『松山競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 最終日編
配信日:11月13日
松山競輪場開設58周年記念「金亀杯争覇戦」は11月13日が最終日。11レース決勝戦で優勝の栄冠を賭けた激しいバトルが展開された。優勝したのは北津留翼。赤板ホーム、そして打鐘過ぎと志智俊夫の二度の上昇を阻んだ突っ張り先行で見事逃げ切った。北津留は8月小松島に続いて今年記念2V。ナショナルチームの海外遠征を前に花を添える勝ち星を挙げた。
決勝戦 レース経過
スタート合戦を制した野田源一が誘導の後位を占め、北津留翼―野田―佐久間仙行が前団。岡本大嗣―小倉竜二―西田雅志の瀬戸内ラインが中団で、志智俊夫―濱口高彰―富永益生の中部トリオが後攻めで周回が進んでいく。
青板バックで志智が上昇を開始し、赤板で北津留を押さえようとするが、北津留も車を外して突っ張る構え。諦めた志智は車を下げて中団に入ろうとするが、岡本も譲らず、中団は併走状態で打鐘を迎える。外併走から志智が踏み込むと、北津留も合わせてスパート。志智は北津留の番手の野田と併走し番手はもつれたが、最終二角で野田を決めた志智が番手奪取に成功。そして濱口が続く。最終2コーナーからまくり上げた岡本は、バックでスピードが合ってしまい不発。逃げ粘る北津留に志智、濱口が襲い掛かるも、北津留の末脚は衰えずに逃げ切った。志智と北津留の中を割った濱口は北津留に迫るも2着まで。
北津留翼選手
引き揚げて来ても「信じられない」を連呼する。五輪の切符をかけた海外遠征を前にした大事な時期、そして調子も決して良いとは言えなかった。それでも前受けから志智を突っ張って先行すると、巧みなペース配分で押し切った。
「競技に集中しないといけないし、記念の優勝は小松島で終わりだと思ってました。嬉しいプレゼントで今でも信じられません」
ゴール前は詰め寄ってきた濱口高彰と横一線の争い。「ハンドルを投げた時は僕が前だと思ったけど、どっちかな?」と勝利を確信するまでには至らなかった。確定が出てホッと一息。記念優勝という最高の手土産を持って次は世界の舞台に挑む。
「やっぱり今は競技のほうに集中したいし、弱気だけどケガなく走りたい。次はマレーシアでのアジアカップに照準を合わせていきたいし、日本の(五輪)枠も取らないといけないですからね。選ばれた以上は責任を持って頑張りたい」
2着には中を割った
濱口高彰
が強襲した。
「ちょこっと抜いた感じはあったけどね。志智もまだ踏んでたし、当たりながら踏むわけにもいかない。シビアに行ければ(1着も)あったかもしれないけど、ちょっと遠かった」
突っ張られて外併走を強いられた
志智俊夫
だが、粘り強い走りで3着に粘った。
「もう少し北津留の走りを考えないといけなかったね。北津留は上手に見ながら見ながら駆けてましたよ。外でエラかったし、もう一杯。それでも確定板ならよしとします」
北津留の番手を回った
野田源一
は9着大敗。
「突っ張るのは作戦どおり。北津留の力なら押し切れるだろうと思ってました。志智さんに勝てれば面白かったけど、そんな練習もしてないから。ちょっと残念です」
岡本のまくりに乗った
小倉竜二
は惜しくも届かず4着に。「あんだけ突っ張るとは思わなかった。北津留が強かったですね」と北津留の前に完敗の様子。隊列が短くなったことで絶好の展開になったかに見えた地元の
岡本大嗣
だが、バックまくりは不発で6着に終わる。
「緊張はせず、軽かったんですけどね、ホームからも行けるくらい。前があんなに踏み合ってるのに力がない」
↑ページTOPへ
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.