『久留米競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:6月21日
 久留米競輪開設65周年記念「第21回 中野カップレース」が今日から始まった。メーンの特選は浅井康太、深谷知広のSSコンビが快勝。さらに地元の坂本亮馬、吉本卓仁も特選3着でそろって明日の「キラリ久留米くるっぱ賞」に駒を進めた。1次予選でも地元勢は大活躍。紫原政文ら、5名全員が2次予選に進出。2日目も活躍が期待される。
 明日は仮面ライダー鎧武ショー(2R、9R発売中)や、あばれる君爆笑ライブ(5R、10R発売中)、人気グラドル杉原杏璃×海パンカメラマン野澤亘伸のトークショー(7R発売中)、ナイスグッド撮影会(11R発売中)などイベント盛りだくさん。明日もぜひ久留米競輪場へご来場ください
<1R>
 小原太樹、才迫勇馬で主導権争いに。才迫が不発と見るや内に切り込んだ吉永好宏は、そのまま小原まですくって前に出る。「ビックリした」と話す萩原孝之だが、立て直してまくると辛くもオープニングレースを制した。
 「小原が前々に攻めてくれたから。それに(1班で競走得点が)28番目で負けられなかった。3コーナーはキツかったけど、よかったです」
 2着の海野敦男だが、萩原との連結が外れたレース内容に硬い表情。
 「俺がちゃんと付いてれば(吉永に)入られなかった。でも吉永もそのまま行くとは思わなかったです。アンコになりながらだったけど、踏めてますね」
 吉永好宏は1センターから先頭に立った。
 「1番(小原)が下りて来たら、仕方ない萩ちゃんと勝負と思ったけど、下りてこないし。あのまま待ってたら遅れると思って前に踏んだ。練習と違って、全然かからないですね」

<2R>
 藤井栄二が主導権を握ると、佐野梅一に絶好の展開に。杉本正隆の巻き返しに合わせて踏み込むときっちり勝機をモノにした。
 「(藤井の)かかりがよかったです。いいスピードでしたね。あとは外だけ気にしてたし、もう一人(藤井は5着)残したかったけど…。あれ以上は難しいかな。周りが見えてるし、今日は余裕がありました」
 合わされた本郷雄三の間をまくった杉本正隆だが2着まで。
 「2コーナーで行けばよかったですね。ずっと(前の動きを)見てました。あれ、(本郷の)外に行ったら無理ですね」
 直線中を伸びた福島栄一が3着に突っ込んだ。
 「上手いこと(松本大地に)切り替えられたんでよかった。そのまま(杉本が)まくり切ってくれればよかったけどね」

<3R>
吉田茂生選手
吉田茂生選手
 打鐘から飛び出した吉田茂生(写真)が末よく押し切り。ラインで上位を独占した。
 「出てからこのスピードじゃまくられると思って、もう1回ケツを上げたけど、今日は道中すごく余裕がありました。記念はこれが3回目だけど、2次予選は初めてです」
 マークの島野浩司は逆転ならず。
 「強いですね。バックから踏み直して、また4コーナーも。よく踏み直してました。ワンツースリーでよかったです」
 人気を集めた戸伏康夫はまくり切れなかったが4着で勝ち上がりを決めた。
 「僕は配分が詰まってるほうがいいので、今回は2週間空いたんでどうかなって感じだった。練習では競走ギアも使わないし、いつも一走してみてなんで。その意味では脚はいいかなと思う」

<4R>
篠原龍馬選手
篠原龍馬選手
 伊藤成紀を出させなかった阿部大樹に今度は篠原龍馬が襲いかかる。この両者でほぼ1周雁行状態が続いたが、直線で篠原が出切ると番手の石田洋秀が抜け出した。
 「前は取れないと思ったけど、取りに行ったら取れた。斬って、斬ってを行く作戦だったけど、結果前で正解でしたね。篠原君も時間がかかったけど、まくり切ってくれた。僕は脚に余裕があったけど、内が103点、105点のラインなんで怖くて怖くて仕方なかったです」
 今シリーズ点数勝負の篠原龍馬(写真)は苦しみながらも第一関門を突破した。
 「出切るのに1周かかったけど、2着だったんでいいんじゃないですかね。いつもなら浮いてるんで。石田さんが前を取ってくれたんで行けるところからと思ったけど、ワンツーでよかったです」
 伊藤成紀のまくりに乗った中澤孝之が3着に突っ込んだ。
 「今日は伊藤君に全てお任せ。阿部君は僕のところで粘るか、出させて(篠原との)モガき合いをまくるかだと思ったけどね。3着に入れてよかったです」

