『松山競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3 日目編
 
配信日:11月12日


 松山競輪場開設58周年記念「金亀杯争覇戦」もいよいよ大詰めの3日目を迎え、今日は準決勝4個レースで、決勝進出を懸けた最後の勝ち上がり戦が展開されました。地元のエース・渡部哲男は無念の準決勝敗退。地元からは岡本大嗣のみが決勝に勝ち上がり、明日は北津留翼や志智俊夫らとともに決勝を争う。
 明日はラッキーカード配布や井上茂徳さんの早朝予想会に始まり、7レース発売中にはカタログギフトやケイリンマン時計が当たる決勝戦出場9選手によるカラーボール投入も行われます。明日も松山競輪場で臨場感溢れるレースをお楽しみ下さい。


<8R>
佐久間仙行選手
佐久間仙行選手
   8レースは1着選手のみが決勝に勝ち上がれる準決勝C。レースは中村美千隆の先行で、三ツ石康洋は七番手に。三ツ石のまくりを警戒する中村だったが、先にまくりを放ったのは四番手を確保した佐久間仙行(写真)。予期せぬまくりに対応できない中村ラインを尻目に、目標不在の難解レースを制した。
 「中村君の番手で競っても長引くだろうし、すんなり中団を取れればまくってやろうと思ってました。今回は(高橋)大作のアドバイスでギアを71に上げてたのが正解だった。大作も100回に1回くらいは良いアドバイスをくれるんですよ(笑)。中近勢もビックリだろうけど、僕が一番ビックリしてる。慣れないことをしてしまって疲れました」
 七番手まくりの三ツ石康洋は2着まで。予想外の展開に「ナメてましたね」と唇をかむ。
 「佐久間さんがまくれるのを分かってたら、カマすとか他に作戦もあった。僕は波ができて変になったし、佐久間さんのまくりも切れてましたね。相手が強かった」
 絶好の展開に思えた前田拓也も3着に終わり、「久々で思うようにいかないね。レース勘も鈍ってるし。せっかく前が頑張ってくれたのに」と肩を落とす。
 一番悔しそうな表情を見せるのは市野茂。目の前でまくった佐久間の動きに続けず、「佐久間君は追い上げだと思った。それでも付いてかないといけないよね。判断ミスでした」と一瞬の判断を悔やんだ。


<9R>
岡本大嗣選手
岡本大嗣選手
小倉竜二選手
小倉竜二選手
   9レースは篠原龍馬が岡本大嗣、小倉竜二を連れて先行。矢口啓一郎の抵抗をしのいで出切ると、番手まくりの岡本大嗣(写真)が地元で嬉しい記念初優出を決めた。
 「龍馬が行ってくれて、小倉さんが番手を回らせてくれた。今日は僕云々というより、ラインのお陰です。本当に感謝しています。ドキドキで声援は聞こえなかったですね。最後は脚がガクガクしてたけど、あそこまで行ってもらったら負けられない。今までずっと記念は準決Bで負けてたので嬉しいです」
 2着には小倉竜二(写真)が食い込んだ。結果的にはワンツー。しかし、最終ホームから岡本との連結が外れ、薄氷を踏むようなレースだった。
 「岡本も(中団に)入ろうとしてたし、篠原は出切れんと思ったけど、行ってしまったので焦った。何とか追い付かなと思ってコースだけ探してました。最後は上手くコースが空いて良かった」
 番手まくりの岡本に続いた矢口啓一郎だったが、記念決勝はゴール寸前でスルリと手の中からこぼれ落ちた。
 「もったいない。(岡本の)後ろに入った時はまだ余裕があったし、あそこで内さえ空けなければ…。悔しいけど、良い動きはできました」
 篠原龍馬は大役を務め上げ、「良かった」と胸をなで下ろす。
 「本当はラインでワンツースリーを決める先行がしたかったけど、矢口さんに合わせて出られた時点で厳しくなった。ムリかと思ったけど、最後の力を振り絞ったら何とか出切れた。岡本さんが勝って本当に良かったです」
 一方、海老根恵太は、「最終ホームでは絶好だったけど、見すぎてしまった。情けない」と意気消沈する。


<10R>
富永益生選手
富永益生選手
西田雅志選手
西田雅志選手
   10レースは乾準一が六番手位置から打鐘ガマシ。三番手は内に北津留翼、外に渡邉一成で併走になる。友定祐己のまくりに気付くと乾の番手からまくって出た富永益生(写真)が1着で決勝進出。
 「残したかったし、複雑ですね。でも後ろからまくって来る連中も強いので、ちゅうちょせずに行きました。今年は記念の決勝にけっこう乗れてるし、全日本選抜に向けて自信になる。良いメンバー相手に勝てたしね。明日もう1日頑張ります」
 北津留翼は自身2回目と話すマークの決まり手で決勝進出を決めた。
 「突っ張ろうと思ったけど、出られたので三番手併走になった。終わったと思ったら、(富永のまくりで)出口が見つかった感じですね。デビューして初めてあんなところを走りましたよ。でも力を出し切ってないレースなので、結果はたまたま。今日もあまり脚を使ってないので、明日には回復してると思います」
 友定のまくりに乗った西田雅志(写真)は神山雄一郎のブロックをしのいで3着に食い込む。
 「友定が2コーナーで行った時はラインで決まったと思ったけどね。神山さんに一発もらって苦しかったけど、ガムシャラに踏みました。調子が良いから3着に入れたと思います。良い追加でしたね」
 乾のカマシで離れた七番手からのまくりになった友定祐己は出し切ったという表情でレースを振り返る。
 「富永さんが前をかばうようならチャンスだったけど、(番手から)出られた時点でキツかった。乾さんのカマシは警戒してたのに、あれだけ離れましたからね。本当にキツかった」


<11R>
志智俊夫選手
志智俊夫選手
   11レースは地元ファンの絶大な人気を集めた渡部哲男が5着に敗れる。「中団で志村(太賀)にフタをされたまま終わりそうだったし、引いてから行こうと思った。タイミングも良かったし、脚も軽かったけど出切れなかったらどうしようもない。しょうがない、また出直しです」と地元記念の決勝を逃したショックは大きい。
 出切れなかった渡部が有坂直樹とからんだことで流れは中部勢に。志智俊夫(写真)が豪快なまくりで前団を飲み込み、1着でゴールした。
 「色々考えてたけど、あの展開は第一候補。理想の展開になりました。前も見えてたし、僕には司令塔(濱口)もいますから(笑)。今回は展開が大きいけど、調子も悪いと言ったら怒られますね」
 2着に続いた濱口高彰も絶好の展開に満面の笑み。これで松山記念は移転後3連続での優出となる。
 「展開は色々考えてた内のひとつだし、隊列が整う前に志智に行かせようと思ってた。すぐに反応して行ってくれたからね。とりあえず決勝に乗れて良かったです」
 3着には中部ラインに続いた野田源一が食い込み、年頭の和歌山以来となる記念優出を決めた。
 「志智さんが強かった。久々に付いて行くのがやっとってレースでしたね。脚が少しずつ戻ってきてる感じはしてたし、何とか決勝に乗れて良かったです。ステージが高すぎるけど、明日も頑張りたいですね」
 逃げる志村の番手を回った有坂直樹は渡部にからまれたのが痛かった。
 「内は重くて、キツかった。哲男も脚があるね」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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