『久留米競輪場開設58周年記念(GIII)レポート』 2日目編
配信日:12月22日
開催2日目を迎えた久留米競輪開設58周年記念『中野カップレース』は朝から小雨交じりの強風とあいにくのバンクコンディションとなった。11Rの優秀戦(久留米つつじ賞)をメインに二次予選A、Bでも準決勝進出を賭けた激しいバトルが続いた。勝ち上がって喜ぶ選手がいれば、負けた悔しさをあらわにする選手もおり、検車場からナマのレポートをお届けします。
開催3日目のファンサービスは盛りだくさん。緒方浩一氏の今日の狙い目大予想(8レース終了後)、仮面ライダー電王ショー(1回目11時より、2回目14時より)、『タカシェンカ』によるジャグリングショー、キッズコーナーでは射的、わたがし、ポップコーン等のサービスがあります。是非本場で迫力あるレースをご堪能下さい。
4日間通して行われるサービスは久留米競輪情報協会早朝予想会が10時より、毎日先着1008名様にラッキーカードの配布があります。
<5R>
富弥昭選手
準決勝への狭き門となる二次予選Bは5レースからスタート。最終バックは八番手と最悪の展開を克服して、大外を突き抜けたのは
富弥昭(写真)
だった。
「ホームで行きかけたら、4番(浦川尊明)の追い上げが目に入って、バックで行きかけたら原(司)君のブロックが見えて(笑)。仕掛けるのがだいぶ遅れましたね。いやぁ、久し振りの1着、多分7月以来じゃないかな」
2着は山田英明の先行に乗った
原司
。鷲田佳史のまくりは止め切ったが、富の強襲に屈した形となった。
「浦川君がいたので、鷲田君のまくりに気付くのが遅れてしまって…。半車身くらい出られてからやっと止めた感じだね。あのあたりでもっとキッチリ止めなければというのが反省点ですね。山田君を少しでも残してあげたかったが…」
<6R>
松田治之選手
6レースも七番手に置かれた
松田治之(写真)
がバックまくりで逃げる小岩大介を飲み込み、初日に続いて連勝で準決A行きを決めた。
「前を取って引いてのまくりはA級時代の勝ちパターンでしたね。1番人気だったんですか?、オッズ見てなくて分からんかった(笑)。(賞金ランクでの)ダービーが見えた?。いやいや、明日は相手も強いし、その事は考えずに」
2着は巧者
疋田敏
が松田に食い下がり流れ込み。初日同様に展開の利を強調する。
「連日展開が向いてるね。松田は強いから付いていくので一杯でしたよ。吉岡(稔真)が来てて『がんばれ』と言ってくれてたので、気合も入りましたよ」
<7R>
田中誠選手
二次予選B最後となる7レースは、田中誠率いる九州勢が最終的に主導権を取りきった。まくって快勝した
田中誠(写真)
は笑顔でレースを振り返る。
「押さえられて後方になったけど、他の選手の動きも見えてたし、落ち着いて仕掛けられました。初日と比べると数段手応えは良かったです。記念の準決Aは初めてだし、地元記念で勝ちあがれて最高ですね」
田中に迫ったのはベテランの
佐々木昭彦
。小さなファイターは健在だ。
「いやぁ、キツかった。ギヤを掛けてるから風が強いと苦しいよ。打鐘の四角で行くと思ったら行かずでバック踏まされて、その後の仕掛けで離れかけたよ(笑)。もう少し軽いフレームに換えてみます」
<8R>
中村一将選手
8レースからは二次予選A。最終周回には車体故障、ゴール後に落車とアクシデント続きだったが、落車した
中川誠一郎
は軽傷で影響はなさそう。
「全く影響ないという事もないけど、大事には至ってません。最終的にカマシ先行の作戦でした。中村(一将)さんに出られたけど、余裕あったし落ち着いて踏み込めました。森内(章之)さんとワンツーで良かった」
2着ゴールの
森内章之
も落車したが、中川同様にケガの心配はなさそう。
