『久留米競輪場開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:12月23日


 久留米競輪・開設58周年記念「第14回中野カップレース」は開催3日目を迎えた。厚い雲に覆われたが、雨の心配はなく、2日目よりはコンディションに恵まれ、決勝進出を賭けた激しいバトルが繰り広げられた。決勝のベストナインも決まり、美酒に酔うのは誰か?。準決での攻防を検車場よりお届けします。
 最終日は祝日と重なり、イベントも盛りだくさん。ミスター競輪「中野浩一氏」の中野カップ優勝戦展開予想!!(第8レース終了後)。爆笑ライブは11時からと14時からの2回。ハイキングウォーキングとブー&ムーが出演。「タカシェンカ」によるジャグリングショー、キッズコーナーでは射的、わたがし、ポップコーン等のサービスと家族みんなで楽しめます。
 4日間通して行われるサービスは久留米競輪情報協会早朝予想会が10時より、毎日先着1008名様にラッキーカードの配布があります。迫力満点のレースを是非本場でお楽しみ下さい。


<8R>
栗田雅也選手
栗田雅也選手
   決勝へたったひとつの椅子しかない準決Cは8レース。藤田竜矢と栗田雅也の真っ向勝負に梶山裕次郎の自在戦が焦点となったが、冷静な走りで栗田雅也(写真)が豪快にまくって圧勝。久し振りの記念決勝進出を決めた。
 「もつれて恵まれましたが、落ち着いて走れましたね。梶山君のイン粘りで、まくるには最高の形になりましたからね。あの展開は得意です(笑)。記念の決勝は今年はない。昨年の静岡以来になるのかも」
 即席ラインながら栗田を盛り立てた西村正彦がキッチリ食い下がって2着をキープ。優参こそならなかったが、堅実な走りを見せた。
 「梶山君が粘って栗田君も仕掛け易くなったんじゃないかな。抜けなかったか? あれを抜けるぐらいなら、僕は110点を超えてますよ(笑)」
 イチかバチかのイン粘りに出た梶山裕次郎だったが、番手は取り切ったものの、栗田のまくりには対処できなかった。
 「あそこ(打鐘)で引いたらもうムリでしょう…。番手に入ってからの脚が足りないですね」


<9R>
太田真一選手
太田真一選手廣川貞治選手
廣川貞治選手
   続く9レースは2着権利の準決B。一旦は七番手に置かれた成田和也が一気のまくりで前団を仕留めた。しかし、ゴール前は粘り切れず3着で優参を逃した。
  「突っ張りも考えたが…。前田(拓也)さんの切り替えもあったので、後方からの仕掛けになっちゃいましたね。スピード自体は良かったと思うが…」
  その成田に乗った太田真一(写真)は、久々に記念の舞台での活躍に満足そう。成田を残し気味に踏んだため、廣川貞治の強襲にあったが、決勝進出に満面の笑顔。
  「追加で決勝なんて、こんな事もあるんですね。成田君は踏み出しがいいから、一瞬離れたけど、追い付く自信はありましたよ。僕は番手だから残し気味に踏むのは仕方ない。まあ、廣川さんは目一杯踏まないと決勝に乗れないから、ああなっちゃったね。これでダービー出場が濃厚になってきた」
  三番手から突き抜けた廣川貞治(写真)は、前の2人に感謝しながらクールダウン。こちらも追加参戦で優参と流れがいい。
  「僕は必死に踏まないと決勝に行けないから(笑)。この後の地元立川グランプリシリーズに備えての練習の成果が出てるのかな。これで気持ちよく立川入りできますよ」


<10R>
三宅伸選手
三宅伸選手
紫原政文選手
紫原政文選手
   10レースからは3着権利の準決Aだが、強豪ぞろいだけに、実力者とて油断は禁物。荒井崇博がカマシを決め、九州で上位独占かと思われたところをまくったのは三宅伸(写真)
  「富(弥昭)は、今まで随分行ってくれてたからね。僕が前の時はせめてまくり上げないと(笑)。踏み出しの瞬間には集中したが、出切ってからは惰性。2日目に脚を使ってなかったから、貯金が残ってたかな(笑)」
  三宅マークの富弥昭は紫原政文のブロックで外に浮きかけながらも、堪えて3着。三宅さまさまの様子でレースを振り返る。
  「三宅さんは強いですわ。ギヤを落としてたからどうかなと思ってたけど、凄かった。紫原さんに当たられて苦しかったけど、何とかね」
  地元の面目を保った紫原政文(写真)だったが、九州で上位独占できなかっただけに、表情は曇りがち。
  「荒井は1周駆けになったから、バックで流してるところを行かれてしまった。スピードが違ったとはいえ、ブロックできてれば九州で上位独占もあったし、荒井君にも加倉(正義)君にも申し訳なかった。僕自身の体調は良さそうです」


<11R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
武田豊樹選手
武田豊樹選手

 
 最終11レースは中川誠一郎(写真)が主導権を取ったところを中村一将が強引に叩くと、中川は番手にはまり、返す刀で番手まくり。
  「森内(章之)さんの援護のおかげで1着を取れました。今日は先行するつもりで走った。結果番手に入れて、3コーナーまで一息入れてそこから一気に踏めた。本当は僕が先行して残れなくても、他の九州の3人が勝ち上がってくれればいいくらいの気持ちでした」
  3着ながらこちらも優参を果たした森内章之は嬉しそう。巧者ぶりを発揮して中川をうまくリードした。
  「中村(一将)君は一人だと確認できたから、中川君をうまく引き込めたね。3コーナーでは中川君に差し込むくらい余裕あったが、騙されましたよ(笑)。そこから一気に加速していったもの」
  中川の番手まくりの外を踏み込んだ武田豊樹(写真)が2着強襲。ラインで上位独占を狙っていただけに、残念そうな表情を浮かべる。
  「中村君に長谷(俊昭)さんが付いていってれば、中川君も厳しかったはず。そうすればそっくりまくれたと思うが…。理想は神山(雄一郎)さんと一緒に決勝に乗りたかったですね。今シリーズは1着こそないが、僕の調子は良い手応えですよ」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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