『小松島競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:8月13日


 小松島競輪開設57周年記念「阿波おどり杯争覇戦」は8月13日の11レースに決勝戦が行われた。渡部哲男、北津留翼に武井大介が激突した三分戦は、赤板ホームで渡部が落車し、武井が車体故障するアクシデント。打鐘先行の北津留後位に渡辺が追い上げてモツれると、北津留が逃げ切り。見事、記念初優勝を飾った。

決勝戦ダイジェスト
 スタートでやや出渋りはあったが、武井大介が踏み上げて誘導員をゆっくり追い掛ける。武井―渡辺晴智―法月成祐の南関勢が前団を占め、渡部哲男―小倉竜二―室井健一の四国トリオが中団、北津留翼―小野俊之―藤野義高の九州ラインが後方待機で周回が進む。
 赤板前に北津留が上昇を開始すると、これに合わせて渡部も踏み上げる。赤板で内から、武井、渡部、北津留と3車併走になった瞬間に渡部が落車、地元勢は目標を失う。打鐘では北津留率いる九州ラインが主導権を奪取、小倉―室井の地元勢は何とか中団をキープ。武井―渡辺―法月が後方となる。後続の出方を窺いながら北津留が先行態勢に入ったが、渡辺が車体故障した武井から切り替え、最終ホームで番手小野と壮絶に競り合う。直線は最終三角で渡辺を競り下ろした小野と、逃げる北津留の一騎打ちとなったが、北津留が強靭な末脚で押し切り、嬉しい記念初優勝を決めた。


北津留翼選手
北津留翼選手
  「獲れるとは思わなかった」。これが北津留翼の偽らざる気持ちだ。番手に小野が、そして別線の機動型も強力。ただ無欲の先行策を心掛けた北津留に、最後は勝利の女神が微笑んだ。
  「レース前は小細工はせず、普通どおりの押さえ先行をするつもりでした。渡部さんが落車したのも分からなかったし、バックでも誰がどう並んでるのかも分からない。ただ2センターから渡辺さんが来た時は、どうなってるんだ? と思いましたね。とりあえず合わせて、1コーナーからは全開。ゴールした時に優勝したのは分かりました」
  デビューから2年1カ月で早々と記念優勝を飾った。これで次走のオールスターへ、そして目標の北京五輪へ、大きな弾みが付いたに違いない。
 「このあとは20日からナショナルチームの合宿に入って、タイでアジア選手権に出場します。アジアでも勝てるように、そしてオールスターではGIでまた決勝に乗れるように頑張りたいですね」

  2着に敗れた小野俊之だが、勝ったのが北津留であれば話は別。清々しい表情でレースを振り返る。
  「いつもみたいに(ゴール前で)ちょっと交わそうと思ったら、踏み直された。余裕を持ちすぎましたね。赤板で哲男がこけて、武井も車輪がブレてるのが見えたから、これで(九州で)決まったと思った。でも翼が優勝して良かった。一本獲ると気分的にも違うだろうしね」

 3着には藤野義高が流れ込み、九州勢で確定板を独占。「翼と小野のおかげです。今日は三番手の走りをしないといけないと思ってたので、あれがベスト。競輪祭の権利も取れたみたいだし、九州で決まって良かった」と14年ぶりの記念決勝で満点の走りを見せた。

  一方、地元そして南関勢にとってはいきなり目標を失うアクシデント。打鐘過ぎの2センターから番手に追い上げた渡辺晴智は、「(武井が車体故障して)あれしかやることがなかったからね。急きょ、そんな展開になって、小野に胸を借りました。また勉強します」。

  小倉竜二は4コーナーから直線勝負に出たが、「しゃーないね。何も言うことはない。北津留は掛かってるとは思わんかったけど、4コーナーからの踏み直しがすごい。(渡部が落車した時に)行っても合わされるだろうし、どうしようか迷った。内に行ってもよくて3着くらいやね」と5着に敗れた。

 小倉後位から内を伸びた室井健一も「今日は楽だった。でも最後は怖くてハンドルを投げられなかった」と4着まで。

  残り2周から落車し、不完全燃焼のレースとなった渡部哲男は、「ケガは大したことないです。先に切って中団取りと見せかけて突っ張るつもりだったけど…。」と作戦を明かす。

  車体故障でレースを終えた武井大介も、「どっちが来ても一回突っ張って中団を取るつもりだった。でも接触でスポークが飛んでしまった」と見せ場を作れず。

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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