『東日本大震災被災地支援競輪 高知競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:6月25日


 本日(25日)、高知県・高知競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・高知競輪開設61周年記念「よさこい賞争覇戦」(GIII)3日目が開催されました。メインの準決勝はそれぞれ松川高大選手、石丸寛之選手、朝日勇選手が1着で突破しました。他にもS班の佐藤慎太郎選手に、地元の篠原龍馬選手など、予想から楽しくなるようなメンバーが出揃いました。また9レースに行われた98期ルーキーチャンピオンレース「若鷲賞」は青森の箱田優樹選手が1着で98期の頂点に立ちました。青森といえば先日、名レーサー・坂本勉さんの引退がありましたが、偉大なる先輩の後を継ぐような走りに期待したいですね。
 なお、最終日は場内イベントとして「長渕ふとし爆笑ライブ」をはじめ、被災地支援チャリティーオークション、専門解説者・伊藤豊明氏の予想会、松本州平氏による予想会、未確定車券抽選会(ミカチュウ)と盛りだくさん。最終日も高知競輪でお楽しみ下さい。
ルーキーチャンピオンレース特別選手紹介
ルーキーチャンピオンレース特別選手紹介
ルーキーチャンピオンレースゴール
ルーキーチャンピオンレースゴール
ルーキーチャンピオンレース表彰式
ルーキーチャンピオンレース表彰式


<1R>
齊藤竜也選手
齊藤竜也選手
   3日目は一般戦からスタート。まずは大沼孝行の先行を利した齊藤竜也(写真)が1着。
「先行1車だったし、(大沼が)いけるところから、徐々に駆けていく感じよりも、ドカンと仕掛けていく作戦でした。あとは絡まれないようにだけ注意していましたけど、ペースでいってくれたし、あの仕掛けだったら飛びつきもきついし、なんだか気を遣ってもらった感じでしたね。調子はそこまでだけど、展開に助けられました」
  2着は齊藤を追った中塚記生が入線。
「(大沼が)後ろ攻めになった時点で、ホームくらいから思い切っていくのかなと思っていましたよ。そうしたら案の定、仕掛けが遅かったです。あれだったら、飛びつく方も脚を使いますからね」


<2R>
橋本勝弘選手
橋本勝弘選手
   増成富夫が主導権を握り、番手絶好となった橋本勝弘(写真)が差し切って久々の1勝を飾る。
「増成(富夫)さんが強かった…強すぎ。ゴリゴリゴリゴリ踏んでいくから、流すところもなかったです。さすが先行職人ですね。最後も増成さんに踏み直されて、差せるかどうかは際どいと思いました。1着は1年ぶり、あれ、そんなにはいってないか(笑)? 少なくとも10カ月ぶりです(笑)! 良かったです。増成さんと森岡(正臣)さんのおかげですね」
 捲りで前団に迫るも4着の本田博
「疲れました…。6番(橋本)も調子悪いとはいえ、自力ある選手ですからね。それに森岡(正臣)の牽制もあって。やっぱり普段自力を出していない分、粘りがダメでしたね。悔しいです」
 仕掛けるも増成富夫の先行ペースの前に小堺浩二は9着大敗。
「序盤でバックを踏んで下がってしまったのが…それに増成(富夫)さんが強かったですね。本当は本田さんよりも先に仕掛けたかったんですけど、合ってしまいました」


<3R>
米原大輔選手
米原大輔選手
   原田隆がカマしたことで、一気に展開が向いた米原大輔(写真)が捲り追い込み1着。
「前を取るのは原田(隆)さんかなと思っていたんですよ。関根(幸夫)さんが後ろから抑えてくるだろうから、飛びつきも考えていたんですけど、まさかの関根さんが前受けで。抑えてからどうなるかと思っていたら、すぐホームくらいから原田さんが仕掛けてきて、2車だったし出させてしまおうと。関根さんもヨコまで来ていたので、見ている内に車間は空いてしまいましたけど、ラッキーな展開になりましたね。ギアを上げたり下げたりしているから脚の感じは折り合っていないけど、今日は展開が向きました(笑)」
 捲りの関根幸夫は5着まで。
「これが競輪ですね…悔しいけど脚が…。誰もスタートを取りに行かないし、仕方がない展開になってしまいました。若手が相手じゃないと燃えないのかな…(苦笑)。疲れました」


