『小松島競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月6日
 小松島競輪開設64周年記念「阿波おどり杯争覇戦」は7月6日に最終日を迎えた。準決勝で敗退した小倉竜二に代わって、悲願の地元記念初優勝を狙った原田研太朗、阿竹智史だが、早坂秀悟との主導権争いで不発に。絶好になった中村一将がまくると、直線で志智俊夫が鋭く突き抜けた。
決勝戦 レース経過
 号砲で志智俊夫が飛び出してスタートを取る。志智が中村一将を迎え入れ、中村-志智-有賀高士の中近ラインで前団、原田研太朗-阿竹智史の地元コンビに松岡貴久が続いて中団を形成、早坂秀悟-大槻寛徳-安部貴之の宮城トリオが後攻めの形で隊列は落ち着く。
 青板周回の3コーナーから早坂が上昇。中団の外で原田をけん制しようとするが、原田は7番手にすんなり車を下げる。中団に入った早坂は原田の動きを確認しながら中バンクに上がって前との車間を空ける。打鐘前の2コーナーから原田が一気に仕掛けると、早坂も合わせてスパート。両者で激しく踏み合うも、早坂が突っ張り切る。合わされた原田は後退し、大槻のところに降りようとした阿竹はさばかれて3番手に。最終1センターで車を外に持ち出した中村が前団のもつれをひとまくり。これに乗った志智が直線で鋭く追い込み、1年半ぶりの記念優勝を飾った。志智に続いた有賀が直線で中を割って2着。中村が3着に粘って中近ラインで上位独占となった。


志智俊夫選手
志智俊夫選手
 早坂秀悟、原田研太朗で打鐘前から激しい主導権争い。これで中近勢のまくり頃に。中村一将がホームから仕掛けると、バックでライン3車で出切ってしまう。番手の志智俊夫は好展開を逃さず、直線一気。昨年1月の京王閣以来、4度目の記念優勝を飾った。
 「一将が強かった。たぶん2つのラインがやり合うんで、たとえ7番手になっても相手は脚をつかってる。あとはタイミングを逃さんかったらと思ったけど、バッチリでしたね。強かったです」
 表彰式でインタビュアーの山口幸二氏に声をかけられ涙ぐむ場面も。
 「深谷(知広)、金子(貴志)、浅井(康太)って自力選手がいるのに、幸二さんみたいなしっかりした追い込みがいなくなった。自分がそうなりたいと思うけど、なかなか体と気持ちがついてこなくてもどかしかった。山田(裕仁)さんも引退して中部を築いてきた先輩が2人いなくなったので、僕もちょっと頑張らないと」
 このあとも福井記念、寬仁親王牌と戦いは続く。中部追い込み陣の軸となるべく、志智はまい進し続ける。

 中近3番手を回った有賀高士が2着に食い込んだ。
 「打鐘の平面ダッシュで千切れたけど、何とかリカバリーできました。一列棒状になるかと思ったけど、結果よかったです。打鐘で油断したあれが全て。2センターでは(優勝の)夢見る脚も残ってなかったです」

 中村一将の記念初優勝はまたもお預けに。
 「今日は立ち遅れんように、緩んだところで行こうと思ってたんで。前はやり合ってたけど、後ろは落ち着いてたのでここしかないかなと思った。力っすね。これが自分の力。1周ガマシで3着に沈むのは。でも行かなあかんとこで行けてるんで、あとは巡り合わせですね」

 阿竹智史にとっては苦しい展開になってしまった。
 「去年(の小松島記念準決勝)も見切ってしまったし、付いて行ってからと思った。研太朗も出切れそうな雰囲気があったしね。内から大槻(寛徳)さんも復帰してきたし、難しい最終日は。中村さんのまくりを追ったけど、もうあれは無理っすね」

 原田研太朗も阿竹を連れて目一杯仕掛けたが、出切ることは叶わなかった。
 「もう3コーナーで一杯でした。阿竹さんも付いてるし、あれしか僕にはできないんで。でも悔いはないです。また脚をつけて来年頑張りたい」

 勝ちに行って獲れなかった花月園メモリアルが悔しかったのだろう。早坂秀悟は地元勢との真っ向勝負を選んだ。
 「中村さんには花月園メモリアルでやられてるし、原田にも先行させたくなかった。せっかく(宮城)みんなで乗ってるしね。取りに行って8着するなら、これで7着のほうがまた頑張ってやろうって気になります」

ゴール
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