『高知競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:4月4日


 高知競輪開設60周年記念「よさこい賞争覇戦(G3)」も二日目を終了。メインレースの優秀競走「クーリンカップ」は先行した渡部哲男ラインの3番手から突き抜けた白戸淳太郎が制した。
 なお、明日(5日)も緒方浩一さんによる予想会や未確定車券抽選会など連日のファンサービスに加え、お客さんも参加できる『予想バトル4番勝負!』(8、9、10、11R発売中)も開催されますので、是非こちらにもご参加ください。


<5R>
川島勝選手
川島勝選手
   真っ先に準決Aの切符を手にしたのは川島勝(写真)。先行した柴田洋輔の5番手から豪快に追い込み直線で突き抜けた。
 「今日は全て展開。最終ホームで前を叩けなかった本村さんが後ろまで引いてくれたおかげで、すんなり中団が取れました。あとは前の掛かりだけが怖かったけど、それも許容範囲だった。何故か記念の成績が良いし、明日も頑張りたいですね」
 柴田洋輔の番手からレースを進めた豊田一馬が本田博と同着の2着で、準決Bに勝ち上がった。
 「今日はとにかく柴田の頑張りに尽きる。作戦はお任せだったけど、本村を突っ張り先行してくれたので恵まれましたね。車の出がイマイチの感覚だったけど、2着に残れているのだから悪くはないのかな?」


<6R>
井上貴照選手
井上貴照選手
   森田達也が先頭で風を切ると、井上貴照(写真)が直線で最内を鋭く伸びて1着。2連勝で準決勝へと勝ち上がった。
 「今日は全て展開。三和さんもまくりに来なかったし、前も仕事をしてくれたし、最後はコースが空いたし。自分の状態うんぬんよりも流れが良かったと言うことです。それにしてもまさかピンピン(1着1着)なんて取れると思ってなかったし、信じられないですね」
 強風の中、果敢に先行した森田達也も2着に粘り込んだ。
 「今日は、ホームもバックも向かい風がきつかったけど、落ち着いて踏んだり辞めたりとズルい駆け方ができました。バックで流したら、すかさず石山君が飛んできたけど、茂木さんのブロックに救われましたね。あれがなかったら完全に行かれてましたよね。僕自身、調子は悪くないですよ」


<7R>
近藤誠二選手
近藤誠二選手
   前受けの大西祐が誰も押えに来ないと見るや最終1角まで誘導を使いスパート。別線を完封すると、番手の近藤誠二(写真)が直線で交わし1着をもぎ取った。
 「まさか誰も押えに来ないとは思わなかったけど、本当に楽な展開になりました。仕事らしい仕事は何もしてないけど車間も空けられたし、ワンツーを決められて良かった。練習では大西に歯が立たないけど、今日はあいつが3.57で僕が3.86だった分、捕らえる事ができましたね」
 2着の大西祐も予想外の展開に驚きを隠せない。
 「誰も来ないから使えるところまで誘導を使ってやろうと思っていました。全開で駆けてからも、踏んだ感じは悪くなかったけど、最後はホームが向かい風だったのと、あまりにも楽な展開で身構えてしまった分、失速してしまいましたね。ラインでワンツーなので文句はないけど、準決Aを逃したことはもったいないですね」


<8R>
松尾淳選手
松尾淳選手
   才迫勇馬の先行に対し最終3角からまくった松尾淳(写真)がゴール寸前で先頭を捉えた。
 「本当は最終ホームでカマすつもりだったけど、ひと踏みで才迫君に合わされてしまった。浮いたところにすかさず澤田さんが入れてくれて助かりました。3角からはむりくり仕掛けたけど、才迫君の掛かりがすごくてなかなか車間が詰まらなかった。直線が長かった分、何とか突き抜けられたけど本当にきつかったです。ラインに助けられた結果ですね」
 2着入線の三宅伸も才迫勇馬の強さを絶賛する。
 「カマシに来た松尾に簡単に合わせてしまうのだから才迫はすごい。強い選手はトップスピードに乗せてからのニュートラルの持続時間が長いけど、才迫はそんな感じだったよ。上背も大きいので後ろを回っていても、風が全く当たらず付けやすいですよ」
 直線で5着に沈んだ才迫勇馬もレース内容には納得の表情。
 「最終ホームでの松尾さんのカマシに少し焦ってしまったけど、僕も後ろに大先輩が付いているし、やるしかありませんからね。踏んだ感じは昨日よりも良かったですよ」


