『松山競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月4日

 松山競輪場で開催されている開設72周年記念「金亀杯争覇戦(GIII)」は、12月4日に3日目を迎えた。ファイナルをかけた準決では、地元の松本貴治が1着で勝ち上がり、橋本強、渡部哲男も優出を遂げた。また、新田祐大は初日特選から3連勝で順当に決勝に進んだ。シリーズ最終日の12月5日に、いよいよい決勝の号砲が鳴らされる。
 なお、松山競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。場内のお客様が2500人を超えた場合は入場制限をさせていただきます。開催中は先着プレゼントなども行っています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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松本貴治選手
松本貴治選手

香川雄介選手
香川雄介選手
 スタートと同時に松本貴治(写真)が前を取り、四国4車が前受け。ラインの先頭を走る門田凌は、赤板前に誘導と車間を空けて勢い良く上昇した稲垣裕之を突っ張り切って前に出させない。稲垣が中団に入ると、野田源一は下げて8番手。門田は打鐘の2センター辺りから全開で飛ばすと、番手の松本は車間を空けて間合いを計り仕掛けてきた稲垣を合わさせて番手からまくり出て1着をつかんだ。
 「(門田が)風が強い中、いいペースで駆けてくれた。あとは出ていくタイミングと思っていた。(今シリーズは久々の実戦で)初日は緊張したが、昨日(2日目)、今日とリラックスして走ることができた。疲れは初日よりもあるが、勝ち上がれているし、影響はない。決勝は優勝を目指し、連覇を狙って」
 香川雄介(写真)は稲垣とからむシーンもあったが、追走技術の高さをみせて松本に続いた。
 「(門田が)突っ張ってから(稲垣に)出られそうになって、引くしかないと思った時に東口(善朋)と接触して危なかった。道中は掛かりが良かった。稲垣に出られたと思ったけど、(松本)貴治が出てくれた。(前回の競輪祭の)小倉は(ドームで)脚の差が出るので、脚負けだった。けど、(今回の)重いバンクはタイムも出ないのでごまかせているのかな」
 稲垣裕之は、気合の入った攻めを見せて4車で並んだ四国勢を相手に力勝負を挑み、3着で決勝に進出した。
 「地元ラインの気迫がすごかった。自分も負けないようにと挑んだが気迫負け。前が全開だったが後ろに2人を連れているので、最低でも2コーナーで仕掛けようと。でも、松本君が行ったんで、あれが限界。(状態は)最近ではいい方。今回から新車なんですけど、日に日に馴染んで、今日が一番一体感はあった」

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松谷秀幸選手
松谷秀幸選手

橋本強選手
橋本強選手
 打鐘前の2コーナーで先頭に立った取鳥雄吾がペースを落とすと、前受けから7番手まで下げた和田真久留が2センターから猛然と巻き返す。和田は2コーナー手前に前団をのみ込み最終バック線を先頭で通過。番手の松谷秀幸(写真)が抜け出して絶好の展開をモノにした。
 「アップの時から(和田)真久留の気合いが違ったし、先行するのかなと思っていた。いつもなら構えるところをすかさずいってくれましたね。あそこで行ってくれるだけでうれしいのに、プラス1着だったので言うことはないですね。もうちょっと引き付けてからでも良かったのかな。11月に比べれば12月はいいスタートを切れたと思う。いつも練習はやっているし、流れが良くなってきたのかな」
 橋本強(写真)は取鳥がまくられると南関ラインに切り替える。最終2センターから狭いコースを踏み、地元の意地で2着に食い込んだ。
「(取鳥)雄吾を捨てて切り替えたからには、どこからでも突っ込もうと思っていた。昨日(2日目)までいろいろと試していたんですけど、セッティングを戻して普段通りに走れました。この感じなら決勝も突っ込めると思う」
 単騎の山田庸平は道中で四国勢を追っていたが、最終の1センターからまくりを出した。松谷のけん制にあったものの、しぶとくこらえて3着同着も、決勝進出を決めた。
 「今日(3日目)は(取鳥)雄吾のラインの後ろからと思っていたんですけど、スタートが想定していたのと違った。自分も仕掛けないと着はないと思っていた。けど、前は掛かり切っていたので、自分の感じはわからなかったですね。(橋本)強さんがすごいスピードできたので、3着にも届いたかわからなかった」

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新田祐大選手
新田祐大選手

渡部哲男選手
渡部哲男選手
 スタートで自ら前を取った新田祐大(写真)。石原颯が赤板を目がけてバンクの上から仕掛けると、新田が反応。位置取りに動いた長尾拳太を出させず、先行態勢に入った石原のインで粘る。新田はそのまま番手で粘るかと思われたが、石原の隙を突いて内から出て主導権を奪い返す。最終ホーム前に出切った新田は、後続を封じて力強い逃げ切りを決めた。
 「2周から打鐘前のところはあのような動きになると思った。自分がどの位置になるかはわからなかったが、積極的に攻める気持ちだった。出切ってからは、大森(慶一)さんが後ろにいたのはわかったけど、その後ろはわからなかった。でも、芦澤(辰弘)君なら付いてきてくれるだろうと思ってダッシュよりはじわっと上げるように出た。踏み出しで踏み過ぎましたね。長尾君がまくってきた時は緩み過ぎた。自分の走り方としては、緩急の修正はできると思うし粘り強さはまだまだ出せる。(状態は)悪くない」
 大森慶一は二次予選と同様に新田と連係。しっかりと追走してワンツーを決めた。
 「(新田は)踏んで合ったところで、番手に粘るかと思った。そしたら昨日(2日目)みたいにスルスルいったので付いていくのにキツかった。ちゃんと付いていけたので自信になる。(初めて番手を回った)昨日よりは緊張しなかったけど、離れる恐怖心はあります」
 地元の渡部哲男(写真)は絶体絶命の位置に置かれたが、最終3コーナー過ぎから内を進み、見事なリカバリーで決勝に進出した。
 「(打鐘の)バックで内をしゃくられていたし、GIを取るような選手(新田)が駆けている。(自分は最終)ホームで(佐々木を)迎え入れた時に脚にきていましたね。最終バックは終わったと思いました。外を回したら無理だと思ったし、何とか内が空いてくれと思って入っていった。前検日から言ってるんですけど、最近の(後方になってしまう)悪い流れの中で前の選手が頑張ってくれて、何とか決勝に乗れた」