『久留米競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月23日
 久留米競輪開設65周年記念「第21回 中野カップレース」は佳境の3日目。今日は準決勝3個レースで決勝進出をかけた激しい勝ち上がり戦が展開された。最終12Rでは深谷知広が7着に敗れる大波乱。地元勢からは坂本亮馬が唯一決勝戦へ勝ち上がり、九州3車の軸として中近や南関ラインを迎え撃つ。なお、9RではレインボーカップA級ファイナルも併せて開催されるなど、最終日も見どころの多い1日となる。
 最終日はどぶろっく爆笑ライブ(7R、11R発売中)やスピーチーズライブ(4R発売中)、中野浩一氏と内林久徳氏(2R発売中)、中野浩一氏と佐々木昭彦氏(3R発売中)による予想会も予定されています。明日もぜひ久留米競輪場へご来場ください。
<10R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
浅井康太選手
浅井康太選手
 決勝進出一番乗りを決めたのは中川誠一郎(写真)。小岩哲也の先行に乗ると、浅井康太の巻き返しに合わせて2コーナーから番手まくり。浅井の追撃を振り切った。
 「小岩君が思い切って行ってくれました。浅井が見えたので引き付けてたら(高比良)豪がからまれると思って早めに出た。そこからは(浅井を)引き付けて踏み直すスプリントみたいなレースでしたね」
 磯田旭の分断も頭に入れていただけに、磯田が飛びつけなかった時点で浅井康太(写真)は8番手に。ホームからすかさず巻き返したが、番手まくりの中川はとらえることができなかった。
 「8番手に引いてはいけませんね。キツかった。無理やり行ったので。小岩君も11秒3でしょ?前半。僕も個人上がり10秒7なので(悪くない)。最後は中川さんを差しにいこうとしたら合わされました」
 浅井の駆け出しに離れた有賀高士だったが、2センターから大きく内が空くと、最後は磯田を飛ばして3着に食い込んだ。
 「一列の状態で僕のトップスピード。付いていけなかったです。じりじり離されてもう無理と思いました。最後は運がよかっただけですね」
 うまく4番手を確保した山賀雅仁だったが、磯田に内をすくわれタイミングを逃した。
 「内を締めなかった自分のせい。あそこが甘いですね。最後に高比良さんとからんだのも痛かった」
 高比良豪は中川の仕掛けに離れてしまった。
 「スピードが違った。力の違いを感じましたね。でも、すごい経験をしたし、また練習のしがいがあります」

<11R>
松岡健介選手
松岡健介選手
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 吉本卓仁にフタをして、水谷好宏が主導権を握る。7番手から吉本も早めの巻き返しを見せるが、これを番手の松岡健介(写真)がブロック。その外を大西祐が仕掛けてくると見るやバック過ぎから踏み込み、水谷の気持ちに応えた。
 「吉本君を止めたときはいい感じだったけど、そこで大西君が来てるのがたまたま見えた。大外だったから下りで来るなと思って前に踏んだ。今回は久しぶりに悪くないですね。昨日セッティングを見直してかかりがよかったし、そこそこ出てる。いいと思います」
 不発に終わった吉本後位から気迫で狭いコースを切り込んだ坂本亮馬(写真)が2着で決勝進出を決めた。
 「紫原(政文)さんにも悪かったし、卓仁先輩も気をつかって仕掛けてもらった。みんなで一緒に乗りたかったですね。最後は誰か一人でも乗れと思って行けるところまで行こうと思いました」
 大西が坂本とからんで失速すると、中を鋭く割った堤洋が久しぶりの記念優出。
 「もう僕の限界やったからバックで口が空いた。せめて祐だけでも行けと思ったけどね。記念の決勝は何年ぶりやろう。久しぶりやね」
 バックから好スピードでまくり上げた大西祐だったが、惜しくも4着。
 「3コーナーで亮馬さんと目が合って、脇腹のあたりに当たられてツケマイができなくなった。さすがに準決クラスでワンミスはいかんですね。堤さんは『得意パターンでいい』と言ってくれたし、堤さんが乗ってくれてよかった」
 吉本卓仁にとっては厳しい展開になってしまった。
 「あんなにフタされるなら松岡さんか、小林(大介)さんを飛ばすべきだった。紫原さんもいるしまくりに構えられなかったし、ひとまず亮馬が決勝に乗ってくれてよかったです」

