『東日本大震災被災地支援競輪 久留米競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月20日
 本日で3日目を迎えた「東日本大震災被災地支援 久留米開設62周年記念 第18回中野カップレース」。雪がちらついていた昨日までとはうって変わって晴天に恵まれた1日となりましたが、レースの方も好勝負の連続。メインの準決勝3レースでは実力上位同士の決着あり、波乱ありとどのレースも実に見ごたえ十分でした。明日はそんな激戦の準決勝を潜り抜けた9選手が激突する決勝戦。ミスターケイリン・中野浩一氏の名を冠した大会で、その名を引き継いでいくのは一体誰なのでしょうか。
 そして、明日はなんと、JRA騎手の武豊氏が来場します。競輪通としても知られる同氏だけにどんなトークを繰り広げてくれるのでしょうか。また、スピーチーズのステージショーもありますので、こちらも必見ですね。
<1R>
高峰賢治選手
高峰賢治選手
 吉田の捲りに乗って直線追い込んだ高峰賢治(写真)が1着。
「やっぱり、吉田君はツボにハマると強いですね。僕として差せてよかったかなという感じで、踏み出しで離れそうになってしまったのが反省しないといけないところですね。まだまだ、調子的には良くないのかもしれないけど、明日こそ前の選手にしっかり付いていける様に頑張ります」
 最終バック3番手から捲って2着入線となった吉田勇人
「まさか、あんな楽に3番手に入れるとは思っていなかったので、自分でもビックリですね。絶好の展開になりました。それだけに、踏み出した瞬間はイケるという確信があったんですけど、やっぱり欲を言えば押し切りたかったですよね。あの展開で差されてしまう様ではまだまだというか。明日こそは1着で締めくくれる様にしたいですね」

<2R>
坂木田雄介選手
坂木田雄介選手
 坂木田雄介(写真)が見事な逃げ切りで白星を挙げてみせる。
「三槻君が上がっていった時に前受けの棚橋(勉)君が引かなかったでしょ。あれで随分と楽になりましたよね。あれで、棚橋君が三槻君を入れていたら、同じ叩くにしても脚を使っていたはずで、僕自身相当キツくなってたと思うんですよね。あれには本当に助けられたというか、正直、あれは棚橋君のミスだったんじゃないかな。まあ、結果的には逃げ切ることが出来たので良かったですけど」
 棚橋の抵抗にあった三槻智清は懸命の追い込みも4着まで。
「棚橋君が引いてくれると思ったんですけどね。そうすれば、僕は坂木田さんのカマシに合わせたりだとか、流れの中で色々とやれただろうし、棚橋君自身にもチャンスはあったと思うんですけど…。あの並走でだいぶ脚を使ってしまったのが本当に痛かったでしょうね。結果的に1番点数を持っている坂木田さんが1番楽に駆けてしまっている訳ですから、そうなってしまっては僕としてはどうしようもないというか。とりあえず、せっかく補充で来ているので、最終日くらいは1着を取って帰りたいですね」

<3R>
川村昭弘選手
川村昭弘選手
 1着は及川の捲り追い込みに乗って差し脚伸ばした川村昭弘(写真)
「及川がいいタイミングで仕掛けてくれたおかげですね。僕はもうただ付いていっただけですから(笑)。何とか交わせて良かったですよ。負け戦といっても、こういうところで勝つか勝たないかということはすごく大事になってくるから、明日も気持ちを引き締めていかないといけないですよね」
 その及川裕奨もしっかり2着に残りラインでのワンツー決着を決める。
「ちょうど前がごちゃついてくれたので、それがいい目標になりましたね。踏んだ瞬間はちょっと重いかなという感じがしたんですけど、ペダリングを意識しながら踏んでいきました。前を乗り越えた時にはワンツー出来るかなというのはあったんですけど、1着取りたかったですね。まあ、大した戦法ではなかったかもしれないですけど(笑)、3日目にしてようやく結果を出すことが出来たので、明日には繋げられたかな」

<4R>
塩川真一郎選手
塩川真一郎選手
 主導権奪った越智マークから抜け出して1着の塩川真一郎(写真)は笑顔を見せる。
「今日は昨日より調子が良かったので越智を抜くことが出来ましたけど、僕が昨日のままの状態だったら絶対に抜けていなかったでしょうね。それくらい越智は強かったですよ。こうやって、中四国の若い選手に1着を取らせてもらうのは本当に嬉しいですね。これからも、こういう若手がどんどんと育ってきてくれると最高ですね」
 2着に残って中四国ワンツーを決めた越智展孝も満足そうにレースを振り返る。
「まさか粘れるとは思ってなかったですね。本当はカマシが良かったんですけど、とにかく前々には踏んでいこうと思っていたので、そういう積極的な気持ちが結果に繋がったのかなと思います。しかも、ラインでワンツーなので、最高の形になりましたね。明日に繋がるレースが出来たんじゃないかなと思います」

