『松山競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:12月1日
 松山競輪場で開設72周年記念「金亀杯争覇戦(GIII)」が、12月2日に4日間シリーズの幕を開ける。新田祐大をはじめ、和田真久留、稲垣裕之、東口善朋、取鳥雄吾、山田庸平ら各地区の精鋭が激突する。地元から渡部哲男、橋本強、佐々木豪、松本貴治、門田凌らが、金亀杯を盛り上げる。12月1日の前検日は、選手それぞれが、翌日からの激戦に備えて入念な調整を行った。
 なお、松山競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。場内のお客様が2500人を超えた場合は入場制限をさせていただきます。開催中は先着プレゼントなども行っています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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野口裕史選手
野口裕史選手
 グレードレースで注目を集める1レース1番車に野口裕史(写真)が登場。夏場に体調を崩して、体重を落としていたが、近況は状態をキープできている。
 「初めての競輪祭はいい刺激がありました。最終日はタイムも悪くない、というより、良かった。そのあとは疲れが出たので、リカバリーが中心で状況の確認と現状維持でした。体重は増やして完ぺきくらいです」
 野口大誠は前回の小松島FIで3日間バック線を取る積極策を見せた。当所は9月にFIで116着と連勝で決勝に進出していて相性がいい。
 「とくに何もしていないんですけど、成績が安定してきました。ヤンググランプリを獲った時よりも動けているのかも。松山は相性のいいバンク。記念開催でしっかりと出し切れるように。2分戦のような感じなので、頑張らないと」


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 岐阜勢は動ける2人がそろったが、後輩の長尾拳太が前を回る。
 「状態は悪くないですね。(前々回の富山FIで)失格があったりもしたけど、それでも先行はできていた。同県の先輩(不破将登)が後ろなので、先行、まくりは出せると思う」
 地元のトップバッターを務めるのは吉田智哉。1月の開設71周年記念、6月の国際自転車トラック競技支援競輪と、今年は地元GIIIに3回目の登場。
 「(前回の)小松島の最終日にいいレースができた。落車してから何が悪いか、わからなかったけど、それがやっとわかった。体が動いていなかったです。小さいレースをしないように、地元で貢献できるように頑張る」


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 川村晃司は前々回の広島FIを完全優勝。そこから使用しているフレームに手応えを得ている。
 「広島から新しいフレームに換えていいですね。練習の感じも良かったです。最近は番手回りもかなり多いです。谷(和也)君とは初めての連係です。しっかりと自分の走りをしてもらえれば」
 山下一輝は前々回の地元、防府記念で決勝3着の活躍を見せたが、前回は準決、最終日と自ら動いて結果が出なかった。初日は山本直を目標に持ち味を出せるか。
 「前回は自分で動いたけど甘くなかった。今の点数には自分でもビックリしている。戦法が定まってきて、(同)地区のみんなに助けられている。自分はスピードが出る方ではないので、コンディションが重くなってきて、スプリンターがタレてくると、自分にもチャンスがあるのかなと」


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 酒井雄多は前回の平塚FIではS級で初めて決勝に進出。決勝では落車に見舞われたが、その時のフレームを修理に出して今シリーズに臨む。
 「(平塚は)初めての決勝なのにもったいなかった。落車があったけど体は大丈夫でした。フレームは修正に出してきたので、それが大丈夫だといいんですけど。(好調の要因は)今年、フレームを換えたこと、あっせんが止まっている間に師匠(成田和也)とみっちり練習できたことですね」
 近況の大森慶一は1着こそないが、前回の平FI決勝では鋭い伸び脚を披露してゴール前ではしっかりと詰め寄っていた。
 「前回の決勝はもう少し早く踏めばチャンスはあったかも。状態は前回と変わらないですね。疲れを取って軽くやってきました。冬でもマウンテンにいくし、室内トレーニングができている。酒井君とは1回あって、向日町記念で3着4着でした」


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蕗澤鴻太郎選手
蕗澤鴻太郎選手
 蕗澤鴻太郎(写真)は松戸FIを431着のあとに関東の地区プロに参加。新鋭・吉田有希らから刺激を受けたようだ。
 「練習はできているし、体調は悪くない。ここまでの間に関東の地区プロがあったけどダメでした。1キロタイムトライアルは6位、チームスプリントは3位。1キロは昔優勝したこともあるけど、今回は吉田有希君でした。自分もレベルアップしていかないと」
 芦澤辰弘は前回の平塚FIで222着の準Vだったが、決勝は8分の1輪差まで詰め寄っており、好感触をつかんでいる。
 「(兄・大輔と連係して自分が前で先行した)あの共同通信社杯以来、兄弟ともにいいですね。そうなって良かった。乗り方とか、自転車に悩んでいたけど、前回は久々に良かった。かみ合ってきましたね。この感覚を大事にいきたい。(年末のグランプリから)関東から3人SSが出たことでグレードレースに乗れれば、チャンスが大きくなる。来年は大事な年になりますね」


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 小川真太郎は5月の防府FIでは佐々木豪を目標から優勝している。器用さがあるだけに、地元勢との好連係に期待できる。
 「(佐々木)豪の地元なので、好きに走ってもらって、ラインの3人で決められれば。(過去の連係で)優勝させてもらったこともあるし、いいと思う。(最近は)自力でも動けているので、後ろでも問題ないですね。しっかりと練習をできたので(状態は)いいと思います」
 佐々木豪は今年1月の71周年記念大会では、準決まで進出。地元記念の決勝へはいまだ進出したことがなく、今回こそはと気合が入る。
 「しっかりと練習をしてきたし、仕上げてきた。点数は落としているけど、脚はいいですね。前回くらいからレースに出てきました」


