『久留米競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月24日
 久留米競輪開設63周年記念「第19回 中野カップレース」が7月21日~24日の日程で開催された。好メンバーが頂点を争った決勝戦。激戦を制したのは浅井康太。初日に見せた上がり10秒6の強襲劇を再現するような末脚で前団を一気に抜き去った。これで寬仁親王牌をまたいで記念連覇。後半戦に入り勝負強さが増した印象だ。
決勝戦 レース経過
 号砲で浅井康太が勢い良く出て、スタートを取る。山内卓也が浅井に付けて中部コンビが前団。中団は吉本卓仁-池田良-橋本強のライン、6番手に単騎の伏見俊昭、後方は岡田征陽-長塚智広-鈴木誠で隊列は落ち着く。
 青板周回のバックから岡田が早くも上昇し、3番手の外で止まって吉本と併走する。打鐘前の2コーナーから岡田が仕掛けて先頭に立つが、その上を吉本が叩いて主導権を握る。単騎の伏見がこれに続いて4番手、岡田は5番手まで下げる。後方に置かれた浅井はホームから踏み込むが、前のけん制もあって、1車追い上げる形で長塚に続く。逃げる吉本のかかりは良く、バック手前からまくり上げた岡田はほとんど進まず不発に終わる。このまま前で決まるかと思われたが、4コーナーで外に持ち出した浅井が直線で鮮やかに突き抜け、今年2度目の記念制覇を果たした。番手絶好の態勢から追い込んだ池田が2着に入り、逃げた地元の吉本は3着。


浅井康太選手
浅井康太選手
 初日に後方から鋭い伸びを見せた脚勢は本物だった。悲願の地元記念優勝へ必死に逃げる吉本卓仁らを浅井康太が大外から一気の伸びで、鮮やかに逆転。「調子は良かったんで」と話す、その言葉どおりの走りで見事に中野カップを制覇した。
 打鐘過ぎに置かれた位置は8番手。早めの巻き返しを見せるが、「無理やりホームで行ったけど、合わされる感じだった」。頭を切り替え、長塚後位で脚を溜めると、最後は自慢の末脚を爆発させた。
 「2センターでは無理やなと思いました。8番(池田)が抜いてくのも見えたし。でもゴールぴったりで(逆転で)したね。思わずガッツポーズしてしまいました。何とか勝てて良かったです」
 オールスターファン投票の結果(浅井は5位)を新聞で確認し、「期待に応えないと」という気持ちでレースに臨んでいた。「仕掛けのダッシュとか、自分のなかでは課題がある」としながらも、後半戦に入り記念を連覇するなど、調子を上げている。
 「毎回、1着をとる仕掛けを心がける。そうすれば次につながると思う」
 地元サマーナイト、オールスターへ向け、浅井の快進撃はまだまだ続きそうだ。

 4コーナー番手という絶好のポジションを回ってきた池田良。粘る吉本をとらえてさあ優勝だと思った矢先、浅井の強襲に屈した。
 「こんな展開になるとは思わなかったですね。これしか(チャンスは)ないと思って、必死だったけど…。2着は吉本さんのおかげです」

 打鐘過ぎから先行態勢に入った吉本卓仁は別線の反撃を封じて4コーナーを立ち直ったが、外から2人に交わされてしまった。
 「自分が先行の展開になるとは思わなかったけど。叩いたときが中途半端だったからこれは誰も出させれんと思った。浅井に交わされてなくても、池田に交わされてる。力不足ですね。2着も3着も一緒だし、また来年出直してきます」

 絶好の4番手を確保した伏見俊昭だったが、伸びきれず。
 「あのイチにいるのは予定どおりでした。(後ろが)来てから踏んだし、自分のタイミングじゃなかった。強ければあれでも行けたんだろうけど」

 浅井マークの山内卓也は「最後はイチかバチか内に行っとけば…。でも、しゃーないですね。康太が優勝してくれてよかった」と浅井の健闘を称える。

 吉本ライン3番手を回った橋本強は「余裕はあったけど、あそこで3着までに入れんのはダメ。3番手は難しいですね」とレースを振り返った。


ゴール
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