『高知競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:4月15日
 高知競輪開設62周年記念「よさこい賞争覇戦」は4月15日に最終日を迎えた。シリーズ3連勝で勝ち上がった武田豊樹とGP覇者山口幸二を軸に結束する中近勢の争いが注目された決勝戦を制したのは武田豊樹。最終2センターまで内に封じ込められる苦しい展開だったが、残り100メートルで鮮やかな逆転劇。東王座に続き、高知を連覇した。
決勝戦 レース経過
 号砲と同時に武田豊樹が飛び出して正攻法に構える。武田後位は芦澤大輔と武井大介で競り合い。内、外を何度か入れ替わりながら周回する。その後ろに岡部芳幸が続き、中団に阿竹智史―大塚健一郎、脇本雄太―山口幸二―柴崎俊光の中近ラインが後攻め。
 赤板過ぎの2コーナーから脇本がゆっくり上昇。前受けの武田は誘導員を外して踏み込むも、脇本ラインを出させる。打鐘過ぎに前に出た脇本が先行し、武田は4番手を確保。後方に置かれた阿竹は最終ホーム手前から早めに巻き返すが、脇本に合わされて3番手のヨコで勢いが止まる。脇本が快調に飛ばす中、武田は内に包まれる展開となったが、3コーナーで阿竹は力尽きて後退。2センターから外を踏み込んだ武田が圧巻のスピードで突き抜け、完全優勝を飾った。武田後位を奪った武井はこれを追走できず、脇本の番手から追い込んだ山口が2着。柴崎が3着に流れ込んだ。


武田豊樹選手
武田豊樹選手
 打鐘で先頭に立った脇本雄太が阿竹智史を出させず主導権。これで内に封じ込められた武田豊樹だったが、「あとは3人を交わすだけ。突き抜ける感じはあった」。その言葉どおり、2センターで単独になるとそのまま外を一気。鮮やかに前団を飲み込んだ。
「もっと綺麗に脇本をまくりたかったけどね。バック過ぎでは(去年の)GPの感じをイメージして走りました。番手は幸二さんだし、同じパターンで負けるわけにはいかなかった。4連勝は意識してなかったけど、優勝することが一番大切。これからも脇本や深谷(知広)とかいい選手を相手にどう戦うかだね」
 まだまだ課題は残ると話すが、今大会は4連勝で一度も主役の座を譲らなかった。このあとは中10日で共同通信社杯。「戦う相手はたくさんいるし、頑張ります。また」。深谷、村上義弘らライバル達との対戦に胸を躍らせた。

 惜しくも優勝を逃した山口幸二は素直に武田の強さを称えた。
「さすがですね、武田は。もう少しかぶってくれれば面白かったけど。僕も中途半端な状態から後ろに食われず来たし、状態は悪くない。2センターでひと当たりできればよかったけど、武田には余裕があったね」

 3着には中近3番手を回った柴崎俊光が流れ込んだ。
「ワッキーのダッシュがすごかった。口が空いて危なかったですね。幸二さんも仕事してたし、あとは内を締めとくだけと思ってた。もっと内に詰まってたら面白かったけど、武田さんのスピードが違った時点で無理でした」

 脇本雄太は上手く中団をモツれさせたが、最後は武田のスピードに屈した。
「ホームで阿竹さんが見えたし、1コーナー全開で踏んで中団で止まらせようと思った。400ならワンツーでしたね。幸二さんも1着取れたかな。500だと組み立てが完璧でも難しい。1周半は長かったです」

 直線強襲した岡部芳幸だが届かず4着まで。
「前で(競りが)危なくって、あれで一杯。阿竹が道中動いてくれると面白かったけどね。ぼくはあの位置ではあれが精一杯。でも2着には行きたかったな」

 上手く追い上げマークを決めた武井大介だが武田に続けず。
「追い上げタイミングよく決まって、よしっ付いて行ければと思ったけどね。一歩目の踏み出しが明らかに違った。武田さんはビュンと行ってしまいました」
ゴール
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