<4R>
山形一気選手
山形一気選手
   4レースからの選抜戦。捲り追い込んで山形一気(写真)がシリーズ初勝利を飾る。
「隊列が思っていたのと違いましたね。藤田(大輔)さんが前かと思ったら、なんで天田(裕輝)さんが前なんだろうと。あれで抑えに行くタイミングがちょっと難しくなりました。突っ張られるのも嫌でしたしね。でも後ろには迷惑をかけるレースになってしまいました。体も重かったです。明日になれば大丈夫だとは思いますが…」
 2着は微差で川井利晃が入線。
「もう一杯でしたよ…。天田(裕輝)君が頑張ってくれました。本当に今回は群馬の若い子に駆けてもらうばっかりですね」
 先行した天田裕輝はゴール前勝負になるも3着。
「流していたので、展開が向いてくれましたね。でも最後はちょっと気合い負けしました。ちょっと重かったし、最後は気合いが足りなかったです」
 藤田大輔は「天田が強過ぎ。中団を取ったんですけど、その後が全然出ませんでした。ダメでしたね」と9着に終わる。


<5R>
服部克久選手
服部克久選手
   好機を逃さず内から巧みに差し切った服部克久(写真)が1着。
「最後は空かなかったら終わっていましたね。3番手をどかせればもっと楽だったんですけど、バックを踏むことが出来ずに吸い込まれていく感じになりました。白石(大輔)君が1センターでいってくれれば、もっと良かったですけどね。ジャンで追い上げておけば良かったですね。日に日に良くはなっていますけど、納得いくレースではなかったです」
 松岡篤哉は2車ながら果敢な攻めが光った。
「2車でも自分のタイミングでいけば、調子的にもいけると思っていました。ちょっと早めに踏みすぎましたけど、あれで2着ですから、良かったとは思います。初日のこともあったし、あそこは出させてはいけないですからね。マイペースで踏めましたけど、最後はちょっと内から来られて危なかったです…。まだレースは下手でダメなところはありますけど、初日の失敗を徐々に取り戻せているとは思います。明日も頑張ります」


<6R>
室井竜二選手
室井竜二選手
   6レースからは特選がスタート。先行する今井裕介の番手を野本翔太が取り切る。最後は野本マークの室井竜二(写真)が直線鋭く伸びる。
「(野本)翔太がよう頑張ってくれたね。気合いが入っていたな。最後はどっちに踏もうか迷ったけど、外の方が伸びていたかな、前が止まっていたしな。展開で中団を取れたのも大きかった。本当に翔太がええレースしてくれた。気持ちが嬉しかったな」。2着の木村隆弘に対しては「お前は上出来!」
 四国3番手の木村隆弘は2着。
「良い勢いでいけました。僕は3番手で一番脚を溜めていましたからね。前の2人のおかげです。野本(翔太)さんがすごく頑張ってくれたし、最後は室井さんが外なら内へ、内なら外に踏もうと思っていました。明日は特別優秀、頑張ります!」
 四国ワンツーに貢献した野本翔太(4着)。強気の攻めは室井からも高評価。
「もう一杯でした。でも(室井)竜二さんに任されていたのでね。任された以上は、頑張らないと。徳島のワンツーですよね? それなら良かったですよ」


<7R>
早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
   連日、好調宣言していた早坂秀悟(写真)が先行押し切り1着。
「(佐藤)慎太郎さんにも『自信を持っていけ!』と言われていたんですよ。うまく今日は駆けられましたね。1番(西谷岳文)は来そうで来なかったし、騙されて早く駆けても早く捲られるだけ。追い出しもきたんですけどね(笑)。それでホームでいつ来られてもいいように一回踏んでいきました。バンクは風もあって重かったけど踏み切れたし、また頑張ります」
 早坂の3番手から荻野哲が2着。特別優秀へ進出を決め笑顔。
「2分戦ですし、西谷(岳文)だけ見ていればいい感じで踏んでいったので、早坂(秀悟)君が巧かったです。駆け方を知っているね。ここまできたら内は一杯だと思って、最後は外に。3番手で気楽だったのが良かったのかな」
 捲った西谷岳文はゴール前で迫るも3着まで。
「早坂(秀悟)君が巧かったですね。さすがの職人芸でした。3コーナーからいったけど、コーナーでかかりにくかったです。4コーナーから行くしかなかったのかな。ホームからいっても合わされただろうし。練習みたいな駆け方で踏んでいて、強かったです」
 早坂マークの藤森茂樹は4着に敗れる。
「もうバックで離れてしまうかと思っていました…。一杯です、きつかった…」


