『高知競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:4月3日


 高知競輪開設60周年記念「よさこい賞争覇戦(G3)」が今日(3日)に幕を開けました。地元の篠原龍馬が初戦で敗れ去る波乱があったが、渡部哲男や井上昌己といった実力者は順当な白星スタートを切り好調をアピール。
 なお、明日(4日)も連日のファンサービスに加え、モノマネタレント・ホリによるお笑いステージ(5、8R発売中)や予想会(7R発売中)などが開催されますので、こちらのほうもお楽しみに。


<1R>
 オープニングレースを制したのは川島勝。先行した松川高大の番手から抜け出した。
 「松川もキツそうだったので僕も車間を切って、準備はしていました。後ろからすごい勢いで来たので飲み込まれる前に、自ら踏み込んで出ましたよ。自分でも脚を使ったし、決して楽な展開ではなかったけど、何とか1着が取れて良かった。明日も頑張りますよ」


<2R>
 中団をとった田中将彦が最終バックから仕掛けると、番手の井上貴照が直線で鋭く突き抜けて1着を奪取した。
 「田中は7番手でもしっかり仕掛けるし、中団でスカすこともない。信頼できる選手だから安心して付けられますね。直前の風邪による練習不足で、少し不安はあったけど、こういうときは展開が向いてくれる。さすが相性抜群の高知バンクですね。僕もここでもうひと踏ん張りして、もっと上のクラスに戻らないとですから」


<3R>
 外併走からまくった山中貴雄が先頭に出切ると、直線で番手の近藤誠二が抜け出して別線の反撃を振り切った。
 「ラインで決めたかったし、僕も車間を空けて、後方を牽制したんだけど、山中は先頭に立ってからはキツそうだったね。ただ、僕は脚に余裕があったし、高津君もしっかり内をしめてくれていたので、すんなりと踏み出せました。踏んだ感触は悪くないし、大ギアもうまく噛み合ってきています」


<4R>
 森田達也が最終ホームからカマすと巧ペースで別線を一蹴。直線で番手の嶋貫高大に交わされるも、2着で勝ち上がりを決めた。
 「ドンピシャのタイミングで仕掛けられたし、展開的にもまくられ難い流れになってくれた。今日は風が強くてキツかったけど、自分的には快心の組み立てができましたね」
 1着の嶋貫高大も森田の強さを絶賛する。
 「丸々1周を全開で踏んだ森田が、最後にあそこまで粘るとは思わなかった。本当に強いね。僕も車間を空けて後ろを牽制できたし、二人でワンツーを決められて、良い結果になりましたね」


<5R>
渓飛雄馬選手
渓飛雄馬選手
   最終ホームからカマした川野正芳に乗った渓飛雄馬(写真)が番手から抜け出し1着。地元地区の記念で好気合を見せた。
 「川野さんはまくりだと思い、どっしり構えた瞬間に仕掛けたので踏み出しは離れかけたけど、何とか付けきれました。伊藤君に後ろに入られたのが怖くて、最後まで気が抜けなかったけど、何とか1着が取れて良かったですね」
 鋭い踏み出しを見せた川野正芳だったが直線で力尽き最後方へ沈んだ。
 「自分の中では最後まで持つ自信があって、あそこから仕掛けたけど、全然ダメでしたね。ただ、踏み出しは良かったし、自分の状況も把握できた。明日はその点も踏まえて、一発狙いますよ」


<6R>
才迫勇馬選手
才迫勇馬選手
   打鐘過ぎから押さえ先行に持ち込んだ才迫勇馬(写真)がそのまま後続を振り切り、この日初の逃げ切り勝ちを収めた。
 「初めての記念で、走る前は緊張もあったけど、落ち着いて仕掛けられたし、思い通りの組み立てもできた。最後まで踏みきれたし、このメンバーで逃げ切れたことは自信になりますよね」
 落車を避けて、直線を強襲した古閑良介が3着入線。二次予選Aへの勝ち上がりに笑顔を見せる。
 「もうちょっとだったね。前で落車がなければ先頭まで届いていたかも知れない。でも、とりあえず二次予選Aに勝ち上がれたことは大きい。高知はコンスタントに決勝に乗れているし、連がらみも多い。相性の良いバンクですね」


<7R>
小埜正義選手
小埜正義選手
   中団確保から仕掛けた小埜正義(写真)が西村正彦の厳しい牽制をかいくぐると直線でひと伸び。アタマまで突き抜け、江守昇を連れ込んでの千葉ワンツーを決めた。
 「特に作戦はなく、出たとこ勝負だったけど、上手く中団が取れました。ただ、そこから立て直し、仕掛けるまでに少し時間が掛かってしまった。踏んだのは最終バック手前だけど、2角から踏めていればもっと楽な展開っだったと思います。西村さんのブロックは本当にキツかったけど、そこも何とかしのげたし、脚を回しながらコーナーも回れたので状態は良いと思う。江守さんとワンツーを決められて良かったですよ」
 打鐘過ぎから押えて駆けた篠原龍馬だったが、直線に入ると急ブレーキ。8着に沈み地元記念での勝ち上がりを逃した。
 「自分としては悪いところもないし、思い通りの組み立てができたんですけどね…。それで残れないのだから力不足ということでしょう。結果的には仕掛けをもう少し遅らせても良かったのかも知れないけど、それはそれでリスキーですからね。何とか勝ち上がりの権利は取りたかったんですけど…」


