『松山競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:3月13日

 松山競輪開設70周年記念「金亀杯争覇戦」は3月13日が2日目。二次予選A、B合わせて7個レースで準決勝進出が争われた。二次予選は平原康多をはじめ稲川翔、柴崎淳らが1着で順当に準決勝に進出。地元勢からは渡部哲男、松本貴治の2名が準決勝に勝ち上がり、決勝進出をかけた最後のサバイバルレースに挑む。

<6R>

鷲田佳史選手
鷲田佳史選手
 打鐘過ぎに仕掛けた竹山陵太の番手にはまった才迫開は竹山が前に出たところをホームからすかさず叩く。続いた木村隆弘が番手絶好かに、相川永伍の2コーナーまくりに乗った鷲田佳史(写真)が直線鋭く突き抜けた。
 「相川君は同級生だし、良くレースも見てる。1回付いてみたかったし、それだけでテンション上がってたけど、まさかですね。6番手に入って無理やり行ってくれた感じだった。僕は待って、待って(相川が)越えられそうになかったので踏ませてもらった」
 好展開を生かした木村隆弘が2着で準決勝に勝ち上がった。
 「展開が良かった。開のおかげです。ええレースをしてくれました。ギリギリまで待ったし、鷲田さんに踏み勝ちたかったけど、鷲田さんは相川さんのスピードをもらってるしキツかった。でも何とか2着なんで。久々の記念準決勝ですね」


<7R>

佐伯辰哉選手
佐伯辰哉選手
 佐伯辰哉(写真)が前受けの田中晴基を赤板で押さえて先行態勢に入るが、下げた田中は打鐘からすかさず巻き返す。田中に叩かれた佐伯は荻野哲をさばいて番手を確保。ハイペースで駆ける田中を直線で一気に抜き去った。
 「先行すると思って自分の後ろで競ってくれていたのに申し訳ないですね。自分だけのレースになってしまったのが反省点。ジャンで競りの2人が自分より前に出たので、待ったら田中さんがダッシュしてきているのが見えて慌てて踏んだ。今日(2日目)は2分戦だったし、田中さんがしたレースを自分がしなければいけなかったですね。しっかり準決勝は頑張ります」
 2位入線の望月裕一郎だったが、最終ホームで西川親幸を落車させてしまったため失格に。逃げた田中晴基が2着に繰り上がった。
 「早い先行は考えていなかったけど展開的に前に出ちゃったほうがいいかなと。後ろは併走になっているかと思ったんですけどね。昨日(初日)からサドルの高さを変えたんですけど、それがなければ残れていなかったと思う」


<8R>

杉森輝大選手
杉森輝大選手
 打鐘で先頭に立った宗崎世連は4コーナーの下りを使って一気にペースを上げる。7番手になってしまった杉森輝大(写真)だったが、2コーナーからまくるとスピード差は歴然。鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「前を取って引いて行けるタイミングで仕掛けていこうと思ったけど、初手が中団だったので。近藤君が自分よりも早めに行くのかと思っていたので、近藤君のところまでは一気に行ってと考えていました。思ったように踏めている感じがあるし、脚の状態はいい。昨日(初日)は重たかったけど、一走して刺激が入ったので良くなった」
 江連和洋がしっかり続いて茨栃でワンツーが決まった。
 「本当は前を取る作戦だったけど、中団でフタをされてもずっと我慢をしていいところで仕掛けてくれた。スピードも良かった。追走していて余裕はあったけど、抜ける感じはしなかった。これでまたマークの決まり手が増えてしまう(笑)。マークできているってことは連にからめているってことなのでいいんだけどね」


<9R>

根田空史選手
根田空史選手
 中西大の上昇に合わせて打鐘前に切った根田空史(写真)は中西を受けて3番手を確保する。ホームから山崎賢人がカマすが、これを稲垣裕之がブロック。前がモツれたところをバックからまくった根田が連勝で準決勝へ勝ち上がった。
 「競輪はわからないですね。(花粉症で)体調的にはキツいけど。前回(3月西武園)よりはマシと言えばマシだけど、踏み出しで力が入りづらい。伸びる感じは影響ないけど、1、2歩目の入りが悪い。(それでも連勝)自分でもビックリしてます」
 守澤太志が根田に続いてラインでワンツーが決まった。
 「根田が強かった。あおりを受けながらですからね。僕は(2日間)マーク、マークだけど、脚の感じは悪くない」
 3着の稲垣裕之は中西の番手で好ガードを見せた。
 「中西が頑張ってくれました。僕もやれることをやろうと。(山崎をけん制して)中西もそこから踏み上げてくれたので、差し込むことなく戻れた。すごくいい競走をしてくれました。今回は腰に不安を抱えての参加だったけど、それを払しょくできてる」


