『高知競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月30日

 高知競輪場開設71周年記念「よさこい賞争覇戦」は7月30日に2日目が行われた。二次予選7個レースをメインに熱戦が展開された。シリーズ唯一のS班の佐藤慎太郎は番手絶好展開を生かして連勝を決めた。そのほか小原佑太や長島大介、新山響平ら好調な機動型が勝ち上がった。3日目の31日は準決勝3個レースをメインに熱戦が繰り広げられる。
 今シリーズは有観客開催となります。ご来場の際は、各種感染防止対策にご理解とご協力をお願い申し上げます。

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小原佑太選手
小原佑太選手
 小原周祐、中川誠一郎の順で切ったところを松岡健介が叩いて出るが、その上を仕掛けた小原佑太(写真)が最終1コーナーから主導権を取る。3番手を取った松岡は前との車間が詰まらない。北日本コンビでマッチレースとなり、小原佑がそのまま押し切った。
 「(初手は)前中団から切って、切っての流れになると思っていたので、その上を行って我慢しようと思ってました。松岡さんが行ってくれて、すかさず仕掛けて、すんなり出れました。流してから、もう1回踏み上げて、いい感じに踏めました。GIIIのピンピンは(3月)広島以来。その時の準決勝は4着だったので、今回は決勝に乗りたいです」
 好マークから詰め寄った竹内智彦が2着。小原佑の強さに脱帽する。
 「(小原とは)何回も連係があるんですが、キツすぎますね。すごい強くなっている。ダッシュも末脚も以前とは全然違います。踏み出しに付いていけてるので、自分の状態は問題ない」


<7R>

松本貴治選手
松本貴治選手
 打鐘の3コーナーで切った吉田敏洋を磯川勝裕がすかさず押さえて逃げる。これで7番手となった松本貴治(写真)は最終ホーム前からロングまくりで襲いかかる。磯川の懸命な抵抗をバック前にねじ伏せた松本がマークの山中貴雄の追撃を力強く振り切った。
 「カマすなら早めの4コーナーか過ぎからいくのが決まりやすいと山中さんが教えてくれた。いいタイミングで行けたと思う。無理にカマすっていうよりも出させてもらえて、自分でペースで踏めたし何とかって感じ。正直、自信はなかった。バンクコンディションなのか初日より軽く感じた。これが自分の調子が上がっているのならいいんですけどね」
 地元の山中貴雄は好追走から迫ったが、逆転はならず。
 「(松本が)もうワンテンポツーテンポ早ければ、坂田(章)君まで付いて来れたかも。バックでスクリーン見たら吉田さんが来ていたのが見えて止める準備していたら後ろに入ったのが分かった。ワンツーを意識して吉田さんの踏み出しに合わせて踏んだ。連日、いい緊張感で、脚に疲れも残っていない。もし前がダメなパターンでも突っ込んでいける感覚がある」


<8R>

長島大介選手
長島大介選手
 打鐘の2センター、6番手の位置から掛水泰範が一気に踏み上げて主導権を握るが、前受けから飛び付いた小原丈一郎と湊聖二がからんで落車する。青森伸也、松岡貴久、小林弘和が巻き込まれ大量落車。単騎で逃げる形になった掛水を長島大介(写真)が車間を詰める勢いで一気にまくり切った。
 「小原が前でハウスしてるのが分かったので、避けようと準備してました。全部、見えてました。想定していた展開とは違ったんですが、冷静に走れました。5人落ちたのが見えて、気持ち的に楽になったんですけど、最後までしっかり踏み切れました。力勝負ではなかったんですが、岡村さんに抜かれてないので、デキはそれなりにいいと思います」
 岡村潤がしっかり続いて2着に流れ込んだ。
 「僕は余裕があったので、4番(小原)がハウスしていたので、早めに避けた感じです。長島も上手く避けてくれました。そこから練習みたいな感じで抜ける気はしなかった。自分の中ではいいタイムが出てますし、悪くないです」


