『高知競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月28日
 高知競輪開設63周年記念「よさこい賞争覇戦」は7月28日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。初日11Rの大量失格など波乱続きだった今大会を制したのは藤田竜矢だった。決勝戦は上原龍の先行に乗って最終2角から番手まくり。後続の追撃を力強く振り切り、記念初制覇を果たした。
決勝戦 レース経過
 スタートと同時に南修二が出て誘導を追いかける。南が稲垣裕之を迎え入れ。稲垣―南に澤田義和―山内卓也で前受け。単騎の星島太が5番手に付けて、以下は上原龍―藤田竜矢―大薗宏―棟方次郎で周回を重ねる。
 赤板を通過しても隊列は崩れず、上原は2コーナーから上昇を開始し、打鐘で稲垣を押さえて主導権。上原に藤田―大薗―棟方の追走で出切り、星島が5番手に切り替え前後のラインが入れ替わる。先行態勢の上原は、稲垣を警戒しながら上々にペースアップ、最終回へ。
 6番手の稲垣は車間を詰めながら最終1コーナーから反撃を開始。南が続くが澤田は離れる。稲垣がグングンと加速するが、藤田も稲垣に合わせて2コーナーから番手発進。バックでは稲垣と藤田のデットヒート。コーナーに入り外の稲垣はいっぱいで、藤田が先頭で直線を迎える。後ろは大薗と南の両者でからんだまま決着は付かず星島、澤田。
 番手まくりの藤田が、二の足で後続を振り切って、そのまま先頭でゴールを駆け抜け優勝。藤田を挟んで内外の2着争いは、外の南が制す。3着に大薗。


藤田竜矢選手
藤田竜矢選手
 ラインの結束力で藤田竜矢(写真)が初の勲章を手に入れた。決勝は2分戦。後攻めの上原龍が打鐘から押さえて主導権を握る絶好の流れ。番手まくりで稲垣裕之に踏み勝った。
 「記念は初めてなので本当にうれしい。上原君に全て任せていたんですが、気持ちよく駆けてくれましたね。すごい強かったです。あそこまで頑張ってくれたんで、何が何でも1着を取らないといけないと思いました。気付いたら稲垣さんがけっこう迫っていたので、無理やり出ていった感じなんですが、何とか勝てて良かったです。記念は初めてなんで本当にうれしい」
 6月の久留米記念を制した池田勇人に続き、埼玉から新たな記念覇者が誕生。これで地区もさらに活気付くはずだ。9月に控える京王閣オールスターまでこの勢いで突っ走る。
 「今日は上原君に獲らせてもらいましたからね。今度は自分の力で獲れるように、もっと練習して力を付けます。埼玉の若い選手はみんな強いし、僕の優勝で勢いが付けばいいですね。これからも一戦一戦しっかり頑張ります」

 南修二は6月久留米に続き、記念決勝で連続2着。記念初Vはお預けとなった。
 「稲垣さんが頑張ってくれたおかげです。今日が一番軽く感じましたね。最後は力負けです。また頑張ります」

 大薗宏は南と激しくからみながらも懸命に踏ん張った。
 「前の2人に全てお任せしていました。2人の頑張りでいい着が取れて感謝ですね。南君が自分のところに来るのは分かったけど、堪えられなかった。この展開なら2着をキープしないとダメですね」

 シリーズ3連勝で完全優勝に王手をかけた稲垣裕之だが、決勝は関東勢の2段駆けに屈した。
 「(打鐘過ぎの)4コーナーで仕掛けるチャンスはあったんですが、上原君の駆け方が上手かったですね。ベストは尽くしたけど、藤田君が強かったです。自分のタイミングじゃないはずなのに、合わされてしまった。力負けです」

 上原龍は格上の稲垣を相手に打鐘から果敢に主導権を奪った。
 「相手は連勝で勝ち上がっている強い選手ですから。2分戦なので早めに押さえて駆けて、あとはどこまで粘れるか。自分の仕事はできたと思います。藤田さんが優勝してくれて良かったです。点数をもっと上げて、次は自分が獲れるように頑張ります」

ゴール
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