<8R>
前田拓也選手
前田拓也選手
   大谷靖茂が主導権を奪って4コーナー絶好となった前田拓也(写真)が1着。
「大谷(靖茂)君のおかげ。今日のあの展開になれば、さすがにね。感触的には前回は軽かったんですけど、ちょっと重いですね。最終日も頑張ります」
 マークした小林則之が内を攻める意外な展開も高木隆弘が外伸びて2着に入る。
「(小林が)内に行ったから一緒に入っていこうと思ったけど、小川(巧)さんがいて入れませんでした。でもそこからは冷静になろうと思って、違うところを探して外を踏みました。これも(小林が)頑張ってくれたからだね」
 小林則之は7着入線。
「最低中団は決めないとと思っていたんですよ。でも内に入ってしまって。高木(隆弘)さんが2着に入ってくれたのだけが良かったです」


<9R>
箱田優樹選手
箱田優樹選手
東矢昇太選手
東矢昇太選手
増原正人選手
増原正人選手
   9レースは98期ルーキーチャンピオンレース。原田研太朗が主導権を握ると、3番手で内に増原正人、外に馬場和広で並走。原田の番手から河上泰範が捲りを打ち、3番手を取り切った増原、そして内から東矢昇太が続いて直線で抜け出しを図るが、後方待機から箱田優樹が一気に捲って優勝を飾った。2着に東矢、3着に増原という結果となった。
 優勝した箱田優樹(写真)は「まだ信じられない気持ですね。レースは、最終8番手になっちゃって、最後は自分でも届くかわかんなかったんですけど、とりあえず力一杯抜くだけでした。結構前からギアを上げて練習していて3場所前の西武園から3・85にして、レースを頭で想像しながら決勝だけでもと思ってやってきました。その結果は出せましたね。競輪人生で、ルーキーチャンピオンを走れるのは一生に一回しかないんで、気合い入れてきました。これからも、ルーキーチャンピオンの結果だけにとどまらず、上を目指して頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
 2着の東矢昇太(写真)は「内に詰まって最悪のパターンになってしまいました。先輩達からは内に詰まった時は、内を見ろとアドバイスを受けていました。増原(正人)さんに任せていたし、2着は悔しいですけど、良い勉強にはなったと思います。また頑張ります」
 3着の増原正人(写真)は「ごちゃついた時に脚を使ったし、獲れる展開になったのに取りこぼしてしまいました」
 単騎で4着の飯山泰行は「埼京ラインの後ろからでしたが、ああなるとみんな外踏むから内をずっと待っていました。車体故障はありましたけど、自分の選んだところだし悔いはないです」
 5着の小峰烈は「疲れました。(箱田に)付いていけばチャンスはあったんですけど、脚が一杯でした」
 辻中国宏は「箱田が来たのも見えていたから、そこで踏んでいけば良かったんですけど…僕の甘さが出ました」と6着に敗れ一発勝負の難しさを痛感。
 地元の河上泰範は番手捲りを放つも「展開は絶好なのに力が無いのでこんなもんです」と7着に終わる。
 8着の馬場和広は「3番手に一瞬入れると思ったのに…増原さんもいて簡単には入れなかったです。前に踏めば良かったですね」
 先行の原田研太朗(9着)は「後ろが地元だし、自分のレースは出来たと思います。最後は脚一杯でした」


<10R>
松川高大選手
松川高大選手
丸山啓一選手
丸山啓一選手
   1つ目の準決勝。藤田竜矢が先行すると番手の芦澤大輔が大きくブロックしたことで3車が落車。波乱の展開となったが、捲った松川高大(写真)が突き抜けて記念初優出を決める。
「初手はみんな後ろ攻めを嫌うかなと思って。バックから思い切りいけたのが良かったですね。早めにいっていたから、短くなっていたし、前が止まったところを目がけて仕掛けていきました。踏んだ時にいけると思いました。脚に余裕はあったけど、芦澤(大輔)さんの牽制がずっと来たからきつかったです。内容は違いますけど目標だった決勝に乗れたし、明日取り返すようなレースをしたいです。初めてなので嬉しいですね。脚は問題ないです」
 2着は齋藤登志信が入線。
「最後は松川(高大)を目がけていく感じで踏んでいきました。(山田敦也は)タイミングがあってしまっていたし、あそこを付いていっても無理かなと思っていたので。脚の感じはずっと人の後ろだし何とも」
 3着は丸山啓一(写真)が藤田竜矢をタイヤ差交わして入線。本人はツキを強調。
「藤田(竜矢)もすごいところから踏んでいるし、芦澤(大輔)君も絶対に仕事をしますからね。僕は我慢してから踏みました。今回は運一本です。ここまで高知と相性が良いとは(笑)。自分の出来的には普通ですけど、記念で決勝に乗れているので、悪くはないでしょう」。
 先行の藤田竜矢だったが惜しくも4着。
「自分の力は出し切れたし、悔いはないですよ。芦澤君に迷惑をかけてしまいましたね。ペースと思って駆けたんですけど、かかりが良くなかったです。明日、もう一日あるので頑張ります」