<10R>

稲川翔選手
稲川翔選手
 前受けの稲毛健太は上昇してきた松本貴治を赤板過ぎに突っ張る。下げた松本は鈴木裕に追い上げられて、中団が併走に。稲毛はうまくペースに入れて駆けると、番手の稲川翔(写真)が好展開をモノにした。
 「今日(2日目)は(村上博幸が後ろで)すごい緊張感のなかでのレースでした。状態とか分からないくらいレースに集中していました。(無観客だが)レースに入れば集中して、それは気にならない。ライン3人で決められて良かったです」
 近畿ラインの3番手を固めた村上博幸が稲川翔にしっかりと続いた。
 「今日(2日目)は脚を回してるだけでした。信頼している2人が前だったので安心して走れた。状態は今年に入って一番いいですね。今回フレームとかも換えたんですけど、それもマッチしている」


<11R>

平原康多選手
平原康多選手
 前受けの太田竜馬が根本哲吏を突っ張って赤板過ぎから主導権を握る。内をすくってしっかりと中団を確保した平原康多(写真)は1センターからの巻き返し。太田を豪快に飲み込むと、諸橋愛の追撃も振り切った。
 「ペースがめちゃくちゃ上がったのが苦しかった。でも、ちゃんと4番手を確保しようと。早めに行って、諸橋さんに残してもらうほうが何とかなるかなと思った。全日本選抜あたりから自転車の乗り方がわかってきたし、練習どおり力を出せるようになってきた。呼吸は整ってないところで行った感じ。ワンツースリーが何よりうれしい。まだこれで終わりではないので、明日(3日目)もしっかり頑張る」
 ゴール前で平原に詰め寄った諸橋愛だったが逆転はならず。レース後は平原の強さを絶賛した。
 「僕の状態は普通。康多がいい。末もしっかりしてるし、康多が強い。今まで連係したなかで(昨年の)オールスターぐらいの感じだった。それぐらい康多がすごくいい」


<12R>

柴崎淳選手
柴崎淳選手
 中団外併走から打鐘過ぎ4コーナーで松浦悠士がカマすと、1コーナーで内の嵯峨昇喜郎が落車。番手の渡部幸訓も乗り上げてしまう。口が空いた渡部哲男は何とか追いついたが、落車を避けた柴崎淳(写真)は大きく車間が空いてしまう。それでも柴崎はバックから徐々に車間を詰めると、追いつきざまに2センターから持ち出して前団をひと飲み。昨年は落車してしまった二次予選を1着で突破した。
 「マジでビビったっす。9番(渡部幸)の後ろに付いてたらヤバかった。追いついたときに合志(正臣)さんがちらっと見たんで、持って来んでくれと気をつけてました。奈良(記念)で思った以上に動けてたし、反応もできてたので上がってくんじゃ?っていうのがあった。今回は楽しみにしてたし、どこまでやれるかと思ってた。108点の選手ではないでしょ」
 渡部哲男はゴール寸前で柴崎に1着をさらわれた。
 「ビックリした。乗り上げるかと思ったけど耐えたね。車輪が壊れてないか確認してる間に車間が空いてしまった。もうちょいでワンツーだったし、柴崎は全然見えてなかった」
 打鐘過ぎ4コーナーからカマした松浦悠士が3着に粘った。
 「謎の落車でしたけどね。僕も接触した感じはなかったので。後ろが離れてるのはわかったので、待ってから踏み直した。柴崎さんは今の点数以上の脚がある。でもこの距離のリードで押し切れないっていうのは悔しいですね。いい感じで回せましたけど、柴崎さんに行かれたので、その辺どうかな? でも(脚は)問題ないです」