『松山国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月13日


 競輪界初のリレーGIII開催は6月12日に3日目が行われた。ナイターのGIIIシリーズ「第13回国際自転車トラック競技支援競輪」は男女ともに準決勝をメインに熱戦が繰り広げられた。ガールズケイリンは佐藤水菜、鈴木美教の2名がシリーズ3連勝で完全Vに王手をかけた。男子は町田太我、菊池岳仁の117期両者がそろって優出。同期の激しい主導権バトルに注目が集まる。
 最終日の13日は男女ともいよいよファイナル。昼は福井、夜は松山でリレーGIII開催をお楽しみください。

<2R>

鈴木美教選手
鈴木美教選手
 前受けの永禮美瑠がそのまま逃げる流れに。6番手の山原さくらは打鐘過ぎからロングスパート。懸命に抵抗する永禮を最終バック前にねじ伏せて先頭に立つが、この後位に俊敏にスイッチしていた鈴木美教(写真)が直線で鋭く追い込んだ。
 「準決勝を走るのは初めてなので、緊張しました。(山原)さくらさんに合わせて踏みながら落ち着いて走れたと思います。一走、二走よりも今日(3日目)が一番、動けました。流れはとてもいいので、その流れを殺さないようにしたいですね」
 永禮の後ろから鈴木に続く形で追い込んだ佐伯智恵が2着。地元でうれしい決勝進出を果たした。
 「周りを見て、上手く走れたと思います。脚はためられました。(最後は)間を入っていく感じになりました。地元で決勝に乗りたかったので良かったです。ホッとしています」
 ロングまくりの山原さくらは3着。人気に応えられなかったが、長い距離を踏み切った。
 「昨日(2日目)は(高木)佑真ちゃんに突っ張られる感じだったので、同じレースはしたくなかった。昨日のことを考えると、前々に仕掛けて、どこまで残れるか。600メートルもがいた気分。(鈴木)美教が後ろに入ったので、バックから行かれたらどうしようって思ってました。脚は残ってなかったですね。昨日よりも感じはマシでした」

<3R>

佐藤水菜選手
佐藤水菜選手
 最終ホーム、3番手の位置からスパートした柳原真緒にすかさず佐藤水菜(写真)が襲いかかる。柳原をあっさり抜き去った佐藤がそのまま力強く押し切り、連勝を7に伸ばした。
 「スタートはどこでも良かった。どこからでも仕掛ける準備はしていた。前に柳原さんがいたので、いつもで柳原さんの仕掛けに乗って行こうと思っていたし、それが遅ければ自分でと考えていた。踏み出しからシッティングで行く課題を持っていたのでもがき合いになったときはドキドキしたが、自分を信じて最後までシッティングで行きました。2日目よりも感触は良かったです」
 まくられた柳原真緒だが、バックから佐藤を追いかける形で2着に。
 「トップスピードまで上げ切る前に佐藤さんに来られましたね。あのタイミングで来られて負けた感じがした。行かれてからはもう少し余裕があれば詰めようと思ったけど、フォームがぐちゃぐちゃになってしまって…。修正しないとダメですね。佐藤さんとは気持ちに余裕があるかないかの差が出た。佐藤さんが強かったですね。決勝は躊躇せずに仕掛けたい」

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金子幸央選手
金子幸央選手

久米康平選手
久米康平選手
 後ろ攻めから赤板過ぎに切った金子幸央(写真)を門田凌が2コーナーで押さえて逃げる。前受けから7番手まで下げた津村洸次郎は打鐘の3コーナーから反撃に出るが、久米康平のけん制を受けて失速。4番手を確保していた金子が最終バックから好回転でまくって金星を挙げた。
 「門田君が先行すると思っていたので、位置取って行けるところからと考えていました。後ろの2人に迷惑をかけてしまったのは反省ですね。でも今回は初日以外は思った通りに落ち着いて走れています。2コーナーで津村君にアクシデントがあって、あとは自分の出番かなと。状態は非常にいいと思います」
 門田の先行に乗った久米康平(写真)は2着。初日からオール連対で決勝まで勝ち上がった。
 「初手であの位置が取れたので、(門田が)先行しやすいかなって。その展開に持っていってくれました。金子君に4コーナーの下りで来られてしまいました。今回は自力の時はしっかり動けているし、いい感じで走れています。小松島記念の気持ちで走っているので、決勝に乗れて内心、ホッとしています」
 中四国ライン3番手回りの吉永好宏が久米に続いて3着に入った。
 「理想の展開になりました。内を締めて3番手の仕事はしっかりやろうと。脚の状態は悪くないので、チャンスはあるかなって思ってました」

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近藤龍徳選手
近藤龍徳選手

菊池岳仁選手
菊池岳仁選手
 後ろ攻めの近藤隆司から竹内翼、川口聖二の順で切って出る。前受けから後方まで下げた菊池岳仁はすかさず反撃。打鐘の4コーナーで川口を叩いて主導権を取る。3番手を確保した川口が車間を詰める勢いで迫るが、そのスピードをもらった近藤龍徳(写真)が関東コンビの間を鮮やかに突き抜けた。
 「(川口)聖二に全て任せていた。聖二に当たらないようにこそっと入っていった。何とか間に合いましたね。リラックスして余裕を持って入っていけた。昨日(2日目)の繰り上がりでの準決勝進出はラッキーとしか言えなかった。状態はいいですね」
 菊池の先行をフルに利した相川永伍は2着で15年8月富山記念以来、約6年ぶりのGIII優出を決めた。
 「菊池に全部、任せていました。最後に(近藤龍に)中を割られたのは自分の技術不足ですね。昨日(2日目)、後ろに迷惑をかけてしまったので、いろいろ考えたりして、良くなりました」
 菊池岳仁(写真)は3日連続の先行策で3着。GIII初優出を果たした。
 「カマせるタイミングでカマすのが狙いだったので狙い通りでした。どこかで行けるところがあると思っていたので、そこで逃がさずに行けた。3着だったけど、最後まで踏めた。決勝まで勝ち上がれて嬉しいが、気を引き締めて優勝を目指したい。町田(太我)君は意識しているから負けないように」

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坂本貴史選手
坂本貴史選手

町田太我選手
町田太我選手
 フタをされるのを嫌って7番手まで下げた町田太我が赤板の2コーナーからスパート。これに合わせて単騎の谷口友真も前受けから踏み上げる。町田が最終ホーム過ぎから先行策。俊敏にこの後位にスイッチした坂本貴史(写真)が鋭く追い込んだ。
 「町田君が強いし、伊藤(信)さんも今回はいいレースをしていた。自分が一番弱いので、しっかり出し切ろうと思ってました。町田君が外をジワジワと来ていたので、来たらどこからでも行こうと。すんなり(町田の後位に)はまれたけど、町田君もニュートラルに入れていたので、仕掛けたら合わせられるかと思ってゴール前勝負を選びました。脚の感じはいいですね。日に日に良くなっています」
 最終1コーナーで濱田浩司を弾いて坂本にしっかり続いた齋藤登志信が2着をキープした。
 「坂本(貴史)君に全て任せていました。決勝に行くという気持ちが伝わってきました。道中は厳しいかと思ったけど、諦めずに走った結果。日に日に良くはなっています」
 逃げた町田太我(写真)は3着での勝ち上がり。
 「予想外の並びで頭が真っ白になりました。ずっとフタされたまま出し切れずに終わることも多いので、引いて自分のタイミングで行きました。出切れたのは良かったんですが、体が重くて感じはいまいちでした。決勝に何とか乗れて良かったです」