『高知競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:4月5日
 高知競輪開設65周年記念「よさこい賞争覇戦」は4月5日が最終日。11Rの決勝戦でシリーズの頂点を争った。超細切れの激戦を制したのは山崎芳仁。前を任せた房州輝也はホームで浅井康太にカマされたが、山崎は上手く3番手に切り替えると直線一気の逆転劇。昨年9月の岐阜以来、通算15回目の記念優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲でゆっくり村上義弘が出て、正攻法に構える。隊列は村上-佐々木則幸が前受け、中団に浅井康太-伊藤正樹、牛山貴広-神山雄一郎、房州輝也-山崎芳仁が後攻め、最後方に単騎の和田真久留の並びで落ち着く。
 赤板前の4コーナーから房州が上昇。打鐘前の2コーナーで誘導員を交わして先行態勢に入る。単騎の和田がこれに続くが、牛山が外を追い上げて3番手は併走に。房州がそのままハイピッチで駆ける中、後方で構えていた浅井が最終ホームから一気にスパート。抜群のスピードで前団を抜き去り、最終2コーナーで先頭に立つ。伊藤がしっかり続き、切り替えた山崎、牛山、神山の順でバックを通過。中部コンビとの車間を徐々に詰めていった山崎が2センターから外を鋭く踏み込んで優勝を飾った。地元の佐々木は村上不発の展開から直線で外を強襲して2着。4コーナーで最内を突いた神山が3着に入った。


山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 浅井康太の奇襲にあった山崎芳仁(写真)だったが、落ち着いていた。「(房州)輝也が形を作ってくれれば、あとは相手の来る場所。そこでどう対応するかだったし、(3番手に切り替えてからは)どこで前をとらえるかだけだった」。浅井のカマシを2コーナーから追いかけると、2センターから徐々に車間を詰めて直線一気に前団をとらえた。
 「前は遠かったけど、何とか根性で乗り越えられた。今回は初日と今日と後輩がいたので展開が向きましたね。(優勝は)流れがうまくかみ合ってくれたからだと思う。輝也の頑張りに応えられたのが何よりです」
 不安視されたギア規制も「今日もすごく伸びたんで」と全く問題なし。今年は全日本選抜、高知記念と立て続けにグレードレースを制覇した。「このままの勢いで。最近は1着も取れてるし、また一走一走頑張りたい」。山崎の進撃はまだまだ止まりそうにない。

 佐々木則幸も11年ぶりの地元記念決勝で躍動。村上義弘のまくりに乗ると、あわや優勝という伸びを見せた。
 「しゃあないですね。村上さんを信じてたし、頑張ってくれました。他にコースがあったのかもしれないけど、バック入れたくなかったんで外を行った。伸びましたね。もう少しで山崎をとらえられる感じだった。まだまだ戦えると分かったんでよかった」

 直線で内にコースを選んだ神山雄一郎が3着に突っ込んだ。
 「併走がキツくて、もう一杯だった。最後はコースを探す余裕がなかったね。それでも3着まで来れたんで納得です」

 ホームからカマシ先行に打って出た浅井康太だが最後は末を欠き8着に敗れた。
 「逃げてもいい勝負ができると思ってたし、今日は仕掛けると決めてたんで。タイミングはバッチリだったけどね。また頑張ります」

 浅井に乗った伊藤正樹にもチャンスのある展開だった。
 「浅井の出足がよかったんで、あれで一杯になった。最後もちょっとずつタレて来てたし、後ろ見たら山崎だったけど、もう力は残ってなかったです。2車だし追っかけやすいですよね」

 惜しくも確定板を逃した牛山貴広は「今日はあそこ(山崎の後ろ)の位置。併走もキツかったけど、力不足ですね。脚があれば山崎さんに差し込んで2着はあったんで」とレースを振り返った。


ゴール
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