『久留米国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)レポート』 2日目編

配信日:3月21日

 久留米競輪場で開催されている第10回「国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)」は3月21日に2日目が行われた。前半のガールズケイリンは石井寛子がただひとり連勝で勝ち上がり、完全優勝に王手をかけた。男子は準決勝3個レースが争われ、菅田壱道に阿竹智史、岡村潤らベストナインが出そろった。22日の最終日はガールズケイリン、男子ともに決勝戦が行われる。

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山口伊吹選手
山口伊吹選手
 打鐘まで動きはなく、最後方の日野未来が踏み上げる。前受けの太田りゆがこれを受けて2番手にはまり、最終1コーナーからまくり上げるが、2コーナーからまくった山口伊吹(写真)が直線で鋭く抜き去った。
 「初日に失敗していたので、車間を切っていければと思ったら、ヨコに(南)円佳がきたので、焦っちゃいました。(南に)下がって下がってと思っていました。脚はいいと思います。仕掛けたときに行けるかなって感じはあった。一応、納得のレースです」
 後方から踏み上げた南円佳は最終ホームで外併走の状態になったが、山口を追いかけながらまくって2着に。
 「先に前に出ようと思ったけど、先に動かれてしまった。併走になって飛んじゃうと思ったけど、落ち着いて走ろうと。回せていたので、(山口の)踏み出しに付いていけたのかな。いい感じで付けて踏み遅れないように意識した」
 太田りゆは山口と南に飲み込まれて3着に沈んだ。
 「キツかった。4コーナーでいっぱいいっぱいでした。今まで前を取るパターンがほぼなくて、新しいパターンを見せられたと思う。位置取りをするのは大事なことなので、良かったのかな。前とのスピード差を感じて瞬時にまくったけど、400バンクで競技と違い外で、ギヤも軽いことも考えると持つところから仕掛ければ良かったかなと。そこは調整したい」


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石井寛子選手
石井寛子選手
 打鐘過ぎに誘導が退避したあともレースは動かない。スローペースのまま前受けの清水彩那が先頭で最終ホームを通過。林真奈美が2コーナーの下りを使ってスパート。その外をすかさず踏み込んだ石井寛子(写真)が林との力勝負を制して連勝を飾った。
 「(林)まなみんがSかなと思ったけど、(初周の並びは)違いましたね。(自分は)何番手でも行けるところからまくろうと思っていました。昨日(初日)よりもいいけど、思ったより進んでいない。合わされたし、ゴールでギリギリでした。決勝は遅いレースになるので、ゆっくり調整できるからいいですね。(連勝は)すごくうれしいです」
 林真奈美は石井よりも先に仕掛けたが、ゴール前で交わされた。
 「寛子さんが近くにいたけど、ギリギリまで引き付けるよりは、踏むところを考えて行きました。寛子さんはダッシュもあるし、行かれると、飛び付く距離ではないと思った。自分が重いのか、バンクが重いのか、分からないですけど、まだかみ合ってない。その中では全力を出せました」


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阿竹智史選手
阿竹智史選手
久米康平選手
久米康平選手
 後ろ攻めの久米康平が赤板前に上昇すると前受けの竹内雄作はすんなり車を下げる。山岸佳太が赤板の2コーナーで久米を叩いて出るが、打鐘で竹内が一気に巻き返して主導権を奪う。最終ホームで山岸が番手に飛び付き1センターで柴崎俊光を押し上げて落車するアクシデント。これを避けた久米が鋭いまくりで竹内を抜き去る。続いた阿竹智史(写真)がゴール前で逆転した。
 「ずっとハイペースだったので、キツかったですね。下手に前を取るよりかは動かした方がいいと思ったから後ろ攻めだった。中3日での参戦なので、ちょっとしんどいですね。いつもは得意だけど、中間速がしんどい。最後はそうでもないけど。前回もそうだけど、連続優勝は意識していない」
 冷静に戦況を見極めてからまくった久米康平(写真)が2着。先輩の阿竹と初めてワンツーで笑顔を見せた。
 「ジャンからキツかったけど、これだけキツいとどこかで緩むと思っていたし、そこの一発目の緩みを逃がさずに仕掛けようと思っていました。車間も空いていて、いい具合に竹内さんの後ろに入っていくような感じになった。阿竹さんと初めてワンツーでうれしい。いつも僕が残れなかったので。車も出ているので脚の状態はいいと思います」
 志村太賀は2センターで内を突いて3着に。
 「アクシデントがあったけど、山岸君の飛び付きは巧かったと思う。バックで村田(雅一)君がヨコにいたからどかして自分の位置を確保した。2センターぐらいから武田(豊樹)さんが徳島勢にスイッチするような感じで外を踏んだので内を踏むしかなかったですね」


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菅田壱道選手
菅田壱道選手
竹内翼選手
竹内翼選手
 前受けの早坂秀悟が近藤夏樹の上昇を阻んで赤板過ぎに突っ張る。近藤は3番手の外で粘って竹内翼と併走に。早坂は打鐘からペースアップ。最終ホームで菅田壱道(写真)のけん制を受けた近藤は後退する。早坂との車間を空けていた菅田が2センターから早めに追い込み、先頭でゴールを駆け抜けた。
 「昨日(初日)の反省をして、2車でもしっかり車間を空けて近藤をにらみつつ、後ろの竹内はすくってこないだろうと思っていたけど岡村さんがすごい勢いで来た。自分は1着を取らないといけないし、ワンツーできれば良かったけど、ライン2車でやれることは精いっぱいやりました」
 岡村潤は内に切り込んで最終バックで宮城コンビの後位にスイッチ。そのまま2着に流れ込んだが、レース後は反省の弁を述べる。
 「(東)龍之介が前で頑張ってくれているのに、申しわけなかった。想定外で迷って迷って。やりたいことと違うレースで、展開でああなってしまった。我慢して我慢してでした。感じは問題ないです」
 竹内翼(写真)は仕掛けることができなかったが、位置にこだわり、GIIIで初の決勝進出を果たした。
 「(早坂が)車間を空けていたし、行ったら合わされると思って。何もしていないけど、岡村さんに来られた後は内を締めて行かれていないし、余裕はあった。後ろの加倉(正義)さんに申しわけないことをしてしまった」


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南修二選手
南修二選手
櫻井正孝選手
櫻井正孝選手
 中団から先に切った櫻井正孝を藤井栄二が押さえて先行態勢を取る。櫻井が4番手に収まり、前受けから下げた河村雅章が8番手の1本棒で打鐘、最終ホームを通過。2コーナーからまくった河村に合わせるように櫻井も3コーナーからまくる。番手で車間を空けてけん制してから追い込んだ村上義弘は伸びを欠き、近畿ライン3番手の南修二(写真)が中を鋭く伸び切った。
 「前の2人のおかげです。悪くはないです。(前回の)小田原を走って感じたことを今回の前検日に(セッティングを)いじったら最近の中で一番いい感じになりました」
 動いて位置を取ってからまくった櫻井正孝(写真)が2着に食い込んだ。
 「脚を使って位置を取っているので、道中は重かったです。前がかかっていたし、風もあったんでキツかったです。余裕はなかったですね」
 3着の藤井栄二は2日間、持ち味の先行勝負でGIII初優出を果たした。
 「ラインのおかげです。バンクは軽くなかったけど、決勝に乗れてるんで悪くないと思います。決勝もいつも通りしっかり自分のレースをしたいと思います」