『久留米競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:6月27日

 久留米競輪開設72周年記念「第27回中野カップレース」(GIII)が6月27日に2日目が行われた。二次予選7個レースをメインに熱戦が繰り広げられた。最終12レースはS班の清水裕友が9着に敗れる波乱。佐藤慎太郎に吉田拓矢、山田英明、稲川翔らの実力者は順当に勝ち上がった。3日目の28日はファイナル進出をかけた準決勝3個レースが争われる。
 今シリーズは有観客での開催となります。入場の際に検温を行います。体温が37.5度以上の方の入場はお断りします。場内では必ずマスクをご着用ください。場内滞留者が1,200名を超えた時点で入場制限を行い、その日の新たな入場はお断りします。感染症対策にご協力ください。

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香川雄介選手
香川雄介選手
 後ろ攻めの皿屋豊は中団の取鳥雄吾にフタをしてから打鐘前に井上昌己を押さえる。すかさず反撃に出た取鳥が最終ホームで皿屋を叩いて先行。これで絶好となった香川雄介(写真)が鋭く差し切り、久々の勝ち星を挙げた。
 「(取鳥)雄吾のダッシュなら出切れると思ってました。出し惜しみなく、行ってくれました。あとは自分が追走できるかどうかでしたけど楽でした。しっかり踏み直してましたし、抜くのに手こずりましたね。強かったです。久しぶりの1着なんでうれしいです」
 取鳥雄吾が力強い逃走劇で2着に粘り、中四国ワンツー決着となった。
 「(初手は)中団か前、どこでも良かったです。皿屋さんが出たところをすかさず叩いて先行しようと思ってました。ちょっと引くのが遅くなりましたが、(打鐘の)4(コーナー)の下りを使って何とか出切れました。1着を目指していたけど、ラインの香川さんに抜かれるのは仕方ない。何か力が入りづらい感じはしますが、昨日(初日)よりも良くなってます。明日(3日目)はさらに良くなると思います」


<7R>

稲川翔選手
稲川翔選手
 後ろ攻めの野口裕史が中団の寺崎浩平にフタをしてから赤板過ぎに踏み上げる。前受けの嘉永泰斗が後位に飛び付いて前団がもつれると、寺崎がすかさずスパート。打鐘の4コーナーで野口を叩いて逃げる。これで絶好となった稲川翔(写真)が車間を空けてから追い込んだ。
 「寺崎が力を出し切ってくれれば問題ないと思ってました。昨日(初日)のレースがあったので、今日(2日目)は自分がしっかりしないとって。ワンツー決められたら良かったんですけど。嘉永君が冷静でしたね。(松岡)貴久の動きが不気味だったので、内は空けられないし、車間を切ったら後ろを連れ込む可能性もあるかと。寺崎が気持ちを入れて走ってくれた分、僕の目を覚ましてくれたなって思う」
 野口の番手を奪った嘉永泰斗は最終ホームで近畿コンビの後位にスイッチ。稲川に続く形で2着に入った。
 「(野口が)叩きにくるのが遅かったらハコを狙うって感じでした。昨日(初日)よりは体の動きも良かったです。日に日に良くなっていると思う。記念の準決勝は初めてです。疲れを抜いて明日(3日目)に備えたい」


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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 後ろ攻めから上昇した岩本俊介(写真)を前受けの佐々木豪が赤板過ぎに突っ張る。そこを原口昌平が打鐘前に叩いて逃げる。佐々木豪が4番手に収まり、岩本は7番手に置かれる。佐々木が2コーナーからまくり上げるが、その外をまくり追い込んだ岩本が1着。上がり10秒5の驚異的なタイムを叩き出した。
 「(上がり10秒5のタイムは)条件がそろえばね。いい思い出になりました。(佐々木豪に)突っ張られて、(佐々木)雄一さんが位置を作ってくれた。ジャン過ぎに行くタイミングはあったけど、行けなくて一番、最後の仕掛けになってしまった。タイムが出てるのは結果的に前が仕掛けてくれているから。いい内容ではないですけど、結果は出ました」
 しっかり位置を取ってまくった佐々木豪は2着。
 「岩本さんを突っ張ってしまえば、あと飛んでくるのは原口さんだけ。原口さんも緩く来たので、(突っ張るか)迷いました。末はちょっとキツい感じがします。岩本さんが強いですね。組み立ては良かったと思うし、気持ちで乗り越えられています」