<5R>
松崎貴久選手
松崎貴久選手
 宮越孝治の捲りに乗って鋭い差し脚を見せた松崎貴久(写真)が今シリーズ初勝利。
「宮越君が頑張ってくれたので、上手くスピードに乗せて伸びることが出来ましたね。昨日は外を踏まなかったので、今日は外を踏もうと思っていたし、その結果として1着が取れたのは良かったかなと。何とか結果を出すことが出来ましたし、3走してみた感じとして、調子の方は全然問題ないと思いますよ」
 中部ライン3番手を固めていた土岐幹多がしっかりと2着に続く。
「これで連続2着ですね(笑)。昨日は技術的な部分で失敗もあったんですけど、今日はレースも見えていたし、しっかり付いていくことが出来たんじゃないかなと思います。感じの方は引き続きいいですね。だから、明日こそは1着取れるといいかなとは思っているんですけど(笑)」

<6R>
中村浩士選手
中村浩士選手
 先行加賀山淳マークの中村浩士(写真)が展開有利に抜け出して快勝。
「加賀山君とは初連係だったんですけど、本当にいい行きっぷりですね。あそこまで頑張ってくれた以上、僕が1着を取らないと意味が無くなってしまうから、最後は悪いけど前に踏ませてもらいました。僕からの車券も売れていたし、人気に応えられてとりえあえずホッとしました」
 2着は山形一気の捲りに乗って直線強襲してきた桑原大志
「山形君は強かったですね。おかげで2着まで突っ込むことが出来ました。ここで2着になるのと3着になるのとでは全然意味が違ってきますからね。本当に山形君には感謝しています。あと1日、気持ちを引き締めて頑張りたいですね」

<7R>
加藤圭一選手
加藤圭一選手
 逃げた齋藤一茂マークの加藤圭一(写真)が堤洋の捲りを牽制しつつ、直線で抜け出し1着。
「久々の1着なので、やっぱり嬉しいですね。今日はラインが4車だったというのが大きいですね。堤さんが捲ってくるのがしっかり見えていましたから。自分自身冷静に周りが見えていたというのもありますけどね。堤さんの捲りは1回の牽制じゃ止まらないかなと思ったんですけど、何とか止められて良かったですよ。この1着で今までの悪い流れを止められていればいいんですけど。そういう意味では明日のレースが大事になってくると思うので、あと1日頑張ります!」
 7番手からの捲りが不発となってしまった西谷岳文は首を傾げる様な素振りを見せる。
「ホームで詰まった時に中団の堤さんのところ目がけて仕掛けて、そこで休んでからもう1回踏んでいこうかなという感じではいたんですけど、正直なところ、自転車の出が悪かったんですよね。原因は自分でもよく分からないんですけど、状態としてはわからないですが…」

<8R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 二次予選でまさかの敗退となった佐藤友和(写真)だったが、負けられない一戦となったこのレースでは7番手捲りで実力の違いを見せ付ける。
「いやぁ、良かったですね。とりあえず、あの位置(最終2コーナー7番手)から仕掛けられたことが大きいですね。本当はこういうレースを勝ち上がりでしないといけないところではあるんですけど(苦笑)。それでも、4回転を使い始めてからでは初勝利になるので、少しずつではあるんですけど、手応えも掴めてきたかなという感じですかね」
 逃げた佐川翔吾に任せていた金田健一郎は懸命の牽制を見せるも、佐藤を止められずの3着に悔しさを滲ませる。
「佐川があれだけ頑張ってくれて、その気持ちの強さを感じていたので、僕も番手選手として捲りは絶対に牽制してやろうと思っていたんですけど、逃げられてしまいました…。おかげで、自分がバランスを崩してしまって、落車してしまいそうになったので、危なかったですね。でも、何とか3着で確定板に載ることが出来たので、佐川の気持ちをムダにせずに済んだのは良かったかなと思います」

