『松山競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:3月9日
 松山競輪開設64周年記念「金亀杯争覇戦」が3月9日、4日間の熱戦に幕をおろした。準決勝を待たずに地元勢は敗退という残念な結果に終わったが、深谷知広、新田祐大に川村晃司と決勝戦では豪華メンバーが激突。川村のカマシをまくる新田、迫る深谷。ハイスピードバトルを制した新田が今年初優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 周りの動きをうかがいながら深谷知広が出るが、新田祐大が深谷を交わして誘導の後位に入る。新田―齋藤登志信の前受けで、以下の隊列は深谷―小野俊之、川村晃司―伊藤保文、東龍之介―川崎健次―中村浩士で周回を重ねる。
 赤板手前から上昇を始めた東が、川村にフタをするように併せ込む。東の動きを見て3番手の深谷は、2コーナーから先に動き新田を押さえて打鐘。東もすかさず踏んで、深谷を叩いて主導権。東に川崎―中村まで出切り深谷が4番手に下げると、最終ホーム手前から8番手の川村が仕掛けて出る。川村―伊藤を新田が離れながら追走するが、齋藤は付け切れない。
 2コーナーで川村があっさり逃げる東をとらえるが、そこに新田のまくりが襲い掛かりバックを通過。外が空いた深谷もようやくまくり発進。抜群のスピードで新田が京都勢をとらえて直線へ。グングンと加速する深谷が新田に肉迫するが、新田が半車輪凌いで優勝。川村に付けた伊藤が3着に入る。


新田祐大選手
新田祐大選手
 今年初、そして記念では昨年5月の別府以来となる優勝。「久々ですね」。開口一番、新田祐大(写真)は安どの表情を浮かべる。
 レースは激しいスピードレースになった。先に動いた深谷知広を東龍之介が叩くと、ホームからは川村晃司がカマシ先行。その上をまくった新田に、ゴール前は深谷が肉迫してきた。「誰か来たのは分かったけど、深谷強いですね。末が甘いです」とはいえ、深谷を振り切っての記念優勝。「100点満点のレースではなかった。体はよかったけど、結果がついてこなかった」と振り返る全日本選抜のリベンジ。名古屋ダービーを前に最高の弾みをつけた。
 「調整を失敗しないように。ベストで走れる状態で来る。できることを全てパーフェクトの状態にして名古屋に入りたい」
 今日対戦した深谷、そして武田豊樹や平原康多らとの対戦が早くも楽しみになってきた。

 猛然と新田に迫った深谷知広だが、わずかに届かず2着。
 「届かなかったですね。あと数mあれば…。バックでもうキツかったです。新田さんに付いて行こうと思ったけど、齋藤さんが付いてきて締めこまれたらと思ったら付いてきてなかった。今回はオーバーワークで入ったんでやったほうですね。ダービーに向けて、いいアタリをつかむことができました」

 川村がカマした段階で、京都コンビは決まったと思っただろう。しかし、新田、深谷のスピードが違いすぎた。3着の伊藤保文は「あの2人のスピードは異次元やったわ。頭一発じゃ止まらない」と呆然。しかし、最後は「大きな声では言えないけど、これで競輪祭ゲットだぜ」と笑顔を見せた。

 川村晃司の仕掛けもドンピシャだった。
 「1~2(コーナー)の休みたいところで休めなかった。でもバッチシのところで仕掛けて負けたら仕方ないですね」

 東龍之介は「前の2人が意識し合ってくれればと思って川村さんにフタをした。先に深谷か新田さんが来れば、そこで勝負だと思ってたんですけどね。チャレンジャー精神で力の差と雰囲気を味わえました」と初めての記念決勝を振り返った。
ゴール
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