『施設整備等協賛競輪in高知(GIII)レポート』 2日目編

配信日:2月27日

 高知競輪場で開催されている施設整備等協賛競輪「土佐水木賞(GIII)」は、2月27日に2日目が行われた。二次予選では、佐々木則幸、田尾駿介の地元2人が勝ち星を挙げて準決にコマを進めた。28日の3日目は、準決の3個レースで、ファイナルをかけて激戦が繰り広げられる。
 なお、高知競輪場では、選手OBによる予想会(後半3レース発売中)が毎日予定されている他、テイクアウトグルメフェア、先着100名様にプレゼント等を用意してご来場をお待ちしていますが、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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阿部将大選手
阿部将大選手
 野口裕史が最終ホーム手前から巻き返し、今岡徹二を叩いて主導権。阿部将大(写真)は南関勢を追って2コーナーからすかさず仕掛ける。バックから4コーナーまで阿部と野口の踏み合いになるが、阿部が力勝負を制して押し切った。
 「うまくはまって良かった。(前受けから)すんなりと引いて野口さんの後ろから仕掛けるか、併走でもと思っていました。野口さんが行った時に、行くか、ホームで踏んでおかないと、置いていかれると思っていましたね。一瞬(南関勢の後ろに)入れたので、休めて、ひと呼吸おいてから仕掛けました。出は悪いが、最後まで踏めるのが僕の強みです。高知は走りやすいし、相性がいいですね。FIでも決勝に乗ったことがないけど、GIIIで決勝にいけるように頑張りたい」
 内に切り込む動きを見せた岡崎智哉。勝負どころでは後方に置かれてしまったが、立て直してからまくり上げて前団に迫った。
 「自分で何をしたいか、わからない一戦。結果を意識しすぎて、自分を見失った。レースはライン3人を生かせていないし、つぶしてしまったので反省しかない。絶体絶命だったけど、脚は予想以上にいい。戦える状態です。自転車も戻して感触は良かった。内容を修正します」



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田尾駿介選手
田尾駿介選手
 打鐘の3コーナーで先頭に立った佐々木豪が太田龍希の巻き返しに合わせてペースを上げて先行勝負。佐々木がペースを握り、中団がもつれる。番手の田尾駿介(写真)は車間を空けて援護し、直線で詰める勢いで抜け出した。
 「(佐々木)豪を残せなかったのは自分の責任。申し訳ない。スタートが取り合いで、出遅れて後ろ攻めになったことで、豪はスイッチが入ったのかなと。絶対に残したい気持ちでラインで決められるように走ったつもりだったが、力不足で豪を残せなかった。(状態は)日に日に良くなると思うし、準決ではもう少し軽くなると思う」
 山形一気は内、外と警戒しながら3番手の役割をしっかりとこなして抜け出した田尾に続く。
 「豪の気合が入っていた。形はすごく良かったけど、豪を残せていない。田尾君と自分が力不足。自分も3番手で締めていてキツかった。勝ち上がれたのはデカいですね」



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酒井雄多選手
酒井雄多選手
 最終ホームで酒井雄多(写真)が橋本優己を叩いて先行態勢に入るが、岩谷拓磨が一気に巻き返して主導権を奪い返す。岩谷のダッシュに野口大誠が離れると、番手に入った酒井が後続の動きを確認しながら抜け出した。
 「誰がスタートを出ても対応できるようにしていた。自分が踏んでいる感じでは岩谷君を突っ張れると思っていたんですけどね。(岩谷が)1車だったので、入ってからは勝てるように走りました。ゴールに向かってスピードが上がっていく感覚なので、悪くない。体が上向くようにケアをしたい」
 岩谷に遅れた野口とからみながらも、橋本優己は最終バック過ぎに4番手からまくり上げて2着に入った。
 「スタートは後ろになったけど、(最終)ホームでは思った形になった。岩谷さんが仕掛けた時に口が空いて、追いかける時に脚を使ったので(1着まで)届かなかったですね。踏んだり、やめたりのダッシュの部分に気をつけたいです。前に踏みながら、仕掛けも中途半端になった」