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門田凌選手
門田凌選手
 6月の当所、国際自転車トラック競技支援競輪では3勝をマークした門田凌(写真)は、その後も勝ち星を量産。しかしながら、前回の競輪祭では87821着で課題をあげる。
 「競輪祭は勝負にならなかったですね。ドームだと、タテ脚のある人はタレないので、いつもより流れているしキツかったです。実力差を感じました。仕上がりはずっといいです。(6月の)松山GIIIからフレームを換えてからいいですね。走り慣れているバンクだし、決勝にいきたい」
 近況一息の岩津裕介の状態が心配だが、徐々に持ち直してはいるようだ。
 「9月からギックリ腰を連発していて、良くないですね。不甲斐ないレースが続いて悔しい。前回(競輪祭)は想像以上にキツかった。ちょっとずつ良くなっているので、頑張りたい」


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渡部哲男選手
渡部哲男選手
 石原颯は前回の競輪祭が78813着。4走目はまくりで勝ち星を挙げた。
 「(競輪祭は)まだまだ、だなと。(9月の共同通信社杯で鎖骨を骨折して)もう影響はないと思う。ここまでは練習とケアを半々くらいですね。高松のバンクが12月半ばまで使えないので、徳島でバンクにいる人と練習してきました。小川(真太郎)さん、島川(将貴)さんとかですね。特別競輪(GI)でもないので、ムチャせずにいつも通りにいきたい。ラインをしっかり連れ込みたいですね」
 05、19年と当所、地元の記念を2度制している渡部哲男(写真)が、石原の番手でスタートを切る。
 「(地元記念を)もう少し流れのいい時に走りたかったですね。ずっと流れが悪い。(前回の競輪祭は)感触は悪くなかった。5走、走りだったので、疲労があったし、疲労を抜くことをメインです。やれることはやってきました」


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 近況はFI開催が続いいる石塚輪太郎は、決勝に進んだ8月の小田原記念以来のグレードレース。
 「何でもできるにこしたことはないけど、基本的には先行したいとは思っています。9車立ては走りやすい脚質的にも流れがあるので、7車よりいいと思います。練習の感じは悪くないし、今回は9車立てを楽しみにしてきた」
 今シリーズが追加配分になる根田空史のコンディションはどうか。
 「追加は競輪祭の次の日にきました。(前回の競輪祭は)ドームだし、全然ダメでした。松山は相性がいいんですよ。練習は普通にやってきたし、感じは良かった。今回はワッキーフレームから自分のフレームにします。練習ではセッティングを出してきた」


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松本貴治選手
松本貴治選手
 1月に地元の当所で記念初制覇を飾った松本貴治(写真)だが、8月オールスター以来の実戦とあって一走入魂でまずは初日に集中する。
 「(あっせん停止などもあって、その間は)無難に練習していました。練習はしていたしタイムや感覚は変わっていない。復帰戦なので走ってみないとですね。不安はないけど、緊張はする。久々なので。連覇を狙う気持ちはあるけど、一戦一戦やるだけ」
 前回の競輪祭の一次予選2で落車の香川雄介だが、その後も走りぬいて2着が2回。
 「落車は痛かったですね。走りきったけど、キツかったです。今回は問題ないと思います。調整はいつも通りです。(連係する松本)貴治は久しぶりの競走になるので、うまく走ってくれれば」


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取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 前回の競輪祭では4日目にダイヤモンドレースまで進んだ取鳥雄吾(写真)は、持ち前のダッシュにさらに磨きがかかっている。
 「競輪祭は同期が(吉田拓矢、新山響平)ワンツーだったので、うらやましいなと思っていました。準決で松浦(悠士)さんと連係して決勝にはいけなかったけど、心強かったですね。(競輪祭は)いつもやっていることが生きた。終わってからは1日休んでいつも通り練習してきた。(初日は)後ろが地元の2人なので、構えないでいきたい」
 橋本強は地元記念にコンディションを整えて、準Vの1月の当所記念同様にまずは決勝進出を目論む。
 「(前回の競輪祭の)疲労を抜くことは優先にやってきた。疲労は完全に抜けているし、競輪祭よりは動けると思う。(取鳥)雄吾が強いので、付いていくだけですね。決勝に乗らないと勝負にならないので、一戦、一戦頑張る」


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新田祐大選手
新田祐大選手
 東京五輪に出場した新田祐大(写真)だけに、獲得賞金でのグランプリ出場はかなわず、前回の競輪祭でグランプリの夢が散ったが、気持ちを切り替える。
 「(今年は)競輪を走る回数が少ないなかで、結果を残すのは重圧があった。目指したところにたどりつかなかったけど、すごくいい経験ができた。競輪祭に続き好調はキープしているので、期待していただいていいのかな。久々の松山になるけど、前回は熱い声援をいただいたので、応援してもらえるように頑張る」
 前回の競輪祭では2勝2、3着が1回ずつのGIで存在感を示した山田庸平が近況を振り返る。
 「寬仁親王牌で決勝に乗れたことが自信につながっているし、レースに出てきた。やっと練習で努力してきたことが出ましたね。GIでもいままではできなかったが、いまはレースに参加できている。前回の感触を忘れないようにしたい」
 競輪祭では一次予選の2走を1、2着と上々のスピードを見せた和田真久留はどうか。
 「競輪祭は単騎だったり、人の後ろで、何ともいえない結果。何場所前かよりは良くなっている。1週間ほど空いて、練習をやって調整をしてきた。久々の記念開催だし、自分のやれることをしっかりとやりたい」