『久留米競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:6月25日
 久留米競輪場開設64周年記念「第20回 中野カップレース」は今日25日が最終日。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終第11レースで争われた。レースは池田勇人が最終ホーム8番手からのロングまくりで九州勢を仕留め、待望の記念初制覇を果たした。
決勝戦 レース経過
 号砲で南修二、坂本亮馬の順に飛び出すと、周回は池田勇人―南、服部克久―坂本―筒井敦史、岡部芳幸、村上直久―高木隆弘―鈴木誠の並び。
 青板バックから村上が上昇を始めるが、中団の服部もフタをされまいと中バンクに上がってけん制。村上、池田とアンコになりながらも坂本を連れて赤板から強引に前に出るが、3番手の筒井はコースが締まって続けない。村上は再度九州勢とドッキングを狙う筒井を封じるように前団を叩きに行くと、合わせて打鐘から服部もペースアップ。筒井の追い上げは叶わず、村上は高木のアシストで再度3番手に収まる。そのまま服部が懸命に逃げるが、8番手で冷静に脚を溜めた池田はホームから早めの巻き返し。2コーナーから坂本も番手まくりで応戦するが、池田が3コーナー過ぎには前団を飲み込んでしまう。続いた南も詰め寄ったが、池田が力強く押し切り。嬉しい記念初優勝を飾った。番手まくりの坂本に続いた村上が坂本をとらえて3着に食い込んだ。


池田勇人選手
池田勇人選手
 池田勇人(写真)の強さだけが際立った決勝戦だった。最終ホーム8番手から踏み出すと、圧巻のスピードで前団をひと飲み。上がりタイムはシリーズ最速の10秒8。文句なしの内容で記念初Vを飾った。
 「南さんがしっかりスタートを取ってくれましたからね。2車だったので、別線に脚を使わせてからの勝負と考えていました。やり合ってくれるのが理想でしたが、いい流れになりました。仕掛けたのはホームですね。あのタイミングでいかないと獲れないと思ってました」
 今年に入って1着ラッシュ。この半年間ですでに昨年の勝ち星を上回っている。記念制覇は単なる通過点に過ぎない。さらなる高みを目指して進化を続ける。
 「まだ実感はわかないですね。今年の目標にしていた記念をまさか半年で獲れるとは。今までの積み重ねだと思います。支えてくれた人たちに感謝したい。これからも1つ1つをしっかりやっていくだけですね。これで競輪祭の権利も獲れたし、今度は特別の決勝を目標に頑張ります」

 池田と即席タッグを組んだ南修二には絶好の流れとなったが、直線に入っても差はなかなか詰まらなかった。
 「早めにいってくれたけど、ずっとかかっているような感じで緩むところがなかった。ゴールまでしっかり踏み切ってましたね。池田君が本当に強かった。また頑張ります」

 地元の坂本亮馬は最終2コーナーからの番手まくりで応戦したが、あっさり飲み込まれてしまった。
 「服部さんは引いて踏んでの繰り返しだったので、打鐘ではけっこう脚にきていました。もう少し落ち着いてもらえれば良かったんですけどね。番手から出たけど、池田君も仕上がっていたから厳しかった。自分も含めて力不足。ここまで上がってきた戦力が少なかった。でも、久しぶりに楽しいステージに走れたし、決勝にしっかり乗り続けることが大事ですね」

 準決とは一転、坂本の前回りを買って出た服部克久は村上直久との主導権争いを制した。
 「昨日は亮馬に頑張ってもらったし、今日はしっかり前で頑張ろうと思っていました。もう少し落ち着いて走れれば良かったですね。僕の経験と力不足で亮馬に迷惑をかけてしまった。本当に申しわけない」

 打鐘で九州コンビの後位に入った村上直久は番手まくりの坂本を追う形から3着に食い込んだ。
 「3番手に入って打鐘で仕掛けたけど、前に踏まれて戻ってしまった。それから前と車間が空いてしまい、追いつくのに脚を使いました。せっかく高木さんと鈴木さんが付いてくれていたのに、迷惑をかけてしまって申しわけない気持ちです」


ゴール
↑ページTOPへ