『久留米競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:6月29日

 久留米競輪開設72周年記念「第27回中野カップレース」(GIII)は6月29日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は単騎でまくった吉田拓矢が昨年12月の佐世保以来、通算2度目の記念制覇を果たした。3Rに行われたレインボーカップA級チャレンジファイナルは山川奨太が優勝。2着の湯浅大輔、3着の中村隆生の3人がA級2班への特別昇班を決めた。

決勝戦 レース経過

 号砲で大外から取鳥雄吾が勢い良く飛び出して正攻法の位置を確保。取鳥-桑原大志、山田英明-吉本卓仁、岩本俊介、吉田拓矢、稲川翔、門田凌-香川雄介で隊列はまとまり周回を重ねる。
 青板2センターに入ったところで門田が上昇を開始。赤板1コーナー過ぎに前団を押さえて前に出ると、この上を山田が一気に叩いて先行勝負に出る。九州両者には俊敏な追い上げを見せた稲川が続く。山田が駆けていく中、打鐘3コーナー6番手から取鳥が反撃を開始。最終1センターで山田の抵抗をねじ伏せた取鳥の先頭に変わり、中国コンビの仕掛けを反応良く追った吉田が3番手に。取鳥、桑原と出切って、まだ内に山田が残っている2コーナーで吉田はまくって出る。桑原が懸命なブロックで止めようとするが、バックで自らバランスを崩して落車。山田を捨てて切り替えてきていた吉本、稲川も巻き込まれる。吉田は冷静に取鳥の後ろに降り、両者を少し離れて山田、門田、香川、岩本が追う態勢で直線へ。粘る取鳥をゴール前で抜き去った吉田がV。大外強襲の門田が2着に突っ込んだ。


吉田拓矢選手吉田拓矢選手
 S級S班が不在となった決勝戦。最終バックで3人が落車するアクシデントもあったが、単騎の吉田拓矢(写真)が力強いまくりで混戦を断ち切った。昨年12月の佐世保に続き、同じ九州の地で2度目の記念優勝を決めた。
 「取鳥(雄吾)君のラインに付いていって、2コーナーで仕掛けて行った時にいけるなって思いました。落車があって手放しでは喜べないですけど、勝てて良かったです。九州は相性がいいと思います」
 準優勝と大活躍した高松宮記念杯から中4日で迎えたシリーズ。コンディション作りに苦しむ選手が多い中で、初日からオール連対としっかり結果を出した。
 「今回は脚は問題なかったけど、疲れがありました。気持ちも疲れてましたね。昨日(3日目)よりはマシになったんですが、体は重かったです。このあとはサマーナイト、オールスターがあるので、そこに向けて一走、一走、しっかり走っていきたい」
 ビッグタイトルまであと一歩のところまで来ている。関東勢は平原康多だけではない。パワーアップした吉田が責任感のある走りでラインをけん引する。

 最終バック7番手から落車を避けて伸びた門田凌が2着に入った。
 「作戦は特に考えていなくて、車番的に後ろになったので、1回動きました。(吉田)拓矢にスイッチしていかないといけないのに、見てしまった。脚がないし、それがいまの課題です。競輪祭の権利が取れたのは良かったです」

 取鳥雄吾は打鐘過ぎからのロングスパートで山田をねじ伏せたが、末を欠いて3着に敗れた。
 「前受けから力勝負しようと思ってました。(山田)ヒデさんが行って、一瞬、見てしまったんですが、仕掛けて出切れたのは良かったです。桑原(大志)さんの気持ちに応え切れなかったですね。なかなか勝たせてもらえないんですが、くじけずに頑張ります」





3R レインボーカップA級ファイナル

 レインボーカップA級チャレンジファイナルを制したのは山川奨太(写真)だ。レースは中村隆生が打鐘前から逃げる。5番手を確保した山川は最終バックから痛烈なまくりを決めた。
 「大方、予想した通りの展開でした。流れが遅かったぶん、最初は4番手にいたけど後方になった。でも、これ何人か飛ぶなって思って。最終バックではまくり頃の位置にいれた。菅田(謙仁)さんのスピードをもらいながら、外をスーッと伸びた。なんとなく(前団を)乗り越えられる感じはありました。最後までしっかり踏み切れました。将来的には一番上の一発勝負を走りたい。2、3年後には熊本競輪が再開されるのでその頃にはS級で活躍していたいです」

山川奨太選手山川奨太選手
 3番手確保からまくった菅田謙仁は不発。そこから山川のまくりに切り替えるように追い込んだ湯浅大輔が2着に入った。
 「全部、菅田君のおかげです。任せて正解でした。前を取って、しっかり位置を取って仕掛けてくれました。(菅田が)3コーナーでブロックされて、どうしようか迷ったんですが、1番(山川)がまくってきたので、付いて行きました。しっかり脚をためられて、2着まで届いて良かったです。この結果はうれしいです」

 逃げた中村隆生がしぶとく3着に粘り込んだ。
 「力を出し切れるようにとは思ってました。自分から動いて出て、後ろ(3番手)が併走になっていたので、あとはカマシだけ気をつけて駆けようと。キツかったけど、3着に残れたのは良かった。自分の中ではしっかり評価したいです。1、2班戦もしっかり出し切るレースをします」




次回のグレードレースは、「阿波おどり杯争覇戦」が小松島競輪場において7月1日~4日の日程で行われます。
現在賞金ランキングトップの松浦悠士、先日117期初のGIII優勝を果たした町田太我をはじめ、地元勢の小倉竜二、阿竹智史、原田研太朗、小川慎太郎、太田竜馬に注目です。
6月21日時点の出場予定選手データを分析した、小松島競輪GIII「阿波おどり杯争覇戦」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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