<5R>
 成松春樹が主導権を握ると、バックから牧剛央が車間を切って成松を援護。前検日に話した不安を吹き飛ばす走りでライン3車で2次予選へ勝ち上がった。
 「前のおかげ、よく行ってくれました。タレてたら車間が自然と詰まるのに成松は強いですね。今日は緊張とプレッシャーで胃が痛かった。でも、これで自信が出たし、ホッとしました」
 3番手の山口貴嗣が2着に続いた。
 「一番いい展開になりましたね。僕も牧さんが車間を空けてるのが冷静に見えたし、余裕がありました」

<6R>
高比良豪選手
高比良豪選手
 金澤竜二が後ろ攻めから押さえてペースで逃げたが、中団を取った地元の高比良豪(写真)が好スピードでまくって勝利した。
 「金澤さんをまくったことがないからどうなるかと心配だったけど。(最終)ホームで車間を空けたら、伊藤(信)君がカマして来て、もしかしたらやり合ってくれるかなと思った。レース前は緊張したけど、何とか落ち着いていけました。直前はどうしようもないくらい駄目だったけど、地元の力で何とか勝てました」
 ライン3番手の上吹越直樹が直線で伸びて2着に入る。
 「踏み出しで千切れたけど。何とか勝ち上がれて良かったです」
 番手の國武耕二は喰われて3着になったものの、ラインで上位を独占。
「(高比良が)いきなり行ったんでびっくりしたけど、何とか付いていけてよかった」とホッと胸をなで下ろす。
 金澤竜二は「重かったです」と末脚を欠いて6着。
 「風は感じなかったけど、とにかくキツい。(高比良が)来たのが見えたけど、我慢できなかった」
 佐々木雄一は懸命に援護したものの、「スピードが違いすぎた」と4着。「車間を空けて、前に踏みながら持っていったけど。金澤君は踏む距離が長かったね」と話す。

<7R>
 前受けから下げた重倉高史が鈴木庸之を叩き切ると、山内卓也は番手絶好。車間を詰めて巻き返してきた鈴木を巧みにけん制すると、直線抜け出した。
 「今日は前になったらあんな感じで。作戦どおりだし、いいスピードでした。けん制は狙ってました。コーナーで(鈴木が)来るようにバックを踏んでタイミングを調節できたし、うまくいった。あれで(重倉が)3着まで入ればよかったけどね」
 不発に終わった鈴木後位から高橋雅之が山内に詰め寄ると、空いた中のコースを深澤伸介が鋭く割った。
 「初日はアタリがよくないので、モガく前は不安なことを考えてた。キュンじゃなかったけど、伸びましたね。今日で刺激が入ったし、脚にも余裕がある。ギアとセッティングを変えていい感じです」

<8R>
大西祐選手
大西祐選手
 ホームから巻き返した大西祐(写真)が押し切り。後ろは競りだったが、ラインで上位を独占できたことで笑顔が絶えない。
 「ラインで決まったのが何より。余裕を持って行けたし、僕の役目は果たせたかな。ギアは悩んだけど、(三宅)達也さんに『メンバーに応じてでいいんじゃない』と言われて4.33にした。50にすると、もう下げられないんで。走る前はしんどかったけど、これで楽になると思います」
 3番手から内をすくって再び番手を狙った鈴木誠と篠原英雄がからむと、その外から井上辰也が鋭く伸びた。
 「しゃくられて4番手になったけど、1センターのスピードに乗ったとこだったし、無理して追い上げなかった。4番手でも前は射程圏内だったので、どっからでも行けるなって感じだった。調子はいいですね」
 鈴木にからまれた篠原英雄は井上にこそ交わされたが、何とか3着に踏みとどまった。
 「後ろは分からなかった。いきなり内から来られて、どこにおったん?って感じでした。後ろは見ないといけないですね。余裕がなかったです」

