ち回りは)うまくできてない。(今シリーズは)決勝が最低ラインでやってきたので良かった」
 最終2コーナー過ぎから7番手まくりで2着に届いた佐々木悠葵(写真)は、力をアピールして初の記念決勝進出も内容を反省する。
 「畑段さんが押さえるのが遅かったら突っ張って、先行態勢に入るのが一番と思ってた。(結果的に7番手からのまくりで)けん制とかもあって大外を回ってしまった。それで山田さんも見えたんで、1回休んでしまった。大先輩の2人に付いていただいたのに、あまりいい内容では勝ち上がれていない。申し訳ないですね」
 最終4コーナーで畑段、那須久幸、三谷政史が落車。落車に巻き込まれなかった中井太祐が3着に追い込んだ。
 「(最終)バックではすごく掛かってたけど、畑段君が無理やり行ってくれた。ちょっと難しかった。冷静には見られてるんで状態はいいと思います」

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和田圭選手
和田圭選手

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 赤板2コーナーでは7番手に置かれた町田太我が、ダッシュを利かせて巻き返す。3番手の横関裕樹も動くが、町田が最終ホームで前団をとらえる。町田に続いた地元勢まで出切り、そこに小松崎大地がまくりで襲い掛かる。小松崎マークの和田圭(写真)は、バック過ぎに原田研太朗のインを進む。小川真太郎が小松崎を外に張って、コースが空いた和田がシャープに抜け出した。
 「僕の勝手な予想で原田君が内を空けていたので、小川君が前で踏んだものだと思った。それなら小松崎さんに付いていって外を回すと、自分は飛んでしまうと思った。それで内にいって、あのコース取りになった。今回使っているフレームだと機敏に動けている」
 小松崎のまくりを阻んだ小川真太郎(写真)が、逃げ粘る町田を交わして2着。
 「(町田は)先行力は一番あるから、踏み合ったところをきれいにいってくれて助かった。余裕がなくて小松崎さんしか確認してなかった。小松崎さんの後ろがいないことはなんとなくわかったけど、ちぎれているのかと思った。そうしたら急に内から(和田が)出てきて、挟まれて上にもっていかれた。そこをこらえて内に誰もいないことを確認して、降りて前に踏めた」
 和田の強襲にはあった町田太我だが、持ち前のスピードを存分に見せて優出を果たした。
 「あの形で押さえてジャンで自分のペースでって思ったら、津村(洸次郎)さんが早めにカマシ気味で押さえに来て、ビックリして後方まで下げてしまった。徳島のスターを付けているから早めに仕掛けないとと思っていった。3着までに残ったのは確認できたので、シメシメというかヨシヨシと」

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小倉竜二選手
小倉竜二選手

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 中近勢が先頭に立つとすぐさま仕掛けた太田竜馬だったが、山田諒も抵抗してペースを上げる。松坂洋平が遅れ気味の3番手の外で休んだ太田は、タイミングを取って打鐘の4コーナーから再発進。山田をねじ伏せて、そのまま加速する。番手の小倉竜二(写真)は、3番手から外を踏み込む池田憲昭のスピードを確かめてきっちり追い込んだ。
 「(太田は3番手で)休んでるんだろうなと。スピードを殺すのが嫌だろうから、併走まくりみたいにするんだろうって走っている感じでわかった。さすがに(太田は最終)3コーナーでは苦しそうだった。自分は8割くらいのでデキ。かなり軽いっていうのもない。(日を追うごとに)疲労がたまっている感じがあるんで、4日目を軽い感じで迎えるっていうのはないと思う」
 地元勢の後ろから直線で外を伸びた池田憲昭は、複雑な表情でこう振り返る。
 「(太田が)早めに行ってくれたので、僕まで着に連れていってもらった感じです。(最終3コーナー辺りは)僕の後ろに村上(博幸)さんがいるのがわかってた。自分もバックに入れたけど、松坂君もいたんで難しかった。(自転車は)出ている。ただ、そういう技術面ですね。前が地元の2人で3番手の走り方(で考えるところがある)」
 423着の成績以上にシリーズでの動きの良さが目を引く太田竜馬(写真)は、山田との力勝負を制してラインを上位独占に導いた。
 「(山田を)目標にして行ったけど、かなり踏まれてしまった。それで(外併走で待って)直線で出切ろうと。結構、キツかったです。あとは小倉さんへの信頼感ですね。自分が出切れば、なにかあると。(感触は)悪くないけど、めちゃめちゃいいわけではない」