『小松島競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:7月18日
小松島競輪開設59周年「阿波おどり杯争覇戦」は3日目。勝ち上がり戦もいよいよクライマックスの準決勝戦を迎えた。エース小倉竜二は優出に失敗したが、地元勢からは堤洋、室井健一が決勝に進出。中四国勢が大挙して勝ち上がった明日の決勝戦で05年の小川圭二以来となる地元勢での記念Vを狙う。
明日(19日)は6レース発売中に新田計三、中田毅彦さんを、8レース発売中には滝澤正光さんをお招きしてトークショーと予想会が。さらに阿波踊り(9レース発売中)や全レース終了後はバンク解放などイベントが盛りだくさん。注目の決勝戦をぜひ本場でお楽しみください。
<8R>
溪飛雄馬
選手
準決勝Cは佐藤幸治のほぼ先行一車というメンバー構成。その佐藤が後ろ攻めから打鐘で一気に主導権を奪うと、前受けの浦川尊明以下は口が空いてしまう。七番手の大薗宏が2コーナーからまくりを打つが、これを鈴木誠が大きくブロック。その大薗を目標にさらに外を
溪飛雄馬(写真)
が突き抜けた。
「自分で行こうと思ったときに大薗さんが仕掛けた。でも、行けるんかな? と思って一回待ったのが良かったですね。ぴったり付いて行ったら僕もあおりを受けてたと思う。6番(佐藤)も内でけっこう踏みよったけん捕らえられんかと思ったけど、最後まで良く踏めた。初めての記念決勝やし、調子も良いと思います」
打鐘から果敢に飛び出した
佐藤幸治
は惜しくも決勝進出を逃したが、2着に残る大健闘を見せた。
「ラインでワン・ツー・スリーが決まるように行くつもりでした。余裕もあったし、3回くらい踏み直せたんですけどね。落車する音が聞こえて、もしかしたら? って夢を見ました。でも、自信になりましたね」
まくった
大薗宏
は鈴木の執ようなブロックの前に力尽きた。
「高木(竜司)くんは行けないと思って、僕は素直に降りたほうがいいと思った。これで一発狙うしかないなと思い、最後も鈴木さんをよけながら行ったんだけどね…」
前受けした
浦川尊明
はアテが外れた。
「粘ろうと思ってたけど、あれじゃ飛び付けない。そこが甘かったですね」
<9R>
石丸寛之選手
堤洋選手
格上二人に任された山中貴雄が打鐘から一気にフカす。2コーナーから
石丸寛之(写真)
が番手まくりを打つと、渡邉一成、市田佳寿浩らの反撃を封じて堤洋とワンツーを決めた。
「山中くんにはリラックスして走れと言いました。番手から出るのもフカし過ぎるとゴール前で5キロくらいスピードが落ちるので、出てからもペースで踏みました。それぞれが仕事をして上手く決まったのが嬉しい。ここ2日間はすっきりしなかったけど、明日は気持ちよく走れると思う」
堤洋(写真)
は渡邉一成に激しく詰め寄られたが、何とか2着で2年連続の地元記念優出を決めた。
「外を(渡邉が)来てる感じがしたから振りながら抜きに行ったら伸びんかった。3着かと思ったけど、決勝に乗れてよかった。やっぱSSやね。丸さんが強かった」
番手まくりの石丸に対し、外を猛襲した
渡邉一成
だったがわずかに届かなかった。
「悔しいですね。牛山(貴広)さんはホームで行ければ行くと言ってくれてた。市田さんの外で止まったけど、へばりついてくれてたので牛山さんを目標にして行った。またですよ。記念の準決勝であと1着足りないのは…」
<10R>
成田和也選手
藤原浩選手
吉川誠が叩いた上を、すかさず村上義弘が叩いて主導権を握る。このライン三番手に上手く続いた
成田和也(写真)
が直線鮮やかに突き抜け、無傷の3連勝で決勝進出。完全優勝に王手をかけた。
「最近は4連勝(で記念優勝)ブームだし、それに乗っかりたいですね。2コーナーでまくろうかと思ったけど、後ろを見たら来てなかったのでひと呼吸置いてから行きました。おかげさまで調子は良さそうですね。流れが良いと言うか展開が向いてます」
2着には強引にまくり上げた三宅達也に乗った
室井健一
がコースを突いて突っ込んだ。
「余裕はあったですね。最近はFIでも決勝に乗れんのに何でかな? でもスピードに乗ってコースが空いたら突っ込む。そのくらいはできんと終わってまう。達也も気を遣ってくれたね」
室井に続いた
藤原浩(写真)
が3着入線。記念初優出に笑顔が絶えない。
「いつ以来というか記念の決勝は初めてです。3コーナーから外を踏むことも考えたけど、一線級はコースを空けたら来られるでしょ。健さんの動きを見ながら邪魔しないように踏みました。山口さんも3着やと思ったら、訳の分からんのに来られてガックリでしょうね。今回はええ追加になった。調子? これで悪いとは言えないですよ(笑)」
4着で決勝進出を逃した
山口幸二
はガックリと肩を落とす。
「後ろが成田なのは分かってたので、来たら思い切り体当たりしてやろうと思ってホームから車間を切ってた。それがあったにしても6番(藤原)に食われたらいかんね。そこがイマイチです」
<11R>
有坂直樹選手
岡部芳幸選手
柴崎淳の先行に襲い掛かった渡部哲男だが急きょ作戦を三番手狙いに変更。そこからまくりを打ったが南修二に止められると、内を突いた小倉竜二も伸び切れない。モツれる前団を外から北日本勢が一気に飲み込んだ。勝ったのは全盛時を思わせる鋭い伸びを見せた
有坂直樹(写真)
だった。
「前は遠いなと思ったけど、良い伸びだったね。直前の合宿の成果が出てる。すぐに出ることを女房にアピールして毎月行きたいな(笑)。あとはギア。去年の後半から3.71に上げてたけど、64のほうが回せてますね」
岡部芳幸(写真)
も「昨日より重く感じる」としながらも後方から自慢の伸びを見せた。
「キツかったですね。前半戦から外が伸びてるイメージがあったから、勢いで外を行った。2着だけど、しょうがないね」
3着に逃げ粘った
柴崎淳
も今シリーズ軽快な動きを見せる選手のひとりだ。
「苦手な戦法で粘れてるから状態は良いと思います。今日はギリギリまで哲男さんにフタをして、哲男さんの仕掛けだけ見て走りました。ペースで駆けられたし、掛かってたと思います」
地元の
小倉竜二
は2年連続で決勝進出を逃した。
「詰まってしもた。あれでだいぶスピードが死んだですね」
渡部哲男
も小倉を連れて早め、早めの仕掛けに出たが…。
「今日はカマす作戦でした。三番手に入れたけど、今日は小倉さんを連れて先行と決めてたのに出切れなかったことに納得できなかった。それでバックから行ったんですけどね…」。ラインからファイナリストを出せずにガックリうなだれた。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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