<12R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
海野敦男選手
海野敦男選手
 戸伏康夫を出させず前受けの深谷知広が突っ張り先行。中国勢が中団に入り直すと、打鐘の4コーナーから桐山敬太郎が一気の巻き返し。3コーナーで深谷を飲み込み、これで南関ワンツーかに、3番手にスイッチした大塚健一郎(写真)がゴール寸前で海野敦男をとらえた。
 「深谷は受けて王者の走りをするのかと思ってたし、ツッパリは1ミリも考えてなかった。あれでパニックになって、対応力に欠けました。僕の技量不足。日本一の先行屋を無駄死にさせてしまって申し訳ない」
 惜しくも1着はならなかった海野敦男(写真)だが、久々の記念優出に感慨深げ。
 「夢? ラッキーおじさんですね(笑)。アタマかと思ったけど、2着で十分です。前回の四日市くらいからセッティングが出たのが大きい。健坊(大塚)に寄ってこられたけど、そこもしのげたし流れがいいですね」
 深谷と壮絶なモガき合いを制した桐山敬太郎が3着に粘った。
 「深谷は突っ張るふりして出させるかもしれない。そこを対応しようとしてたら(中団に)入られた。4番手を確保してたらもう少し楽だったけど、結果オーライでしたね。どういう展開でも今日はバックを取らないと厳しいと思ってたのでよかったです」
 牧剛央は惜しくも4着で地元記念優出を逃した。
 「もうちょいでしたね。決勝を目標にやってきたので残念です。深谷が先行してくれたんだし仕方ない。力不足ということで」
 三宅達也はまさかの突っ張り先行に屈した。
 「突っ張りは考えてなかった。すぐに桐ちゃん(桐山)が行ってしまったし、(戸伏が)追いつきそうにないので行った。桐ちゃんが強かったです」

<最終日9R レインボーカップA級ファイナル>
土屋壮登選手
土屋壮登選手
日野博幸選手
日野博幸選手
 3着までに入った選手がS級に特進するレインボーカップA級ファイナルには、さすがにA級トップクラスの選手がそろった。今やA級最強の呼び声高い土屋壮登(写真)だが失格のマイナス点で来期もA級。「もちろん取りにきました」。関東は分かれて単騎での戦いとなるが、狙うはS級特進だ。
 「最近は練習の成果が出るようになった。来期もA級なんで上がりたいですね。来年と言わず、今年からS級で走りたいです。1、2班戦の初優勝も久留米でした。単騎でもやるつもりだったし、明日も頑張ります」
 日野博幸(写真)もこれが勝負駆け。3月のルーキーチャンピオンで番手を回って失敗しただけに、才迫開を後ろに従えての自力を決意した。
 「過去最高に仕上がりました。タイムも一番出たけど、このメンバーなら分からないですね。ただ関東が分かれたんでチャンスはあると思う。濱田(浩司)さんに『お前がS級に上がってきたら俺のモチベーションも上がる』と言ってもらってるし、今回は狙っていきます。気持ちの入ったレースがしたいです」
 飯山泰行は今期A級トップの競走得点を誇る実力者。土屋とは袂を分かち、長島大介と茨栃でコンビを組む。
 「調子はいいですね。特別変わったことはしてないし、S級特進もそんなに意識してない。いい意味でリラックスできてますね。獲れればいいけど、まずは出し切れるように頑張ります」
 大谷靖茂は予備から繰り上がりでの出場。2期連続のS級点は確保しているだけに、余裕の表情だ。
 「競輪には運も必要ですからね。来期もS級なんで、むちゃくちゃここにかけて来た訳じゃない。もちろん1着は取りに行きますよ」
 武田憲祐は単騎戦を選択。「土屋君も空いてるけど、出し切ったほうがいいと思ったので。走る以上は一発狙っていく」と不気味な存在になりそうだ。
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