『高知競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:4月14日


 高知競輪開設59周年記念「よさこい賞争覇戦」は無事に全日程を終了した。人気を集めた地元勢、そしてV候補筆頭と目されていた岡部芳幸が脱落したものの、小野俊之、石毛克幸、小橋正義らの実力者たちがファイナルレースに進出し、激戦を繰り広げた。勝ったのは小橋正義。小林大介マークから直線で猛然と突き抜けて快勝し、06年弥彦記念以来となる久々の記念制覇を達成した。

決勝戦 レース経過
 号砲と同時に内枠の三車が踏み込むも、石毛克幸が誘導後位を取り切る。これに平沼由充-戸邉英雄が続き前団。中団に池田良-小野俊之-城戸崎隆史が入り、小林大介-小橋正義-小林潤二が後方待機で様子を見る。
  赤板では動きがなく、打鐘を迎えたところで小林大が踏み込むと、これに合わせて池田が石毛を叩く。池田が流していると小林大が叩き返したが、小林大もペースを緩めると、引いた石毛が踏み込んで先行態勢に入る。まだ石毛は流し気味で、池田が二角からまくると石毛がこれに合わせ全開でスパート。池田のまくりは中団の小林大のアウトで一杯に。小林大が三角から池田をドカしながらまくったが、車の出は今ひとつ。すると小橋が小林大の内から直線で外に持ち出すと、逃げる石毛、番手有利に抜け出す平沼を交わし、久々の記念Vを達成。平沼は無念の2着、小橋を追走した小林潤が3着に入った。



小橋正義選手
小橋正義選手
 表彰式を終え、敢闘門に引き揚げてきた小橋正義は、ホッと息を付き、安堵の表情でレースを振り返った。
  「(小林)大介があの位置を取って積極的に頑張ってくれたおかげです。8(池田良)に封じられてしまいちょっときつそうだったけど、初速も良かったし、こじ開けながら合わせて踏んでいってくれたから。もしあれが無ければ、被ってしまいきつかったでしょう。自分は直線に入っても落ち着いて踏めました」
  今開催は確かな手応えがあったという。
  「初日はあれ?って感じだったんだけど、二次予選辺りから状態が上がってきて、戦えるだけの自信があったんです。これまでずっと練習もやっていたし、結果が出てくれてよかった。お世話になった色々な人たちに少しは恩返しができたと思います」

 石毛の先行策に乗った平沼由充は、四角ハコの絶好の展開だったが、惜しくも優勝を逃した。
  「石毛君があれだけ引っ張ってくれたわけだし、絶対に勝たなければいけない展開でした。後ろからごっそり来ると思ったから、結構慌てて踏みましたけど、駄目でしたね。めったに無い展開だったし本当に悔しい!」

 石毛克幸は「池田君は絶対に中団だし、駆けるのは自分か大ちゃん(小林大介)でしょ。(小林が)流していたし、もう行くしか無いと腹をくくりました。もう少しでしたね」と先行策に出た背景を説明する。

  3着には小林潤二が。決勝は小橋と折り合い、準決勝に引き続き、小橋後位からのレースとなった。
  「(小林)大介と小橋さんのおかげですよ。自分は小橋さんが踏んだコースを付いていっただけだから。展開だけで3着になれたようなもの。競輪祭にも出られるし、初の記念決勝で3着なんだから、今回はできすぎです」

 小野俊之は新鋭・池田良に前を託したが…。
  「池田君がすぐに仕掛けてくれたからチャンスはあると思ったんですけど、彼とタイミングが合わなかったのが失敗でした。最後も内に降りようと思ったところでバックを踏まれてしまい入れなかった。今回は何としても取らなければいけなかっただけに悔しい」

 池田良は中団で小林にフタをしながら懸命に前へと踏んだが、力及ばず着外に。
  「小野さんには『中団を取って行けるところでいいよ』と言われていました。道中、行けるかな?と思ったけど、三角辺りの伸びが今ひとつでした」
 
 小林大介は「池田君をどかすのに手間取ったし、(池田に合わせたから)自分のタイミングで踏めなかったので最後はきつかった。もっとヨコのさばきができれば、すんなり行っていたかもしれないですね」と唇を噛む。

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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