<11R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
中村浩士選手
中村浩士選手
   岩本純が内を突いて先行態勢に入ると、番手から石丸寛之(写真)が抜け出して1着。
「岩本(純)が内からいってすごい焦ったけど、付いていかないとね。岩本はすごい付きやすかったです。連日、後輩が頑張ってくれますね。今日の脚の感じは良かったですよ。今日の感じだったら、筒井(敦史)に抜かれることもなかったかも(笑)。記念決勝は久しぶりで、昨年は乗っていないから1年半ぶりくらいかも。ここまで後輩が頑張ってくれたので、明日も優勝できるように頑張りますよ」
 岡山勢を追った宗景祐樹が2着入線。
「岡山勢とは相性が良いですし、好きなんですよ(笑)。やっぱり結束力が強いですからね。付いたら仕掛けてくれますし。今日も岩本(純)君が苦しかったけど、いってくれましたしね。僕自体の感触は普通です。付いていても口が開くことはないし、踏み出しも問題ないです。記念自体を走っていなかったから、決勝は久しぶりですね」
 岡村潤マークの中村浩士(写真)が3着に入る。高知記念連覇なるか、注目が集まる。
「相手もあそこでしゃくってこないと勝てないですからね…。でも、きついところで(岡村潤が)いってくれたました。踏むのも待っていました。踏んだ感じは、出が良いですけど、2着に届いていなかったところが…。(記念連覇に)これで首がつながったかんじですね(笑)。メンバーでどうなるかまだ分からないけど、頑張りますよ」
 岩本純は6着も石丸寛之の1着に大きく貢献した。
「宗景さんも付いていてくれたし、もう後ろに勝ってもらうくらいの気持ちでいきました。最終2センターくらいで、ちょっとだけ『これ、ひょっとしたら…』と思ったんですけどね。もっと脚を付けないといけないです」
 松岡孔明マークの合志正臣(4着)は「内から(岡山勢が)いったけど、あそこで引くのではなく、思い切って踏んでいってくれればチャンスも出てきたのにな…」。
 松岡孔明は8着に敗れる。
「内は考えていなかったです…。前を見ていて踏めなかったけど、出切ってから流していたしいっとけば面白かったのかな」
 捲り不発の岡村潤は9着。
「石丸さんも開けていて詰まって、変なタイミングでいって…。仕掛けられなかったですね。孔明を意識しすぎました」


<12R>
朝日勇選手
朝日勇選手
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
   直線でシャープに伸びた朝日勇(写真)が1着。
「とりあえず1着で良かったです。四国ラインと決めていたわけではなく、いった方のラインからと思っていました。あとはそこからどうなるかだけ。篠原(龍馬)君がいったのが良かったですね。あそこでいかなかったら篠原君もダメな可能性も出てきてしまいますしね。高知との相性はこれで悪いっていったら欲張りですね(笑)。最後まで1着を目指して頑張りますので応援よろしくお願いします」
 先行した三ツ石康洋の番手から篠原龍馬が捲り2着、地元記念決勝へ駒を進めた。
「三ツ石(康洋)さんのおかげです。あそこまで引きつけてくれたし、本当に良かったです。直線で踏み挙げていく感じで、バック線のあたりで仕掛けていかないと無理だと思っていました。初日も昨日も、そして今日も悪くはないですね。明日に向けて準備したいと思います」
 牛山貴広が捲り不発も佐藤慎太郎(写真)が直線伸びて3着、だが今日も景気の良い言葉は出てこない。
「1コーナーで仕掛けてくれれば難なく決まったとは思いますけど…。昨日よりもゴール前で脚は残っていました。状態に関しても昨日よりは良いですけど、悪くないというだけですね。明日に向けてシューズなり何なりを考えてやるかもしれません」
 牛山貴広は「最終ホームでいけば良かったですけど、2段駆けだったし、いったところでいこうと思っていたら、すかさず番手からいったので、合ってしまいましたね」と7着に敗れる。
 高知勢の前で先行した三ツ石康洋は9着。
「前を回る以上はね。前のレースの感じからも単調なレースになるとも思っていました。篠原さんのところはもしかしたら来られてしまうかなと思っていたんですけどね」

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