<8R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
   大西ラインがカマすと、瞬時に後位に切り替えた芦澤大輔(写真)が最終バックからまくり1着をもぎ取った。
 「大西君が行きやすい展開になってしまったけど、僕も脚に余裕があったし、落ち着いて切り替えられました。レース前は身体が固くて少し不安はあったけど、思いのほか車も進みました。踏み出した時点で、まくり切れる手応えはありましたね。竹山君の頑張りを報いることはできなかったけど、『勝ちたい』という気持ちが全面に出たレースはできました」
 2着は大西の番手から抜け出した藤原浩が入線。二次予選Aへの勝ち上がりに胸をなで下ろす。
 「(大西)祐が頑張ってくれたのに1着を取れなくって申し訳ないけど、今日は芦澤が強かった。祐の仕掛けはドンピシャだったけど、出切ってから流した分、芦澤を封じることができませんでした。でも、(二次予選)Aに勝ち上がれたことは大きいし、最近は地元でずっと落車続きだったので、ようやくお客さんの期待に応えられましたね」


<9R>
諸橋愛選手
諸橋愛選手
   記念2戦目で特選スタートとなった坂本貴史が先行策に出ると、巧妙なペース駆けで別線を粉砕。3着に粘りこみ優秀戦へと駒を進めた。
 「初手は中団で、後ろが斬ったところをすかさず行くという作戦だったし、狙い通りの展開になりました。バンクは重く風はきつかったけど、それはみんな同じ条件ですからね。僕は尻上がりに調子が上がるタイプだし、明日以降も頑張れると思います」
 番手から抜け出し1着となった諸橋愛(写真)も坂本の強さに舌を巻く。
 「坂本君は強いね。味方なら良いけど、別線で戦うことになったら本当に手強い相手になると思う。僕自身は1戦1戦集中して戦うのみですよ」
 単騎で立ち回り、坂本ラインを追走した白戸淳太郎は、2着入線の結果に笑顔でレースを振り返る。
 「単騎なだけに、誰にも警戒されず気楽に走れた。楽しみながらレースができました。坂本君の先行も読み通りだったし、切り替え追走したことも正解でしたね。最後はもうひと伸びできれば最高だったんですけどね」
 後方に置かれた金子貴志は4着までが精一杯。
 「坂本君は強い。踏み方を知っているね。本当はカマしたかったけど、坂本君に上手く駆けられてしまい、仕掛けられませんでした」


<10R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
   飯野祐太が松岡孔明をまくると、飯野ラインを追走した渡部哲男(写真)が怒涛の追い込みでゴール寸前突き抜けた。
 「本当はホームでカマそうと思っていたけど、松尾さんと併走になり、そっちが気になり仕掛けられなかった。飯野君の仕掛けが思ったよりも遅かったけど、結果的には待って正解でしたね。今日試した3.79は重く感じたけど、ホームで脚を使っていたからね。とりあえず明日ももう一度使ってみようと思います」
 飯野の番手から抜け出した太田真一が渡部に続き2着に入った。
 「飯野が思ってた以上に早く巻き返してくれて、タイミングが合わずにバタバタして脚を使ってしまった。その分、最後は哲男に踏み負けてしまいましたね。でも、しっかり飯野は交わせているわけだし脚は悪くないですよ」
 飯野祐太も3着に粘り、優秀戦の切符をゲット。
 「今日は3番手を取ったあとも哲男さんより先に動けたし、落ち着いてレースをすることができました。ただ、最終バックで小野さんのブロックを腰に貰ってしまいスピードが鈍ってしまいました。ただ、あれをコーナーでもらったら100%止まっていたし、直線だった分救われましたね」


<11R>
井上昌己選手
井上昌己選手
   坂本健太郎が最終ホームからカマすと番手の井上昌己(写真)がきっちり抜け出し1着。格の違いを見せつけた。
 「健太郎の掛かりも抜群だったし、自分の脚も軽かった。高知バンクは相性も良いですね。ただ、健太郎とラインで決着できなかった事は僕の技量不足。もっと後ろを引き付けてから牽制を入れれば、健太郎も確定板には上がれたはずです」
 後方に置かれた佐々木健司だったが脅威の追い上げで2着に食い込む。
 「後ろから一人一人拾って行こうと思っていたら、思いのほか前が失速気味で2着まで行けたって感じ。今日はレース展開に恵まれただけだし、調子うんぬんとはいえないよね」
 単騎の吉永和生は坂本のカマしに瞬時に反応。すぐさま追走し3着に入線した。
 「最初から九州ラインに付けるのではなく、自分で戦う気持ちがあったからこそ気持ちが入ったし、良い反応が出来た。今回は競走間隔が空いた分、しっかり練習をしてきたけど、その成果が出てくれました」
 1周を全開でモガいた坂本健太郎は疲労困憊の表情。
 「栗田さんも僕を行かせる気満々だったし、展開的にも僕があそこで行くしかないですからね。バックの向かい風が本当にきつく最後までももたなかったけど、身体が勝手に反応できているし、初日からこういうレースができれば悪くはないですよ」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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