<9R>

河村雅章選手
河村雅章選手
 河村雅章(写真)、小埜正義の順で切った上を石原颯が打鐘の4コーナーで叩いて逃げる。石原が軽快に駆けて完全に四国勢のペースかと思われたが、最終バック6番手からまくり上げた河村が直線で外を鋭く伸び切った。
 「細切れで石原君の先行一車みたいな番組なので、最後方にだけはならないようにと。あの位置ならまあまあですね。石原君が踏んでいったときはかかっていたが、バックで緩んでここかなと思って仕掛けた。ダメもとで行った感じです。脚の状態は引き続きいい。セッティングはいじるところはないし、疲れを取るだけです」
 タイミング良く主導権を握った石原颯だが、河村の強襲に屈して2着。
 「別線の動きを見ながら行けたがちょっとビビッてしまった。もうちょっと踏まないと行けなかったけど、バックで誰も来ていなかったからそのままのペースでした。かかりはイマイチでしたね。かかっていなかった。修正するところは気持ちだけですね」


<10R>

新山響平選手
新山響平選手
 後ろ攻めの桐山敬太郎が打鐘の2センターで内をすくうと、新山響平(写真)がすかさずスパート。最終ホームで久保田泰弘を叩いて主導権を取る。永澤剛を弾いた桐山が番手を奪取。3番手以下は離れてバックを通過する。最後まで新山のスピードは衰えず、そのまま押し切った。
 「(桐山に)内に入ってきて、あそこで踏まないと危ないと思って前に踏みました。前に出て、バックで後ろを確認したら自転車の色が違ったので、変にペースを緩められないと思いました。後ろが付きづらい仕掛けになったのは反省ですね。初日に長い距離を踏んで疲れはあるんですけど、いい感じに踏めました」
 新山の番手を奪った桐山敬太郎が2着に流れ込んだ。
 「(初手は)9割9分、後ろかなと。新山を7番手に置くのがセオリーなので、それを一番に考えてました。新山のところまで内から行ければ良かったんですが、あいつも全開で踏んでたので結果、番手にピッタリと入れて、上手くはまりました。ホッとしました。体は動いていると思います」


<11R>

吉松直人選手
吉松直人選手
 後ろ攻めから上昇した朝倉智仁は中団の林大悟にしばらくフタをしてから打鐘の2センターから踏み上げるが、前受けの山本伸一がこれを突っ張る。両者で激しい踏み合いとなったところをまくり上げた林も思うように車は進まない。最終3コーナーから自力に転じた村上義弘を吉松直人(写真)がゴール前で逆転した。
 「ヤマシン(山本)がもがき合いで苦しい展開だったけど、村上さんなら何とかしてくれるかなって。内にいて風を受けてなかったんですが、(状態は)いいと思います。初日から地元がみんな勝ち上がって、自分も負けたくない気持ちがあったので、それを出せたと思います」
 まくった村上義弘は2着。満身創痍の状態でもベストは尽くしている。
 「イキのいい先行選手が相手なので、前からの組み立てになりました。(朝倉が)なかなか来なくて、(山本は)スイッチが入ったんだと思います。迎え入れる準備はしていたけど、意地でも前に出さない感じだった。後ろに吉松が付いてくれているので、行けるところまでと思って踏みました。苦しかったです。思い通り体は動いてないんですが、修正しながらやるしかないです」


<12R>

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 後ろ攻めからゆっくり上昇した片岡迪之を前受けの眞杉匠が打鐘過ぎから突っ張って逃げる。片岡は中団の4番手に降りて、伊藤信は7番手まで下げる。眞杉がしっかりペースで駆けて、別線は手も足も出ない。最後は番手絶好となった佐藤慎太郎(写真)が粘る眞杉を鋭く差し切った。
 「眞杉が強かった。自分は何もしないで、ゴール前にちょっと踏んだだけ。(別線は)あれは仕掛けられない。緩まないので、俺も脚はたまらなかった。すんなりなので何とか勝てました。あんまり余裕はないですね。昨日(初日)よりは良くなっているので、明日(3日目)はさらに良くなるんじゃないかと思います」
 眞杉匠は突っ張り先行でレースを支配。2着に逃げ粘り、ラインで上位独占を決めた。
 「前から突っ張ろうと思ってました。(片岡が)上昇してきたけど、途中で(中団に)降りてくれたので、自分のペースで駆けられました。徐々に上げていく感じで、(佐藤に)抜かれないようにと思ったんですが、余裕で抜かれちゃいました。指定練習から感じは良かったので、(調子は)大丈夫です」