『高知競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月13日

 高知競輪開設69周年記念「よさこい賞争覇戦」は後半戦となる3日目に突入。準決勝3個レースをメインに熱戦が繰り広げられた。3連勝で勝ち上がった松浦悠士をはじめ、S級S班の清水裕友、村上博幸、地元の山中貴雄らベストナインが出そろった。14日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。また9レースではガールズフレッシュクイーンが単発レースとして行われる。
 最終日も場内イベントが満載。もえのあずきのトーク&LIVE、Sandwich Parlourライブでは高知けいりんオリジナルテーマソング第三弾の新曲を披露します。そのほかにもグッドモーニング予想会、よさこい演舞などが予定されています。ぜひ高知競輪場でお楽しみください。

<10R>

田中晴基選手
田中晴基選手

吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 打鐘で誘導を切った清水裕友を田中晴基(写真)がさらに切ってペースを落とすと、佐々木豪が4コーナーの下りから一気のスパート。愛媛勢を追って3番手を確保していた吉田敏洋は2コーナーから好回転でまくる。この動きにうまく乗った田中が直線で鋭く抜け出した。
 「位置を取ってからと思っていたし、初手が中団が取れたので、切ったうえを切って中団を取ろうと。仕掛ける気持ちはあったんですが、吉田さんがいい勢いで行ったので追いました。このメンバーで1着を取れるとは思っていなかったし、これでバンク相性が悪いとは言えないですね。感触自体もいいです」
 単騎でまくった吉田敏洋(写真)が2着。以前の経験をしっかり生かした。
 「全日本(選抜の決勝)の反省を生かして単騎でジタバタしてもどうしようもないと思っていたし、落ち着いていけばチャンスはあると思ってました。愛媛勢が行くと思っていたので、うまく流れに乗れました。ワンチャンスあれば出し切って、勝負してダメなら仕方ないと。2日目よりもがいた距離が短いのに、バックが重かった」
 後方7番手に置かれた清水裕友は辛くも3着で優出を決めたが、ラインの先頭を走る責任感と今後の課題を口にした。
 「切って切られて、セオリー通りの動きをされた。清水だったら切らせてくれるだろうって思われないようにしないと。キツい展開になったし、後ろに迷惑をかけた。自分だけ届いて不甲斐なかったですね」

<11R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手

取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 打鐘前に切った中井俊亮を新山響平がすかさず押さえて先頭に立つ。前受けから6番手に下げた取鳥雄吾は2センターから一気にカマして主導権。叩かれた新山は松浦悠士(写真)の後ろで粘って濱田浩司と併走に。取鳥のかかりはよく、2コーナーまくりを打った中井俊亮も3番手までで失速。車間を空けて援護した松浦が後続の仕掛けがないことを確認して取鳥を差し切り、シリーズ3連勝を飾った。
 「取鳥君は前2日間を見て、調子が上がっていると思ったので、信頼していました。少し車間を空けて追ったのは一気に踏んでしまうと後ろの2人が苦しいと思ったのと、新山君にそういう動きで少しでも脚を使わさせようと。道中も余裕はあったし、調子は問題ないと思います」
 取鳥雄吾(写真)は丸1周以上を先行して2着。別線を完封した積極性は称賛されるべきだろう。
 「キツかった。新山さんに抵抗される可能性もあるので、目いっぱい仕掛けました。ライン4車のアドバンテージをしっかり生かせました。しっかり行けてるし、バックでは久しぶりに決勝に乗れるかなって思いました。記念の決勝は昨年の(地元)玉野記念です」
 諸橋愛は新山マークから4コーナーで三谷将太を張り、コースを作って3着に突っ込んだ。
 「前の2人が併走を続けていたので、どこのコースを踏むか決まらなくて。あれ以上待ったら(井上)昌己に後ろから食われていますね」

<12R>

山中貴雄選手
山中貴雄選手

佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
 後ろ攻めから動いた才迫開が打鐘の2センターで太田竜馬を押さえて逃げる。3番手外併走の態勢となった稲垣裕之は最終2コーナーからまくる。人気の太田竜馬は内に詰まって厳しい状況。村上博幸を弾いて、稲垣にスイッチした山中貴雄(写真)が直線で鋭く追い込み、地元記念初優出を果たした。
 「必死でした。村上さんが少し遅れていたんで、ここしかないと思って。そこからちょっと待ったんですけど、あれ以上待つとまた村上さんが来るんで、ダメもとで行きました。ゴールまで意外と踏めました。地元の記念で決勝に乗れて、ホッとしてます。決勝もチャンスはあると思うんで、しっかり頑張ります」
 四国ライン3番手で終始、山中を追いかけた佐々木則幸(写真)が2着に入った。
 「(山中)貴雄と太田のおかげですね。太田が前々に踏んでくれたからこそ、僕ら2人にチャンスができました。僕はただ付いていっただけです。こうやって決勝に乗ることができて本当にうれしいです。FIの決勝にも全然、乗れてないのに、まさかここで決勝に乗れるとはびっくりです」
 稲垣との連結を外してしまった村上博幸は懸命のリカバリーで3着に食い込んだ。
 「(才迫)開が押さえに来るのが遅くて、いろんなことに対応しようと、テンパってしまった。隙を見せてしまった自分が悪い。稲垣さんに申しわけないことをしました。デキは悪くないんですけど、感覚が悪いです」

<最終日・9R ガールズ フレッシュクイーン>

梅川風子選手
梅川風子選手

太田りゆ選手
太田りゆ選手
 デビュー2年未満の選手によって争われる新設の単発レース。ハイレベルな112期、114期生の頂上決戦だ。梅川風子(写真)は今年7場所走って5度の完全優勝を飾っている。競走得点は最も高い。
 「(3月)大垣のコレクションはレースの流れを作っただけで終わってしまって、悔しかったですね。前回の玉野はしっかり結果を残すことができました。ここに向けてということは何もしてなくて、いつもどおり練習はしてきました。調子も変わらないです。こういうレースは観てる人は面白いと思うし、熱いレースができればいいですね」
 太田りゆ(写真)は1月香港で行われたワールドカップの女子ケイリンで銀メダルを獲得。今年の国内初戦となった3月平は決勝で3着に敗れた。
 「メダルを獲れて、オリンピックに向けては国際大会で戦える手応えはつかめました。でも、ガールズケイリンとは関係ないですからね。世界選が終わってオフになって、それから平を走ったので、感覚的にはそんなによくなかったです。終わってからケアして練習したので、平よりはいいと思います。500(バンク)でレースをしたことがないので、レースのイメージはわかないですね。一応、高知のレースは観てきました。まくりが効かない印象なので、タイミングをしっかり考えて走ります」
 鈴木美教は3月別府から3場所連続優勝と勢いに乗っている。別府の決勝で児玉碧衣を破ってから負けていない。
 「児玉さんに勝って、気持ち的に自信がつきました。余裕も出てきましたね。(3月)平の2日目からフレームを換えたら、スピードが出るようになりました。前回も地元でしっかり優勝できてよかったです。今回は同期ばかりの対戦で、どこまでやれるか楽しみしかないです」
 114回生は2名参戦。佐藤水菜は前回の松阪で今年6度目の優勝を飾った。
 「(3月平を)ウィルス性の胃腸炎で欠場して、松阪は調子が悪かったです。自力の脚が落ちていると感じたんで、そのぶん今回はしっかり練習して戻してきました。あんまり気負わずに走ったほうが結果は出るんじゃないかと思ってます」