<9R>
 圧倒的な人気を集めた九州トリオがきっちりと上位を独占。逃げた小岩哲也の番手から紫原政文が抜け出した。
 「緊張しました。打鐘でこんなに踏んで大丈夫かなと思ったけど小岩は強いですね。最後は抜けんかと思ったけど、絶対抜かないかんと思った。明日もしっかり頑張ります」
 逃げた小岩哲也も大役を務め上げてホッとした表情。
 「よかったです。今回はペースをいつもより上げるのを目標に練習してきたし、踏んだ感覚は悪くない。明日もっと調子が上がればいいし、悪くても維持できてればと思います」
 3番手、3着の古閑良介は苦笑い。
 「レース前、紫原さんに『緊張しないでくださいね』なんて言ったのに、俺が緊張してました。顔見せから引き上げて、控え室にユニフォームを忘れてきたくらい(笑)。2次予選は2年以上ぶりですね。明日は緊張しなくていいメンバーになると思うし、今日より軽くなると思います」

<10R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 浅井康太(写真)が異次元のスピードを見せた。打鐘過ぎから一気にカマした水谷好宏の番手を回ったが、巻き返してきた磯田旭をけん制している外を桐山敬太郎にまくられてしまう。それでも桐山後位にスイッチすると、直線鋭く逆転した。
 「水谷さんを残せればよかったけど、桐山さんは見えなかったです。売れてるし抜かないとと思った。気持ちだけですね。でも、あれを抜けてるんで悪くないのかな。20代最後の日を1着で気持ちよく終われたんで、明日からの30代も頑張ります」
 桐山敬太郎はドンピシャのタイミングで仕掛けたが、最後は浅井のスピードに屈した。
 「打鐘で突っ張り気味に踏んで、ペースを上げていこうと思った。磯田は粘らなければ、もう1回行くだろうと思ってたし、そのへんも見えてましたね。積極的に動けてるし、車の出も悪くなかった。ただ福田を連れて行けなかったのが残念です」
 3着には浅井マークの坂本亮馬が続いた。
 「行かれてドキッとしたけど、それでも浅井さんは1着か2着に行くと思ってました。水谷さんも競らせないように行ってくれたし、サポートがあって何とかですね。僕も余裕はあったけど、浅井さんが前を追っかけての差しは抜けないです」

<11R>
山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 吉本卓仁が中団の山賀雅仁にフタをしすぎると、前受けの松岡健介が吉本を出させず突っ張り先行。中団で立て直してまくってきた吉本を出させなかったが、最後は7番手から外を伸びた山賀雅仁(写真)が1着をさらった。
 「引いたときには余裕があった。でも、これから上で戦うにはあそこで中団に入られちゃいけない。今日は展開に助けられただけですね。3コーナーで踏んだ瞬間にスピードに乗ったし、体のほうはいいかな。いつもより余裕はあったので、調子がいいんでしょうね」
 突っ張り先行に出た松岡健介は2着に粘る。
 「1コーナーで1回踏んでも来なかったので、打鐘で行こうと思った。しんどかったですね。でも2着に残れたのでよかったです」
 3着の吉本卓仁だがレース内容に不満を隠せない。
 「今日は押さえ先行がしたかった。その気持ちが出すぎて、後ろの人に申し訳ないことをしました。自分はただ踏ん張っただけだし、力不足。でも明日は今日より楽になると思う」

<12R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 見応えあるスピードレースを制したのは深谷知広。ホームから巻き返してきた中川誠一郎を合わせることはできなかったが、離れた大竹慎吾に代わって中川を追うと、車間を詰めた勢いで一気に飲み込んだ。
 「世界のスピードはすごいですね。あれは合わせられない。競輪のスピードじゃ無理だし、今の脚じゃ厳しいです。最後はもう何とか。今までで今日が一番キツいくらいです」
 中川誠一郎(写真)は自慢のスピードで大いに深谷を苦しめた。
 「今日は深谷が相手とかじゃなくて、行くしかないと思って行っただけ。最後はキツかったけど、タイミングはよかったです。今日はかみ合いましたね」
 ホーム9番手に置かれた三宅達也だったが、浮いた大竹を目がけて踏み込むと吉村和之と僅差の3着争いを制した。
 「最後は負けたと思ったけど恵まれました。1回スピードを殺したので中途半端な仕掛けになったけど、大竹さんがいい目標になりました」
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