『小松島競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:8月12日


 小松島競輪開設57周年記念「阿波おどり杯争覇戦」も、いよいよ佳境の三日目を迎えた。今日は準決勝A、B、C合わせて4個レースでファイナリストの椅子を争い、地元・徳島勢からは小倉竜二、室井健一の2名が決勝に進出した。
 明日は小松島競輪場に吉岡稔真さんが登場。「吉岡稔真と競輪」と題したトークイベントで記念開催を盛り上げます。そして注目の決勝戦、果たして地元勢から優勝者は出るのでしょうか? 明日は小松島競輪場へご来場ください。


<8R>
法月成祐選手
法月成祐選手
   8レースの準決勝Cは1着選手のみが決勝戦に進めるという狭き門。その難関レースを制したのは法月成祐(写真)だった。「半年前に4回転も使ったことがあるし、風が強かったので」とギアを3.92に変更すると、この読みがピタリ。目標の小谷田公則は三番手まくりが不発に終わるが、コース取り巧みに抜け出した。
 「去年千葉記念で決勝に乗った時も(今回と同じ)4着6着の勝ち上がりで準決Cだったんです。準決勝Cは今回も含めて1着2回、2着1回と全部連にからんでますね。でも(中を割ってきた)内田の一発は効いた。今日は前の頑張りと、ギアのおかげですね」
 惜しくも2着で決勝を逃した内田慶は昨日、「ここ1年記念では1着を取ってないんです」と話していたとおりの結果にガックリ肩を落とす。
 「また1着はお預けですね。最内も考えたけど、中だと思って突っ込みました。(志村)太賀が行けなかったあとのコースは正解だったけどね。岩津も入ってきたし、最後は完全に踏み負けました」
 任せた阿竹智史が内に詰まり、岩津裕介はバックで後方に置かれる。そこからコースを突いたが3着までが精一杯だった。
 「空いたからコースはあそこしかなかった。からんだ分だけ伸びなかったですね。すんなり抜けられれば、もう少し伸びたと思うけど」


<9R>
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
   9レースの準決勝Bは相性抜群の武井大介―渡辺晴智がワンツーを決める。勝ったのは渡辺晴智(写真)。直線では兵藤一也に飛び付かれたが、それをしのぐとゴール寸前で武井を捕らえた。
 「兵藤の強さを知ってるから、飛び付かれた時はヤバいと思いましたよ。でも、あのスピードに飛び付く兵藤はすごいね。僕は目一杯だったし、差したのもたまたま。2着権利でワンツーだったし最高ですね」
 2着で決勝進出の武井大介も満足げにレースを振り返る。
 「稲川(翔)君のカマシに前田(新)さんが遅れて来たからどうしようかと思いましたよ。でも僕もケツを上げてたので(前田を)振りながら、稲川君がピラんでも付いて行こうと思ってた。稲川君も新田君の横まで行ったし持ってこられることはない。追い風のところで踏めて、タイミングも絶好でしたね。今日は展開が良かったです」
 3着には兵藤一也後位から伸びた大河原和彦が食い込んだ。
 「一番点数のない俺が3着ってすげぇでしょ。もう上出来です。(初日に41歳の誕生日を迎え)今年ほど良い誕生日の開催はないね」


<10R>
小野俊之選手
小野俊之選手藤野義高選手
藤野義高選手
   10レースからは準決勝A。このレースは篠原龍馬と北津留翼の二分戦。後ろに地元勢を連れた篠原が突っ張ろうとする北津留を強引に叩くが、番手の堤洋が少し遅れたところを突いて北津留が最終主導権。そのまま九州勢で上位独占を決めた。
 勝った小野俊之(写真)は、「作戦どおり。今日は翼が突っ張るか、引くかどっちかだった。篠原が強引に来たら引こうかとは言ってたんですけどね。翼はペースで駆けてたし、バックでスピードに乗せて行ったから、やっと差した感じ。今日は九州三人で決まったでしょ。それが嬉しいです」
 差されはしたが、丸2周も風を切った北津留翼も強かった。
 「堤さんがギアを掛けたので、口が空くかなと思ってたし、上手く入って出て行けた。誰かが追い出しをかけて来たのでホームから踏んだけど、バックでは誰も来ないだろうと思ってました。藤野さんまで連れて行きたいと思ってたので、3コーナーでも踏んだ。体調は完全ではないけど、いつもの感触にはなってきました」
 堤や吉岡篤志の急追をしのいで3着に流れ込んだ藤野義高(写真)は、「記念の決勝は14年ぶり。嬉しいですね。直前の2週間は遊びにも行かず練習してたし、その成果が出て嬉しい。3カ月前の調子が良かった頃に戻ってきてますね」と笑顔が絶えない。
 一方、4、5着に敗れた地元勢の表情は冴えない。4着に終わった堤洋は、「ギアを掛けてなくても切れたと思う。でも内をしっかり締めとけば二車しか出させずに済んだのにね。最後も翼が掛かって行ったし、良く踏めてたね」。吉岡篤志は、「コースを間違えた。それがなければエエ勝負ができたかも。もったいないね」と肩を落とす。


<11R>
小倉竜二選手
小倉竜二選手室井健一選手
室井健一選手
   11レースは伊原克彦の先行を渡部哲男が二角まくりでひと飲み。番手の小倉竜二(写真)が気合でシリーズ初勝利を挙げた。
 「前のレースで地元が勝ち上がれなかったけど、自分のことに集中してたし気にしなかった。哲男を抜いたのは久々。最近は抜けないイメージがあったし、この辺で抜いとかないとズルズル抜けなくなるでしょ。初日はどうなるかと思ったけどね。地元の気合もあったけど、何とか持ち直して8、9割方戻ってきました」
 渡部哲男もライン三人で決勝進出の結果にホッとした表情を見せる。
 「俺が頑張らんと、後ろだけでも(決勝に)乗せんとと思ってました。伊原君も流さず全開だったし、たぶん掛かってましたよ。今日は(小倉に)抜かれましたね。まあ想定内ですけど。三人で決勝に乗れてホッとしています」
 山内卓也にからまれる苦しい展開をしのいだ室井健一(写真)も何とか3着をキープした。
 「山内は自分のところに飛び付いてくるのは最初から分かってたから、そこさえしのげばとは思ってた。でもキツかったね。昨日は(北津留翼に)千切られたし、今日もエラかったけど、思ったとおりには行ってますね」
 抵抗及ばず4着の山内卓也は、「バックで見えた時に止めれんと思った。強すぎる」と渡部の強さに舌を巻く。
 伊原克彦は初体験の準決勝でも果敢な先行で見せ場を作った。
 「前半からフカし過ぎなくらいで突っ込んで、どこまで粘れるかって感じで駆けました。バックで(渡部に)来られたんで焦りましたね。もう少し余裕が持てれば良かったけど、難しいですね。勉強になりました」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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