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金子幸央選手
金子幸央選手
 朝倉智仁が後ろ攻めから上昇して先行態勢に入ると、中団は川口雄太が追い上げて、中西大は前受けから下げて7番手。中団から仕掛けた川口のまくりは最終バックで勢いが止まる。が、先行した朝倉のスピードが落ちると、金子幸央(写真)は3コーナーから前に踏んで1着をつかんだ。
 「朝倉君がかなりやる気でしたね。川口君が近くまで来ていて、なかなか外に飛ばずに、これなら中西さんも来ているような感じだったから朝倉君には悪いけど、前へ踏ませてもらった。頑張ってくれていたから止められれば良かったけど、現状それは難しいから1着を取るしかないなと。最近は前が頑張ってくれているから感謝しかない。前へ踏んでからも宗崎(世連)さんに抜かれていないから状態は非常にいい」
 宗崎世連は川口のまくりが止まると、その外をまくり上げて地元の意地を見せる。
 「川口君の気合が入っていた。朝倉君も気合いが入っていて、川口君が出切れるような感じではなかったが、中団を取ってすぐに持ち出してくれた。それでも合わされ気味だったから、外へ持ち出して踏ませてもらった。調子はめちゃくちゃいい。今開催は成績を含めてキッカケになるような気がするし、したい。地元なので、実力とか相手の力関係とかは忘れて、何が何でも決勝に乗れるように頑張りたいし、乗ってみたい」



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南潤選手
南潤選手
 林大悟が望月一成の巻き返しに合わせて踏み込むと、最終ホームは両ラインで壮絶な主導権争い。林が主導権を取り切ったが、隊列が短くなったところをまくった南潤(写真)がスピードの違いでのみ込んだ。
 「このメンバーだし、誰かしらとやり合うことになるとは思っていた。望月さんは併走をするよりも行くのはわかっていて、(林)大悟さんのスイッチが入っていましたね。やり合ってくれたので、1着を取れた。あんまり良くはないけど、結果は喜んでもいいのかなって。やることはやっているので。500バンクはへばりつける感じがあるので、400や33のコーナーで浮くのがないから走りやすいですね。自分のレースをして結果を出したい」
 南をマークしていた稲毛健太は追走に失敗。2着には先手を奪った九州の3番手から松岡孔明が直線で中のコースを伸びた。
 「(2着にいった感覚は)交わしたっていうのはありましたね。(林が)すごかった。前が強くて、追いかけるのに必死ですよ。余裕はあまりなかった。GIIIの準決勝は久々で覚えていないですね」



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筒井裕哉選手
筒井裕哉選手
 後ろ攻めの藤井栄二が打鐘前に上昇をすると、前受けの菊池岳仁は最後方まで下げずに、中団で三登誉哲と併走になる。ペース駆けに持ち込んだ藤井は中団の動きを確認しながら最終ホーム過ぎの1コーナーから徐々にピッチを上げて2コーナーの下りで加速。中近ライン3車で別線を大きく引き離し、車間を空けていた筒井裕哉(写真)がしっかりと藤井を交わした。
 「会心のレースをしたのは(藤井)栄二で、俺は抜いただけ。セオリー通りだった。打鐘で菊池君が下げたのが勝因ですね。(藤井は)頼もしいですね。連日、前が強い。付いていっているだけだが、勝てているのでチャンスを生かせている」
 藤井栄二は別線の動きを見ながら、冷静に駆けた先行テクニックが光った。
 「自分でレースを動かして、ラインで勝ち上がるために後ろ攻めがいいなと。菊池君が勢い良くスタートを取ったから突っ張りがあると思い、警戒して押さえた。(菊池が)中団で粘ってくれたから展開が向きました。ラインの先輩にアドバイスをいただいて落ち着いて走れた。初日のレースが終わってから稲毛(健太)さんにアドバイスをもらい、ハンドルのステムを換えて感じが良かった」



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佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
 打鐘の2センターで誘導を交わした立部楓真を嵯峨昇喜郎が叩いて主導権。前受けから下げた島川将貴は1センター過ぎからスパート。抜群の踏み出しで前団をのみ込むと、番手の佐々木則幸(写真)がタイヤ差で交わし、地元でうれしい1着。
 「島川君がいいタイミングで行ってくれて良かった。しっかり追走できたし、しっかり抜いたはずなのに、ギリギリで、タイムを聞いたら13秒6だったので、よく抜いたなと思った。(昨年9月の松山落車から)復帰して1着がなかったけど、地元の勝ち上がりで取れて気持ちが楽になって良かった。脚は仕上がっている。GIIIの決勝に乗るのは難しいけど、乗りたいですね」
 島川将貴は、今節が左ろっ骨骨折、肺気胸、右肩腱板損傷から復帰のシリーズ。初日が佐々木豪の番手回りだっただけに、自力を出して感触を確かめることができた。
 「(仕掛ける)タイミングだけは、間違えないようにと。悪い意味で軽かったですね。踏み直すアタリがなかった。いいのか、悪いのか、わからない。前回の落車でフレームが壊れて、今回から新しいのなんですけど、ずっと軽い感じです」