<9R>
稲村成浩選手
稲村成浩選手
小川勇介選手
小川勇介選手
 長塚智広の捲りに乗って2着で決勝進出を果たした稲村成浩(写真)が好調をアピール。
「長塚は綿密に作戦を立てるというより、感覚で走るタイプの選手だし、ダッシュが強烈な分、神経を研ぎ澄まして付いていかないといけないから、かなり集中しましたね。まあ、やっぱりさすが長塚という感じでしたよ。おかげで決勝に乗ることが出来たし、これは大きいですよね。今のところ今年は全優出なのでね。今日は精神的に疲れたけど、ゆっくりお風呂に入ればそれは取れるので、大丈夫ですよ」
 九州別線で単騎勝負を選択した小川勇介(写真)が3着に滑り込み久々の記念優出を決める。
「今日のレースには長塚さんもいたし、すんなりの一本棒という展開にはならないだろうなと思っていたし、それならとにかく脚を溜めて溜めて一発を狙った方がいいだろうなという感じで自分でも落ち着いて走れたと思います。記念優出はあるとは思うんですけど、自分でもいつ以来かすら覚えていないくらい久々であることに変わりはないので(笑)」
 逃げる稲毛健太ラインの3番手を巡り前田拓也と激しい勝負を繰り広げた坂本亮馬だが、9着に沈んでしまう。
「3番手狙いは初めからあった作戦ではなかったですし、流れの中でそうなったという感じですね。ただ、今振り返ってみると、ちょっと気負い過ぎてたかな。だって、はじめから内へ差し込むことなんてないですからね」

<10R>
山田英明選手
山田英明選手
岩本俊介選手
岩本俊介選手
 最終バック3番手から捲った山田英明(写真)が岩本の先行を捕らえて1着。
「バックでは加倉(正義)さんも後ろに付いてくれているし、自分の間合いで行こうと思って、イメージ通りに踏んでいるんですけど、全然出なかったというか、出なさ過ぎでしたね…。自分ではよく届いたなというくらいの感じでしたからね。そのせいで、加倉さんにも迷惑かけてしまったので、その辺は明日の決勝に向けて反省していかないといけないですね」
 岩本俊介(写真)も末脚よく2着に粘り込んで決勝切符を手にしてみせた。
「村本(大輔)さんとは相性抜群なので、思い切って行きました。浅井には最近負けが込んでいたから、とにかく一生懸命頑張りました。それもこれも初手の位置取りで前から2番目が取れたのが大きくて、あれでかなり逃げやすくなりましたから、村本さんには本当に感謝ですね。あとはギアとフレームが合ってるのかな。明日も一発狙って、チャンスがあれば駆けたいですね」
 最終ホーム8番手からの巻き返しを見せた浅井康太は1度は5番手・東口善朋の後ろで止まるも、そこからの追い込んで3着とSSの意地を見せる。
「2センターで東口さんが内を締めた時に僕は1回バック入れて、それから外へ持ち出しているんですけど、それで3着に届いているので、調子自体はいいんだと思います。前々回の向日町記念が本当にダメで、西王座戦、今回とその辺を修正してきたんですけど、2日目で回せる感じがあったし、こうして決勝にも乗れているので収穫ある開催にはなっていますね。明日はすごくいいメンバーが揃ったので、まずはレースを楽しもうかなと。そうすれば結果は自然と付いてくると思うので」

<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
小倉竜二選手
小倉竜二選手
 最終ホームで三宅を叩いて主導権奪った武田豊樹(写真)が見事な逃げ切り勝ちを納める。
「今回はフレームを変えていて、今日のレースで結果が出なかったらさらに変えようかなと思っていたんですけど、こうして結果が出たので、いいのかなと思います。コンディション的には今日が1番良かったですね。判断も踏み出しも。ただ、最後の踏み直しのところでちょっとバタついてしまったので、そこは課題として残るかなと」
 武田に叩かれた三宅にインで粘られた神山雄一郎だが、しっかり番手を死守してワンツーを決める。
「武田が掛かっているところで三宅君に来られてしまったから、あそこはかなりキツかったですね。でも、そこを凌いで付き切っての2着だし、追走した感じとしては、状態的にみても問題ないかなと思いますよ」
 最終バックで神山との番手戦に敗れた三宅を3番手に迎え入れた小倉竜二(写真)は、その三宅との3着争いを必殺のハンドル投げで制して決勝進出。
「達也もすごく頑張ってくれていたしね、任せている以上はあそこは入れてあげないといけないでしょう。今までもそうやってきたし。そこから達也を差し返して3着に入れたわけだし、悪くはないんじゃないですかね」
 一方、小倉に敗れ4着と惜しくも優出を逃した三宅達也は納得の表情。
「いや、普通はあんなところで入れてくれないですよ。さすがオグさんって感じですね。あれは本当にありがたかったです。あれがなければもっと悪い着になっていたでしょうからね。まあ、最後はオグさんにキレイに差されましたけど(笑)、それでもオグさんが3着に入ってくれたので、良かったですよ」
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