『松山競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:11月23日


 11月20日~23日まで開催された松山競輪開設57周年記念「金亀杯争覇戦」。最終日の決勝戦には武田豊樹、佐藤友和に市田佳寿浩ら、GI級の強豪がズラリと顔をそろえ、今シリーズの頂点を懸けた激しいバトルが予想された。

決勝戦ダイジェスト

 号砲と同時に小倉竜二が踏み上げて誘導員を追う。前から佐藤友和―小倉―市田佳寿浩―浜口高彰―山内大作―三宅伸―武田豊樹―神山雄一郎―為田学で隊列が落ち着き周回が進む。
  残り2周半の段階で武田が上昇を開始して、赤板前には佐藤のアウトで併走して牽制する。打鐘前には誘導を交わして武田が主導権を取ると、佐藤は車を下げる。しかし、武田ラインの後ろで止まり、内、佐藤、外に切り替えた山内で併走状態。山内が外併走から仕掛けたのは最終ホーム手前から。しかし武田がこれをキッチリ合わせて主導権は渡さない。市田は俊敏に山内ラインに切り替えたが、これが裏目となり外併走で苦しい展開となる。佐藤も抜け出すのが遅れて仕掛けるタイミングが合わず、不発に終わった。後続の動きをしっかり見極めた神山がゴール前で武田を差し切って7月松阪に続き今年2本目の記念奪取を決めた。2着は逃げ粘った武田。3着には外々を堪えて踏んだ市田が入った。

神山雄一郎選手
神山 雄一郎選手

 この激戦を制したのは武田の先行に乗った神山雄一郎だった。午前中からの雨がレース前からさらに激しさを増すという悪条件の中でも、車間を切って番手の仕事をきっちり。「理想のレース。嬉しいね」と武田とのワンツーを決めたことを、まず何より喜んだ。
  「とにかく今日は武田に任せるしかなかった。前受けの(佐藤)友和が突っ張った時に武田がどうするかだったけどね。まあ僕は武田がまくりなら付いていく、先行なら番手の仕事をするという2点しかなかったから。でも絶好の流れになったね」
  これで今年最後のGI・全日本選抜へ最高の形で臨める。 「(この優勝で)気持ち良く入れると思う。でも、まだ課題はあるからね。友和の踏み出しにもう少し楽に付いて行けるように練習してきます」
  逃げた武田豊樹はいつもどおり冷静な顔でレースを振り返る。
  「友和の突っ張り? もちろんそこはひとつのポイントでしたけど、何より雨で気温が低いのがキツかった。お客さんがどれだけ買ってくれてたか分からないけど、こういう舞台でワンツーができたからね。満足といえば満足だけど、今日はたまたま僕が逃げただけですから」
  中団外併走の山内が最終ホームでカマして行くと、佐藤ライン三番手から、すかさずまくり上げた市田佳寿浩。外々を踏まされる苦しい展開をしのいで3着に入ったが言葉数は少ない。
  「あそこで佐藤を行かせたら僕らの踏み場はなくなる。(三宅)伸さんが邪魔になったね」
  浜口高彰は、「最終ホームでの市田の判断も良かったと思う。市田はもう少し行けると思ったけど、雨という悪条件もあったからね」と市田に任せての結果に納得の表情。
  佐藤友和は市田の仕掛けが誤算だった。
  「あの流れで良かったんですけどね。市田さんの仕掛けが思ったより早くてかぶってしまった。ちょうど僕も行こうと思ったところですからね。それでも市田さんが行けてれば、その外にいた僕の優勝でしたね」
  佐藤を目標にした小倉竜二は届かず8着に。
  「後ろだと武田さんが出させてくれんだろうから前を取った。佐藤も行けるタイミングはあったけど、かぶってしまったから。あれがなければね」
  山内を目標にした三宅伸は5着の結果にも、「山内が頑張ってくれたけどね。前の2人が強かった」。

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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