<9R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 後ろ攻めから上昇した野田源一を前受けの片岡迪之が赤板過ぎに突っ張る。打鐘をめがけて眞杉匠が一気に仕掛けると、片岡が後位に飛び付く。最終ホームで片岡を内に押し込んで番手を死守した吉田拓矢(写真)が直線鋭く追い込んで連勝を飾った。
 「片岡さんに来られたところも落ち着いて対処できました。眞杉もかかっていたので、まくられる感じはしなかった。後ろが野田さんだったので、あとはどこから来るかなって。眞杉が3着になってしまったので申しわけなかった。人の後ろで緊張したけど、脚の感覚はいいですよ。明日(3日目)も与えられた位置でしっかりやりたい」
 片岡に突っ張られた野田源一だが、打鐘前から内をすくって最終的に吉田の後位をキープ。吉田に続いて2着に入った。
 「僕が突っ張られて引く前に、眞杉君がカマシに行ってました。すかさず内へ行こうと。行けるところまでもぐって行こうと思いました。片岡君が前々に行ってくれたおかげで、僕らにも展開が向いた。体は反応しているし、動きはいいと思います」


<10R>

田中誠選手
田中誠選手
 恩田淳平、箱田優樹で切った上を山田英明が打鐘前に叩いて先行態勢を取る。山田が軽快に駆けて、完全に九州勢のペース。番手絶好となった田中誠(写真)が粘る山田をゴール前で逆転した。
 「(山田英には)付きにくかったですね。入られかけて、ヤバイと思いました。箱田(優樹)は来ても俺のところくらいまでかなって。その後ろの(菅田)壱道のほうが怖かった。番組には恵まれているけど、ちょっと緊張しますね。脚は重く感じてます」
 2着の山田英明はラインを上位独占に導く先行策を披露した。
 「地元のメインを付けてもらって、うれしくて、やる気も出ました。展開を作るというか、緩んだところでしっかり行こうと思ってました。誰か来たら出して3番手でもいいと思っていたけど、来なかったので腹をくくりました。もう少し粘れるかなって思ったんですけど、(田中)誠ちゃんも脚を上げてますからね。地元の選手を付けてラインで決められたので満足してます。自分の調子はちょっとずつ上がってきています」


<11R>

門田凌選手
門田凌選手
 赤板の1コーナーで飛び出した菊池竣太朗に成松春樹が打鐘から襲いかかる。マークの山口貴嗣は離れて、菊池が後位に収まるが、後方7番手となった森田優弥もすかさず反撃に出る。森田が最終2コーナーで成松を抜き去るが、このラインの4番手にスイッチした門田凌(写真)が直線で外を鋭く伸び切った。
 「車番が良くなかったので、後ろよりは前の方がいいかなって。あそこ(最終2コーナーで)スイッチできたので思いのほか、状態はいいのかな。体が反応している。あとはバックで詰まった時に仕掛ける勇気と脚が課題ですね。前回から新車に換えて先行した時以外は全部感じがいいです」
 ロングまくりの森田優弥はマークの佐藤慎太郎には抜かれなかったが、門田の強襲に屈して2着。
 「山口さんが遅れていたので、タイミングが狂いました。先頭まで長くて出切るのが遅くなってしまった。出切ってからはしっかり踏み込めました。門田さんが強かったです。力負けしました。状態面は悪くないけど、しっくりこないのでハンドル回りをいじろうか迷っています」


<12R>

笠松信幸選手
笠松信幸選手
 山本紳貴、清水裕友の順で切って打鐘を迎えると、嵯峨昇喜郎が一気に踏み込んで先頭に立つ。前受けから後方まで下げた稲毛健太もすかさず巻き返し、最終ホームで嵯峨を叩いて主導権を取る。5番手からまくり上げた清水裕友は1車しか進まず不発。4コーナーを絶好の番手で迎えた笠松信幸(写真)が粘る稲毛をきっちりとらえ、4カ月ぶりの勝ち星を挙げた。
 「(稲毛に)付いてて脚がいっぱいでした。もうちょっと余裕があればいいんですけど、なかったですね。でも、感じはいいです。ハンドル回りをいじって、だいぶ良くなりました」
 稲毛健太が2着に逃げ粘り、中近ワンツー決着。強気の攻めが功を奏した。
 「積極的に行こうとは思ってました。もうとりあえず自分のレースをしようと。(嵯峨昇喜郎と)もがき合いになるかと思ったけど、あそこで行かないと清水に行かれてしまうので。出切ってから後ろは分かんなかった。千切れるだけ千切ってと。もう少し余裕があれば踏み直せるのかなって思います」