『小松島競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:7月28日


  小松島競輪開設58周年記念「阿波おどり杯争覇戦」もいよいよ後半戦。3日目の今日は準決勝4個レースでファイナリストの座をかけた最後の勝ち上がり戦を展開した。地元勢からは堤洋が優出を決めたが、期待を集めた小倉竜二は4着滑入で無念の途中欠場。勝ち名乗りを挙げた9名で明日の決勝戦を戦う。
 明日(29日)は伊藤豊明氏のトークショーが6レース発売中にサイクルシアターで催される他、緒方浩一氏による予想コーナー(4レース発売中)など連日大盛況のイベントも引き続き行われます。明日もぜひ小松島競輪場へ足をお運びください。



<8R>
堤 洋選手
堤 洋選手
   8レースの準決勝Cでは地元の堤洋(写真)が奮起した。先行一車の岡村潤が前受けし、後位の併走で堤は実質五番手でレースを運ぶ。そのまま前受けの岡村を逃がすと、上がり10秒8の快速まくりで逃げる岡村を捕らえた。
 「初手は7割後ろになると思ってた。一回斬ったりせず、岡村くんがどこから駆けても1コーナーから早めに巻き返すと決めてた。来る前の感じが良かったし、結果が出て良かった」
 2着に続いた西村正彦も納得の表情だ。
 「堤はよう練習しとるし、調子も良いみたい。ファンには『抜くなよ』って言われたけど、僕は付いていくだけ。久々に堤の良いまくりが見れたし、もう何も言うことはないね。一番エエ結果ですよ」
 3着には岡村後位を取り切った大井啓世が入線した。
 「打鐘で誰も来なかったから、追い上げられても我慢せなと思ってました。競り勝ってひと呼吸した途端に来てたから対処ができなかった。ようやく練習仲間とやった成果が出てきましたね」
 逃げた岡村潤も上がり10秒8の前ではなす術なし。
 「自分のタイミングで掛かりも良かったけど、10秒8ならしょうがないですよね。堤さんが強かった」


<9R>
渡部 哲男選手
渡部 哲男選手
前田 新選手
前田 新選手
  9レースの準決勝Bは堤のバトンをしっかり受け取った渡部哲男(写真)が2コーナーから力強くまくり上げて節目の150勝を飾る。上がりも堤と同じ10秒8、完全復活を印象付ける走りを見せた。
 「ホームでカマシに行けとったけど、堅く行って後ろに迷惑をかけてしまった。堤さんのレースを見て気合が入ったし、久々の準決勝Bで集中できた。これで自信がわいて来たし、自分のレースをすれば大丈夫だって気になれます」
 最終ホームで伊藤一貴に攻め込まれた前田新(写真)だが、何とか凌いで2着で決勝進出。
 「(追い上げは)予想してました。一瞬遅れたけど、どうにかなりそうな気がしたし、諦めずに踏んで良かった。記念の決勝はかなり久し振り。悪くはないと思うけど、気持ちに余裕がないですね」
 前田後位を回った北野武史は車体故障のアクシデントもあり3着で優出を逃す。
 「(渡部が)早めに来れば番手に飛び付き、来なければ早めのまくり追い込みと思ってた。前が競りだったけど、4コーナーの接触(車体故障)は関係ない。あの態勢なら3着が一杯ですから」
 逃げた中村一将は「バックで伸びて行ったけど…。しゃーないです」と言葉少なにレースを振り返った。


<10R>
加藤 慎平選手
加藤 慎平選手
岡部 芳幸選手
岡部 芳幸選手
   10レースからは準決勝A。逃げる金澤竜二にバックから湊聖二が襲い掛かって混戦になると、直線伸び比べを制した中部コンビが3日連続のワンツーフィニッシュ。今日は加藤慎平(写真)が鋭い伸びで快勝した。
 「半信半疑だったけど伸びて良かった。3日間ワンツーは、これ以上ないですね。金子さんは今日重そうだったので、何とかあと1日二人で頑張りたい。アタリが付いてきた気がするし、明日は思い切って踏み込みたいですね」
 2着に敗れた金子貴志だが、動きは今シリーズのMVP候補の資格十分。決勝進出、そして3日連続のワンツーにホッとした表情を見せる。
 「走る前は絶好調でイケるかなと思ったけど、発走機に着いたら違うなと思った。暑いのでアップで(筋肉を)ほぐし過ぎたかな。追いつかないかなと思ったけど、我慢してたら後半伸びた。ちょっと踏める距離が伸びてますね。状態的にも悪くない。明日もワンツーになれば良いし、乗ったからにはチャンスがあると思う」
 金澤の先行を利した岡部芳幸(写真)が辛くも3着をキープした。
 「竜二も良いペースで駆けてたし、(番手から)出て行くことは考えてなかった。思ったより早く湊が来たので、何とか止めないとと思ったけどね。昌己が一番後ろになったのも誤算だったけど、力不足です」
 徳島コンビの表情は晴れやか。室井竜二は5着で決勝進出ならなかったが、「湊はよく行ってくれた。3着には入れると思ったけど、しゃーない」とサバサバした表情。レース直後は「(決勝に)乗れんかった。悔しい」と悔しさをあらわにした湊聖二も「3日間で一番良いまくりだった。竜さんに乗って欲しかったけど」と笑顔でレースを振り返った。
 井上昌己は10秒7で迫るも位置取りが響いて4着まで。
 「一回動かないといけないところで動けてない。ダメですよね」


<11R>
山崎 芳仁選手
山崎 芳仁選手
古田 義明選手
古田 義明選手
 

 11レースは打鐘過ぎに先行態勢に入った山崎芳仁を2センターから矢口啓一郎が一気に叩く。小橋正義が離れて番手に山崎が入ると、矢口はペースダウン。バックで五十嵐力がまくって来ると、合わせて番手から飛び出した山崎芳仁(写真)が激戦を制す。
 「今日は先行するつもりだったけど、絶対に誰かが斬って来るだろうと思ってました。けっこう踏んでたので来ても一車だと思ってたし、やっぱり矢口が一車で来た。でも1コーナーで緩められたのが誤算でしたね。最後は8番(五十嵐)が見えたので無理やり踏んだ。小倉さんがからまれてたのは分からなかったし、迷惑をかけてしまいました。けっこう踏めたし悪くはないですね」
 外をまくり上げた市田佳寿浩の番手から鮮やかに伸びた古田義明(写真)が2着入線。
 「良かったです、良いコースに行けて。市田がスピードに乗せてくれたし、そのまま内を突っ込めたのが良かった。記念の決勝は今年の佐世保以来(2回目)。これだけ伸びてるので調子は悪くない」
 渾身のハンドル投げで地元記念優出を狙った小倉竜二を鋭い中割りで捕らえたのが遠澤健二。接触した小倉が落車し、審議対象となったが、セーフの判定にホッとした表情を見せる。
 「脚を使ってないし、今日は楽だったなあ。でも何がどうなってるのか分からずに、コースだけを待ってました。もう少し早く突っ込めたけど、五十嵐に当たるの悪くて。とりあえず決勝に乗れたから良かった」
 打鐘過ぎに果敢に飛び出した矢口啓一郎だが山崎に入られ万事休す。
 「山崎さんが逃げそうな雰囲気だったし、とりあえず叩いてと思った。一人だったし、ペースを緩めて来たら抵抗しようと思ってたんですけどね」

 


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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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