『小松島競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:7月26日


 いよいよ今日から小松島競輪場開設58周年記念「阿波おどり杯争覇戦」が開幕した。真夏の日差しの下、気温とともに選手の走りもヒートアップ。オープニングの1レースから白熱のレースが続いた。注目の特選競走は、金子貴志、小倉竜二に市田佳寿浩がそれぞれ制してシリーズの好スタート。明日は11レースの「よしこの賞」をメーンに二次予選が争われる。
 明日(27日)も引き続き、専門解説者、緒方浩一氏による予想コーナー(4レース発売中)やポンスターふわふわドームが。さらにLOVE9によるお出迎えやトークショー(5レース発売中)、ダンスパフォーマンス(9レース発売中)も予定されています。ぜひ小松島競輪場で生のレースをご観戦ください。


<1R>
 オープニングの1レースは藤田剣次が切れ味鋭いまくりで快勝。練習十分と話した前検日の言葉どおり、走りで調子の良さを証明した。
 「練習でも自力でタイムが出てたし、やれる気はしてました。近藤(幸徳)さんの突っ張り先行で良い展開になった。タイミングがズレてたのにまくれたし、けっこう踏めてる。調子は良いと思います」


<2R>
 2レースはホームガマシの中野功史の番手から下田和美が抜け出した。
 「中野が頑張ってくれたし、3着に残せれば良かったけどね。最近はいつも4コーナーから出てなかったし、僕に余裕がなかった。1着は久し振りですよ」


<3R>
 3レースは辻力が八番手からバックまくりで快勝した。
 「落ち着いてました。山下(渡)くんが行かなくてもあそこで仕掛けようと思ってたし、自分のタイミングで行けましたね。舛井(幹雄)さんとはけっこうワンツー決まってるんですよ。前回はけっこう追い込んで疲れがあったけど、今回は疲れもない。明日も(若手相手に)おじさんパワーで頑張ります」


<4R>
高瀬 卓選手
高瀬 卓選手
   4レースは今期が初のS級で今回が記念初参戦の高瀬卓(写真)が後続のモツれもあって今日唯一の逃げ切り勝ちを収めた。
 「ホント恵まれです。打鐘から半周は踏んで、残り1周はペースだったけど6番車がやっちゃいましたね。明日も打鐘から行ってどこまで通用するかです」
 宇根秀俊は前受けから高瀬の番手を奪った。
 「狙い通りだけど、抜きに行ったら踏み直されて、えーって思いましたよ。最後はバタバタだったでしょ。お恥ずかしい」


<5R>
 5レースは佐竹和也が厳しい展開を凌いだ。高田大輔が小泉俊也に叩かれると、三番手でアンコになる展開を耐え、最後は空いた内を突き抜けた。
 「1コーナー過ぎはどうなるかと思ったけどね。アンコになってコケてもいいから(小泉ラインの)三番手だと思った。そこからなら内、外どちらでもいける。負けたら帰るくらいの気持ちだったし、地元で今年初勝利できて嬉しい」
 2着の野木義規は「小泉が頑張ってるし、まくりは絶対止めようと思ったけど、持って行ったところをしゃくられた。あれがなければ決まってたと思うけどね」。小泉俊也と勝ち上がれず悔しそうな表情を見せた。


<6R>
山内 大作選手
山内 大作選手
   6レースは五十嵐力がホームから力強く巻き返すと、番手の山内大作(写真)が絶好の展開を生かす。
 「五十嵐くんがよく行ってくれました。踏み出しに離れたくらいだし、やっぱり人の後ろは付きにくいですね。1回富澤さんの前で離れたことがあって迷惑をかけてるし、僕が後ろでも良いと思ったけど富澤さんが良いと言ってくれた。ひとつ勝って良いスタートが切れたけど、(3着までに残せず)五十嵐くんに悪い事をしましたね」
 富澤洋祐もあわや1着の鋭い伸びを見せた。
 「記念は成績が良いですね。まくりは自分のところで止まってたし、もう少しでワンツースリーが決まったと思ったけど。僕の感じは悪くないし、今日は五十嵐さまさまです」


<7R>
前田 新選手
前田 新選手
   7レースは岡本大嗣と金澤竜二で激しい主導権争い。そこを単騎で小川将人がまくると、これに乗った近畿コンビが直線一気。最後は前田新(写真)が10秒9の好タイムで突き抜けた。
 「バックではどうかと思ったし、3コーナーで膨らみそうになったけど、4コーナーから意外と伸びましたね。最近は決勝に乗れてないけど、流れさえ向けばそこそこ戦えるんじゃないかな」
 2着に敗れた松山勝久は、またも節目の200勝ならず。
 「前田さんが人気になってたし、とりあえず4コーナーで先頭に立てればと思ってた。勝てなかったけど、近畿のワンツーだから。レースも見えてたし、今日はあまりテンパッてませんでしたね。前回の失格で逆に気持ちが楽になりました」
 3着の小川将人もまずまずのスピードを見せた。
 「後ろに松山さんがいるし、行かないと被るからね。風は強いし、行った瞬間に1着はないと思いました。それでも何とか3着で良かったです」


<8R>
湊崎 裕次選手
湊崎 裕次選手
   8レースは湊聖二が長い関東ラインを分断すると、上手く湊崎裕次(写真)が三番手をキープする。真後ろから湊がまくってくると、落ち着いたレース運びで最後は湊を僅差で捕らえた。
  「湊くんに締め込まれて成り行きで内に行ったけど、あんな展開になってラッキーでしたね。来なければまくり追い込みだと思ってたけど、すぐに湊くんが来たから。慌てて内に行かず良かったし、感じも良いです」
  惜しくも2着に敗れた湊聖二だが、まずは勝ち上がりを決めてホッとした表情。
  「スタートけん制で前を追いかけるのに脚を使ったし、最後はもうどないもならなかった。湊崎さんも位置取りが上手いですね。まずは2着なんでよしとします」
  3着に粘った岡村潤も「練習の成果が出た」と笑顔を見せる。
  「今までは街道練習で仕上げてたのを、今回からはバンクに入ってインターバルでキツめのモガキに変えた。昨日は重かったけど、1日休んで疲れが抜けたし、ここ半年くらいはレースより練習のほうが楽な状態が続いてたので。言い方はおかしいけど、今日はレースが楽でしたね」



<9R>
金子 貴志選手
金子 貴志選手
   9レースからは特選競走。ここは出入りの激しいレースとなったが、最終的に岡田征陽、三宅達也でモガキ合いになると、そこを金子貴志(写真)が豪快にまくり切った。
  「サマーナイトは疲れが残ってたけど、今回は身体が軽いから何より生活面が楽ですね。今は高地トレーニングに行くたびに上がってきてるし、良いと思います。勝ったのも嬉しいけど、3人で決まったのが一番良かった」
  加藤慎平は一段とスピードアップした金子の前に完敗。
  「金子さんが仕上がってるのが嬉しい。これで僕は4日間、自分の仕事に集中できる。今日はスピードの乗りが良くて、全然抜けなかった。でも自分の体調に問題はないし、ラインで決まって良かった」
  3着に続いた古田義明もホッとした表情。
  「やり合って展開が向いた? 僕は離れないようにするのが必死で、展開なんて見てないですよ。きっちり付いて行けたし、出切ったときに決まったと思った。明日も三番手3着でいいです」



<10R>
渡部 哲男選手
渡部 哲男選手
   10レースは人気を集めた中四国ラインが上位を独占。渡部哲男のまくりをきっちり捕らえて、地元戦で好スタートを切った小倉竜二はまず渡部を指差し「仕上がっとるね」と太鼓判を押す。
  「前受けからムダ脚を使わずに行けるところからと思ってたけど、全てが上手くいきました。哲男のスピードが違ったし、煽りを食ってもいってしまうような感じだった。あとは自分のタイミングで抜くことだけ考えてたけどね。調子は前回と変わらずだけど、とりあえず3人で決まって良かった」
  3着になった渡部哲男(写真)だが、バックで中川誠一郎にからまれ失速しながらもさらにまくり上げたスピードは秀逸だった。
  「ホーム過ぎから良い感じで踏んだけど、けっこうスピードに乗りましたね。(中川の)あれがなければもっと楽に出切れてたと思う。四番手を固めてくれた前反(祐一郎)さんの一車も大きかった」
  2着の堤洋も準決勝進出を確定させて笑顔が絶えない。
  「今日は哲男が強かった。僕も最後は感じよく車が出たし、スカスカするけどそのぶん切れがある。1コーナーで離れてヤバイと思ったけどね。明日もラインを固めます」


<11R>
市田 佳寿浩選手
市田 佳寿浩選手
   11レースは中村一将が果敢に主導権を奪うと、中団に井上昌己、七番手に山崎芳仁で最終バックも一本棒。井上が3コーナーからまくり上げると、合わせて中村後位から市田佳寿浩(写真)が踏み込み井上、山崎を退けた。
  「今日は一将(に尽きる)でしょうね。言い訳になるけど、昌己、山崎のスピードを考えたら僕が2、3着では怒られる。勝つことだけを考えてました。まだ初日だけど僕にとっては優勝くらいの感覚。すごい嬉しいです」
  横一線となった2着争いを制したのは市田に続いた北野武史
  「もう少し市田に迫りたかったけど、内外を来られて伸びてない俺。ハンドルを投げたときは俺2着なの? 大丈夫?と思いましたよ。悪くはないと思うけど、調子は普通ですね」
  3着にはまくった井上昌己が食い込んだ。
  「山崎が後ろ攻めなら(山崎の)番手も考えてました。山崎はホームから1コーナーを目がけて来ると思ってた。絶好の展開だったけど、難しかった。仕掛けはもう少し早目か遅めか、中途半端なところで行ってしまった」
  まくり届かず6着の山崎芳仁は「タイミングが取りづらかったし、思ったよりみんなが掛かって行った。調子は問題ないと思う」と話すとセッティングをイジり始めた。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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