「中川君はホームで流してたけど、結果的には(中川が)最後まで踏めたし良かったよ。ゴール前で中川君に締め込まれたからね(笑)。落車は問題ないと思いますよ」
熊本コンビに追い込まれたが、ホームからの仕掛けで出切った
中村一将(写真)
のスピードは良かった。
「感じはいいですよ。石丸(寛之)さんと並んでも行ける気がした。久し振りの記念で上に勝ち上がれてるので嬉しいです」
<9R>
白戸淳太郎選手
続く9レースは
藤田竜矢
が打鐘からのペース先行で別線を完封。自身はゴール前で末を欠いたが、最終バックのかかりは抜群だった。
「駆け出しのホームが向かい風だし苦しかった。何とか粘りたかったが、四角回って再び向かい風で止まっちゃいました」
藤田を残し気味に踏み込んだ
阿部康雄
は白戸淳太郎の強襲に屈して苦笑い。
「藤田君がかかってたし、まくりは来ないかなと…。白戸君は脚があるから突き抜けられちゃったね。富永(益生)君にまで行かれて3着かとあせったよ」
突き抜けた
白戸淳太郎(写真)
だが、絶好調という手応えではなさそう。首を傾げながらのクールダウン。
「1着取ってるけど、良いって感じでもないですね。それでも初日よりは重くなかったので、尻上がりに軽くなってくれればいいが」
<10R>
荒井崇博選手
10レースは人気の
荒井崇博(写真)
が力でねじ伏せて快勝。初日はゴール前の粘りを欠いたが、不安を一掃した。
「まだ肩に力が入りきらないんだが…。自力で勝てたし悪くはないと思いますけどね」
一旦は荒井から離れながらも、立て直して3着ゴール。準決Aへ勝ち上がった
小野俊之
だが、さすがに表情は冴えない。
「脚は仕上がってなくても、身体の反応さえ良ければ荒井君を追えるはずなんだが、今はそれも無理。これは自分自身の課題ですね。最後も踏み込んでいるが、自分で納得する伸びでは無かったね」
<11R>
神山雄一郎選手
武田豊樹選手
最終11レースは地元勢対武田豊樹の様相だった。前受けの
梶山裕次郎
が、赤板で押さえてきた武田を突っ張って全開でフカした。
「地元の大先輩が付いてたし、主導権だけは取らないとね。武田さん相手で厳しかったけど、後ろの二人が準決Aに勝ち上がってくれたし、最低限の仕事はできました」
武田に出られると、武田後位にスイッチを計った
紫原政文
だったが、神山雄一郎のテクニックに翻弄された。
「切り替えて神山君に当たろうと思ったら、武田君の車輪に差し込んで当たれないように走ってましたよ(笑)。あれじゃ無理…。ヨコに並んでても神山は余裕だったように感じた」
紫原後位から差し脚を伸ばした
加倉正義
が2着に入り地元の面目を保った。
「3コーナーから四角までコースが無かった。無理に突っ込むと危ないしね。待ってから踏んだ分、あそこまでかな」
勝ち切った
神山雄一郎(写真)
は連勝で文句なしの準決A行きを決めた。
「悪くは無いが、ちょっと脚にくるのが気になるね。もっと楽に踏み切れればベストと言えるんだが。武田君はいいスピードでしたよ。雨走路だからタイヤがハネて厳しい中を乗り越えて行ったね。外併走はキツかったけど、凌ぎ切れました」
3着ながら地元勢を力で粉砕した
武田豊樹(写真)
もデキは良さそう。地元勢の前受けに戸惑いはあったようだが…。
「僕がスタート取って、地元が押さえてくる展開を考えてたのでね。突っ張るのか、イン粘りなのか判断に迷ったけど、やっぱり突っ張りでしたね。立て直して踏み込んだ感触は悪くないので、準決も頑張れそうです」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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