『高知競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:4月5日


 高知競輪場で開催されている開設60周年記念「よさこい賞争覇戦(G3)」も3日目。激しい覇権争いも大詰めを迎えました。準決勝では飯野祐太と鈴木謙太郎の北日本の若手機動型が共に逃げ切り決勝進出を決めたほか、中国勢も守谷陽介、富弥昭、吉永和生の3者が勝ち上がり磐石な布陣が整った。
 なお、最終日の明日(6日)も緒方浩一さんによる予想会や未確定車券抽選会に加え、地元高知で活躍中の歌手・宮本二喜子さんによる歌謡ショー(5、9R発売中)が開催されます。ぜひ、決勝戦も本場で観戦してください。


<8R>
守谷陽介選手
守谷陽介選手
   1着権利の狭き門を突破し決勝一番乗りを決めたのは守谷陽介(写真)。打鐘前から全開で発進した才迫勇馬を追走から最終3角で小埜正義の仕掛けに合わせて番手まくりを敢行。そのまま押し切り1着をもぎ取った。
 「今日は(才迫)勇馬を信頼して全てお任せだったけど、あいつは頑張るって言ってくれていたし、その言葉どおりのレースをしてくれました。僕にとってはすんなり過ぎる展開になったし、後は脚を溜めて思い切り踏み出すことに集中しました。本当はバックでタレたら出て行くつもりだったけど、才迫は3角まで全くスピードが落ちなかったし、本当に強い選手ですね。今日はかなり緊張したけど、何とか突破できて良かった。記念で初めて決勝に乗ったことだし、高知バンクは本当に最高ですね!」
 大仕事をやってのけた才迫勇馬は検車場に引き揚げるとホッと胸を撫で下ろす。
 「気持ちの入ったレースができました。突っ張られないように、早め早めに押えて、きっちり組み立てられましたね。自分のやるべき仕事はできたと思います。いつかは自分が決勝に乗れるようにもっと強くなっていきたいですね」
 最終バックからまくった小埜正義も、前が番手まくりでは為す術なし。
 「最終2角で仕掛けられなかったのが全て。初めての4.15も感触は抜群だったし、あそこで躊躇しなければ行けていた気がする。ワンチャンスを逃しただけに悔しいね」
 果敢な主導権争いが予想された坂本貴史は、終始後方に置かれ見せ場なく敗れた。
 「本当は後ろ攻めが良かったけど、スタートで位置が取れなかった。力不足です」


<9R>
富弥昭選手
富弥昭選手 中村浩士選手
中村浩士選手
   森田達也の先行に対し大西祐がロングまくりで出切ると、番手の富弥昭(写真)がきっちり1着をもぎ取った。
 「今回は直前にひたすら街道で乗り込みもがいてきて、気持ちの入ったレースは出来ている。でも、今日は色々考えすぎてしまった分、大西とワンツーを決めることができなかった。大西には申し訳ないことをしてしまったね」
 わずかの差で3着と、決勝を逃した大西祐もレース内容には納得の表情。
 「決勝に乗れなかったのは悔しいけど、後ろに付いてくれた富さんが決勝に乗ってくれたし、最低限の仕事は出来たのかな? 落ち着いて仕掛けられたし、出切るまでは良かったけど、4角で一気に脚に来てしまった。冷静に走っているつもりが知らず知らず内に踏みすぎていたんでしょうね」
 逃げた森田ラインの3番手から直線で伸びた中村浩士(写真)が2着で決勝進出した。
 「3番手だけど、絶対にワンチャンスはあると思って、ずっと脚を溜めていました。森田が思い切った競走をしてくれたし、直線では僕も力まずに踏みこめた。いつもは焦ってポカをするんですけどね。ここまで来れたのは毎日ラインに助けられた結果だし、決勝もそのことに感謝しつつ走りたいですね」


<10R>
飯野祐太選手
飯野祐太選手 吉永和生選手
吉永和生選手
   打鐘から主導権を奪った飯野祐太(写真)が巧妙なペース押し切り快勝。決勝への切符を手にした。
 「ホームは楽だったけど、バックは重く、最後はタレてしまったけど、後ろが競りになったことと、3番手追走の芦澤さんが松岡さんのまくりを止めてくれたことで助かりました。このメンバーで逃げ切れた事は自信になるし、明日はメンバー的にもチャンスはありそうなので集中して頑張りたいですね」
 2着には村本大輔をどかし飯野の番手を奪った吉永和生(写真)が入線。これぞ番手マンというレースを見せ付けた。
 「すんなり中団を回っていても権利は取れないし、2分戦だから絶対緩むと思っていたのでワンチャンスを狙っていました。ここ1カ月は集中して練習してきたし、やっぱり練習さえしっかり出来ればレースで動けるんですね」
 飯野ライン3番手からレースを進めた芦澤大輔は松岡孔明のまくりを渾身のブロックで止めると、そのまま3着に流れ込み、1月大宮記念に次ぐ記念決勝進出を決めた。
 「ギリギリ3着だけど決勝に乗れたことは大きい。今日は飯野が強かったけど、僕自身も勝ちに行く競走は出来ています。吉永さんは僕の憧れだし、目の前でああいう競りを見せられ、僕も気合いが入りました。ただ、決勝に乗るのは初めてではないし、ここで満足するつもりは毛頭ない。明日も獲るつもりで狙っていきますよ」
 まくり不発の松岡孔明は「芦澤のブロックは全くの想定外。こんなことならもっと外を走っていれば良かったですね。後ろの人に申し訳ない」とガックリ。
 吉永和生に競り負けた村本大輔も「一番嫌なところで来られました。覚悟はしていたし、反応も出来たけど、前に踏むことに気が行ったところを先に当たられてしまった。やられたことは絶対に忘れないし、この悔しさを今後の糧にしていきます」


<11R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手 松尾淳選手
松尾淳選手
   打鐘からペースで駆けた鈴木謙太郎(写真)が、中団のもつれをよそにまんまと逃げ切り4度目の記念決勝へ。
 「松尾さんが前攻めになった時点で、僕が押さえて駆けても、(渡部)哲男さんに絶対カマされると思い、半分諦めていたけど、哲男さんが中団をキメにいってくれたので、僕に展開が向きましたね。脚の状態も日に日に良くなっているし、明日もとにかく力を出し切る競走を。その上で優勝できれば最高ですけどね」
 松尾淳(写真)は最終ホームで内をしゃくり諸橋愛から鈴木の番手を奪取。そのまま2着に流れ込んだ。
 「鈴木と哲男の先行争いの上をカマす作戦だったのに哲男が僕をキメに来た。バックを踏むわけにもいかないし、気付いたら番手まで行っていたって感じです。(小野)俊之が付いてきていると思っていたので、最後は全力で鈴木を交わしに行ったけど、あっさり踏みなおされてしまった。鈴木君は強過ぎでしょ」
 連日、スジの目標が不在の白戸淳太郎だが、この日も鈴木ライン選択が大正解。3着入線で決勝へと勝ち上がった。
 「あれよあれよで決勝ですよ。花月園の神様が降りてきたのかな(笑)。今日は鈴木君が強かったし、頑張ってくれた。僕も諸橋さんの落車にも落ち着いて対応できたし、リラックスして走れている。それにしても連日展開に恵まれすぎですね」
 地元・四国のエース渡部哲男はまくり不発で決勝進出を逃した。
 「落車のあおりを受けなければ絶対にまくりきれてたはず。地元地区で決勝に乗れないのは本当に悔しい」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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