『小松島競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月1日

 小松島競輪場で開催されている開設72周年記念「阿波おどり杯争覇戦(GIII)」は、7月1日に2日目が行われた。二次予選からは、太田竜馬、小倉竜二、阿竹智史、久米良、室井健一の5人の地元勢が準決に進んだが、犬伏湧也は5着に沈んで勝ち上がりを逃した。7月2日の3日目には、ファイナルをかけた準決で熾烈なバトルが繰り広げられる。
 なお、開催中は、キッチンカーの出店やパンの販売などを予定しています。小松島競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

朝倉智仁選手
朝倉智仁選手
 赤板過ぎに川口雄太がジワリと押さえて出る。4番手は朝倉智仁(写真)と松川高大の併走になり、緩んだまま打鐘を迎える。2センターで外併走から仕掛けた松川が叩いて出るが、神山拓弥にさばかれた柳詰正宏は付いていけない。朝倉が松川を追いかけて、最終1コーナーで主導権を奪取。神山とのゴール勝負を朝倉がタイヤ差で制して押し切った。
 「(周回中は)前か中団って思ってました。しっかりと集中して、落ち着いて反応ができている。(松川の後ろが)一瞬、口が空いてたんで、すかさずスイッチできた。自分の状態はマルですね。昨日(初日)いじるかもって言ってたんですけど、初日と同じようなセッティングだった。それが良かったのかもしれない」
 外の柳詰をさばいた神山拓弥のソツないプレーが朝倉とのワンツーを生んだ。
 「朝倉君はどういう形になっても行くっていう感じで気合が入っていた。(フタをされるのは)想定していたけど、思いのほか長引いた。自分がアシストできるかなと。自分の状態は暑いっていうのくらいで、重たさとかはないです」


<7R>

室井健一選手
室井健一選手
 踏み込む一戸康宏を打鐘の4コーナーで高久保雄介が抑え込む。そこをすかさず上野雅彦が叩いて主導権を奪って駆ける。四国3車が出切り、4番手に高久保。後方で柿沼信也とからんだ山崎芳仁に出番はない。空いた車間を詰める勢いで高久保が迫るが、番手の室井健一(写真)が追い込んで久々の勝ち星を地元で挙げた。
 「(上野は)タイミング良く、スピード良く行ってくれた。行った瞬間に決まると思った。練習通りの感じで、あまり踏まずきれいに回して、たまたま抜けた。状態は普段と変わらずですね」
 山崎を後方に置いて、スピードに乗せて風を切った上野雅彦が、2着に逃げ残った。
 「一戸さんが行って、高久保さんが行ったところを目がけてと思っていた。予想取りにいけた。山降ろしの1周だったので、ペースでっていうよりは最後まで踏み切ってっていう駆け方でした。スピードをもらって行くのは得意パターン。脚は良く動いている」


<8R>

山田庸平選手
山田庸平選手
 片折亮太、鈴木陸来が合わせて上昇すると、前受けの山田庸平(写真)は赤板過ぎに突っ張り気味に踏み込む。鈴木ラインだけを受けて、山田は4番手を確保する。一本棒のままレースは流れて、先行態勢の鈴木は打鐘の4コーナーからペースを上げる。山田は、2コーナー手前からのまくりで前団を仕留めて人気に応えた。
 「(周回中は)前か中団でと。あとは相手が出たところを見てからでした。(まくりで)踏み出した感じは良かったけど、もう少し早めに行きたかった。前が駆けてなかったんで、欲を言えばジャンのところでカマしていけるように。そういうのが大事かなと。昨日(初日)より今日の方が余裕があったんで(感じは)良かった」
 山田を1輪差まで詰めて2着の小倉竜二が、大粒の汗をぬぐい息を整える。
 「(山田が)うまかったですね。自分は(山田に)付いていけたんでいいと思います。ペースまくりっていう感じだったんで抜けないですね。1輪くらいまでよく詰めた方かなと」


<9R>

眞杉匠選手
眞杉匠選手
 橋本智昭が赤板2コーナー手前で先頭に立って主導権。後方の眞杉匠(写真)を警戒しながら、先行態勢に入る。7番手の眞杉は打鐘で反撃を開始。しかしながら、橋本もフルアクセルで合わせる。中団でいったん小休止の眞杉は、再度踏み上げて前団に迫る。いつものキレがない眞杉だが、ゴール寸前で橋本をとらえた。
 「行ききるつもりで(仕掛けて)行ったけど、だいぶ前にいたので(橋本を)叩けなかった。出が悪くてラインに申し訳ないことをした。終始、余裕がないですね。昨日(初日)は最悪だったし、(感じが)良くない。練習量を徐々に戻してきたところに暑さが重なってオーバーワークになっているのかもしれない」
 新山将史の援護もあった橋本智昭は、眞杉相手に果敢に風を切って2着に粘り込んだ。
 「眞杉君次第だった。(自分の持ち味の)競走をさせてくれるかどうか。あれしか勝負できる形はない。自分はドンピシャで勝負でやることをやってと。思った以上に体は動いている」


<10R>

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 山岸佳太が切ったところを磯島康祐が出て、北日本勢に桐山敬太郎が続く。7番手に下げた太田竜馬(写真)は、タイミングを取りながら打鐘の3コーナー過ぎから仕掛ける。磯島をスピードの違いでとらえた太田は、最終1センター過ぎに出切って、そのままスピードに乗せて踏み上げる。3番手以下は大きく離れて、太田が阿竹智史との直線勝負を制した。
 「(仕掛けを)上りだったんでちょっと待ってっていう感じだった。そのあとはきれいに踏めた。キツかったけど、きれいに乗れている感じがあった。展開は全然違うけど、昨日(初日)がキツすぎたんで耐性ができたのかと。体調的にはいい。でも、めちゃくちゃ暑いですね」
 踏み出しに置いていかれた阿竹智史だったが、地力で追いついて人気の地元ワンツー。
 「スタートからすべて(太田に)任せていました。僕は追走で内に差して戻ってすぐに太田が踏み上げた感じだったんで、ちょっとしんどかった。(最終)ホームでは、ほぼ自力のような感じだった。2コーナーからは後ろを確認する余裕もあったけど、まったく抜ける感じがなかった。(状態は)変わりなさそうです」


<11R>

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 磯川勝裕が押さえたところを嵯峨昇喜郎がすかさずダッシュを利かせて踏み込む。嵯峨は迷うことなく先行策。佐藤慎太郎(写真)まで出切るが、磯川が3番手に飛び付いてもつれる。最終2コーナーで磯川が3番手を取り切り、後方から才迫開がまくりを打つ。佐藤が才迫を止めて直線へ。佐藤はギリギリまで後続を引きつけて追い込んで1着。
 「4車だし、(嵯峨)昇喜郎の先行したい気持ちが伝わってきた。昇喜郎にしては距離が長かったかも。後ろが併走の気配はあって、ブロックした時に内の気配もあった。踏みすぎてブロックしたかなって。1着だけど、昇喜郎を2、3着に残してこそだと思うし、反省点の残るレースです」
 佐藤のブロックで才迫は外に膨らんだだが、才迫マークから中村昌弘が伸びた。
 「(才迫のまくりは)これはいけると思ったが、(止められて)あ、佐藤君かと。そこから伸びずに(最終)4コーナーも踏めなかったが、恵まれました。才迫君のおかげです」


<12R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 小林稜武にフタをされた犬伏湧也は、6番手に下げて赤板を通過する。小林が2コーナーで押さえて出ると、犬伏は打鐘手前からの巻き返し。抵抗する小林を犬伏がねじ伏せるが、柏野智典、峰重祐之介は付いていけない。松浦悠士(写真)の後ろに山賀雅仁が切り替える。後方の佐々木堅次が最終バック手前からまくる。佐々木をけん制した松浦が追い込んで1着も、地元の犬伏とのセットで人気になっていただけに手放しでは喜べない。
 「昨日(初日の犬伏)の走りもそうですし、離れるくらいを想定していた。前の動きもあったり、バンクコンディションが重かったのもあったのか(犬伏は)いつもの粘りではなかった。(ラインの3番手以下が離れて)2人になったのも難しかった。佐々木君のスピードも良かった。佐藤(和也)さんも見えたんで、最後踏まないとっていうのがあって残し切れなかった。もっと車間を切れたら良かったんですけど、(犬伏の)昨日のを見てるんで。自分の状態は抜群にいいと思います」
 佐々木のまくりに乗った佐藤和也が、直線で中のコースを伸びた。
 「(佐々木)堅次が自分の力で行きました。まくった瞬間、口が空いたけど、落ち着いて抜けている。ただ、最初のところで車間を空けないで付け切らないと。あれだと準決では脚がある人に張られてしまう。そこですね。リラックスして走れてはいます」