<9R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
   守谷陽介を金子貴志が叩き前団がもつれると、鈴木謙太郎(写真)が上り13.7のこの日一番時計でまくり、一気に決着をつけた。
 「最終ホームで金子さんと併走になりやばいと思ったけど、すぐに前を叩きに行ってくれたおかげで僕の展開になりましたね。脚を使ってなかったし、自分のタイミングで仕掛けられたので、上手くまくれました。脚も昨日よりも上がってますね」
 鈴木謙太郎に付け切り2着に入線した村本大輔は、レース後も興奮を隠し切れない。
 「謙太郎は凄いね。バカ強い。僕もずっとケツを上げたまま、何とか食らいついたけど、付いていって13秒台が出てる確信はあっったよ。僕もあのダッシュに付けきれたのだから悪くはないですよ」
 松岡孔明は金子貴志の番手にはまり込む好展開を活かし3着に食い込んだ。
 「本当は金子さんが叩いた上をカマすつもりだったけど、守谷さんと金子さんも思った以上に踏んでいたので上手く番手にはまれました。フィーリングがまだイマイチだけど、前々に踏む姿勢が良い結果につながったし、また明日も頑張ります」


<10R>
小野俊之選手
小野俊之選手
   このレースで一番の異彩を放ったのが単騎の芦澤大輔だ。中村浩士から栗田雅也の番手を奪うと、2着に食い込み準決Aへと勝ち上がった。
 「本当は中団を回るつもりだったけど、結果的に後ろ攻めから前を切ったことでイン粘りの展開になりましたね。道中は脚にも気持ちにも余裕があったけど、さすがに最後は脚にきてしまい伸びませんでした。ただ、自分の持ち味は発揮できたと思います」
 ゴール寸前でその芦澤を鮮やかに交わしたのが坂本健太郎のまくりに乗り、直線鋭く追い込んだ小野俊之(写真)だ。レース後は晴れ晴れとした表情を見せた。
 「今日の直線勝負は、久し振りに『自分らしい伸び』を見せられました。僕は常に自分の事を強いと思っているけど、最近は落車や失格続きで競走得点も下がり、自信喪失気味な部分もあった。でも今日は自信を取り戻せるレースでしたよ。脚には大きな変化はないけど、セッティングも良い方向に向いてきていますよ」
 九州勢追走の堤洋が3着に入線した。
 「最終ホームで(坂本)健太郎が緩めたので自分で出ようか迷ったけど、最後は小野も良く伸びたし切り替えず正解でしたね。ただ、最後はあそこで小野を交わせるのが理想だし、そうなれば特別競輪でも活躍できるはず。その辺が課題ですかね」


<11R>
白戸淳太郎選手
白戸淳太郎選手
   後ろ攻めの北日本ラインに対して中団の井上昌己が終始牽制を入れ上昇を阻止すると、前受けの渡部哲男が誘導を交わしそのまま突っ張り先行に。直線に入ると渡部ライン3番手の白戸淳太郎(写真)が鋭く突き抜け1着に輝いた。
 「連日、単騎なのに読みが当たって展開に恵まれている。自分でもびっくりですよ。(渡部)哲男も1周以上全力で駆けてたし、吉永くんも仕事をしていた分、最後に突き抜けられました」
 2着の吉永和生は「地乗りから白戸さんが後ろに付いてくれて、心強い反面、調子が良さそうなので少し怖かったけど、やっぱり最後は行かれてしまいましたね。僕の着は哲男の頑張りに尽きるけど、最後は諸橋さんに中を割られなければ僕と哲男の2、3着だったし、そこは僕の技量不足です」とレースを振り返る。
 5着に終わった井上昌己だが、2段駆けも辞さない北勢の動きは完全に封じ込めた。
 「最後も昔の感覚だと直線でも突き抜けているはずなんですけどね。それを考えると、まだ完調とはいえないのかな。ただ、北に二段駆けをさせなかっただけでも、良しとします」
 仕掛けの糸口をつかめぬまま、最下位に敗れ去った坂本貴史は悔しさを隠しきれず。
「何もできないまま終わってしまった。この分も準決勝はとにかく力を出し切って勝ちに行く競走をします」

↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved