『被災地支援競輪久留米競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:6月26日
 久留米競輪場を舞台に開催されている平成28年熊本地震被災地支援・開設67周年記念「第22回中野カップレース(G3)」は、26日に2日目が行われた。二次予選まわりを強いられた吉本卓仁だったが、坂本亮馬とのホームワンツーで準決に進出。また、メーンの優秀「キラリ久留米くるっぱ賞」では、村上義弘が初日に続いての1着で準決へと弾みをつけた。27日の3日目には準決の3個レースで、決勝のキップをかけて激しい火花が散らされる。
 本場では開催中の毎日、日替わりプレゼント(地元のお菓子などを先着500人)。100人にクオカードが当たるG3ラッキー9車券を、毎日先着1000人に配布。久留米ラーメン、やきとりなどの久留米・九州のうまいもんグルメコーナーなど、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。また、27日の3日目には、選手会プレゼンツ「どりあんず」、「矢野号」の爆笑ライブ、「スピーチーズ」のライブなども予定されています。ぜひ、久留米競輪場へ足をお運びください。
<6R>
伊藤正樹選手
伊藤正樹選手
 主導権を握った谷口遼平のペースが上がり切る前の最終ホーム手前から、8番手の鈴木謙太郎がカマシ気味にロングまくりを放つ。谷口を2コーナーで鈴木がとらえ、後ろが後閑信一と飛び付いた谷口で併走。谷口に付けて脚を溜めていた伊藤正樹(写真)が、4コーナーから外を踏み込んで突き抜けた。
 「谷口が内に行っちゃった。後閑さんの内に行くと僕の着はないんで、ああなりました。(連日)前の選手のおかげで、付いていくだけなんで自分はなにもしてません。そこまでやってくれればね。ゴール前は内を来られて、外にも当たったけど、それでも耐えられたんで悪くないと思います」
 鈴木マークから差し脚を伸ばし2着の後閑信一は、8番手から瞬く間に前団をとらえた鈴木のスピードを称える。
 「(鈴木)謙太郎のホームの加速がすごかった。最近、付いた(選手の)なかでは一番じゃないですか。余裕はあったし、(鈴木を)残したかったけど。谷口が(内から)生き返ってきちゃったんで…。時間がかかったけど、だいぶ戻ってきたし、今日のは自信になりました」
 野田源一に乗った松尾透が、直線で狭いコースをこじ開けて3着に突っ込んだ。
 「最後は危ないと思ったけど、コースを探してでした。もっと勢い良く行ってれば、3(着)じゃなかったかもしれないですね。残念ながら来期はA級なんですけど、調子は悪くないです」

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坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 打鐘で先頭に立った岡崎智哉がハイピッチで飛ばして逃げる。うまく3番手を確保した吉本卓仁は、最終ホーム過ぎにスパートした黒田淳に合わせて2コーナーまくりを放つ。抵抗する岡崎をとらえると、最後は吉本の番手から坂本亮馬(写真)が交わして地元でワンツーフィニッシュ。
 「吉本さんとは相性抜群でほとんど決まっている。今日も信頼して付けてました。ずっと狭いところを走ってたんですけど、そこは気持ちでね。(大会連覇へ向けて)第一関門突破ですね。準決も頑張ります」
 「人気になってたのでよかったです」と、好位からまくった吉本卓仁はホッとした様子で、こう続ける。
 「冷静でしたね。脚はないけど(まくれたのは)ただの意地でした(笑)。周回とか軽かったし感覚的には戻ってると思うけど、元気なころなら(岡崎を)叩きに行ってるはず。ただ、今の力でなんとかしないと。今日は外併走でもいいかなって思ってたくらいだし、日ごろしないことをして逆手に取ろうと。決勝には乗りたいし、準決も考えて走りたい」

<8R>
河村雅章選手
河村雅章選手
 河村雅章(写真)が会心の逃げ切りを決めた。レースは打鐘で前に出た古性優作を、河村が最終ホーム前で叩き主導権を握る。3番手の古性は1センターから踏み上げるが、浦川尊明のブロックもあって前団をまくれない。そのまま河村が後続の追撃を振り切って連勝を飾った。
 「今日は後ろにいたら勝負権はないと思って。いってダメならしょうがないと。アップから重くて、どうしようかと思ったけど、駆けたら意外とスピードに乗りましたね。浦川さんがやってくれたのも見えました。準決も出し惜しみしないように」
 ブロックした浦川は河村との車間が空き、古性優作がマークする形で2着。「脚がない。ラインに迷惑をかけました。今日はそれだけです」と、悔しそうな表情を見せた。
 徳永哲人は先に仕掛けた河村ライン目掛けてスパート。最終バックでは藤木裕の横に並ぶと併走を凌いで古性に流れ込みの3着。
 「今日は気持ちで3着に入った感じですね。気持ちを強く持って、最後まで諦めずにいきました。積極的にいって良かった。このメンバーでカマせる感じはないので、これから力を付けていきたいです。もちろん、記念の準決は初めて。自分でもビックリする結果です」

<9R>
舛井幹雄選手
舛井幹雄選手
 赤板手前で中団の吉田拓矢に併せ込んだ戸田康平が、2コーナーから踏み込んで打鐘から迷わず逃げる。中団をキープした中野彰人が、7番手から反撃した吉田に合わせて、まくって出て直線へ。中野に舛井幹雄(写真)、両者に襲い掛かる吉田との3車の勝負ゴール勝負は、吉田に8分の1輪踏み勝った舛井が1着で準決進出を果たした。
 「(中野と)直前に話したら、前向きでとにかく攻めますって言ってくれた。(まくった中野は)それほどスピードの強弱がないんで、自分も余裕がありました。4コーナー手前で3車併走になって楽になりました。混戦になると自分は生き返ってくるんで(笑)。A、B、Cがなくなってからの準決は、たぶんこれが初めてだと思います」
 戸田にフタをされて7番手まで引いた吉田拓矢は、最終ホームからのロングまくり。中野に合わされ苦しい展開に陥ったが、力で2着まで押し上げた。
 「ジャンで行こうと思ってたんですけど…。最終的には外を回されてしまって、苦しい形になってしまった。前が駆けているところを行ったんで、キツかったです」
 4番手で車間を切った中野彰人は、逃げる戸田をまくりでとらえるも後続に食われて3着。
 「自分が先に(まくりに)行っても、向こう(吉田)のスピードが出てしまうんで。それでタイミングを狂わせようと思いました。位置取りにこだわってと思っていました」

<10R>
鈴木誠選手
鈴木誠選手
 タイミング良く叩いた村上直久が、打鐘3コーナーから主導権。井上昌己は7番手まで下げて立て直すとホームから巻き返し、ロングまくりで前団へ迫る。しかし、ペース駆けに持ち込んだ村上が抵抗し、結局井上は出切れない。すると井上マークの園田匠がタテに踏んで抜け出しを図ったが、村上ラインの3番手から最内を突いた鈴木誠(写真)が鮮やかに突き抜けて、激戦を制した。
 「内が空いたので、今日は思い切って踏ませてもらいました。(初日のような展開より)やっぱり混戦の方がいいですね。1着はラインのおかげです」
 直線鋭く伸びた園田匠だったが、わずかに及ばず2着。
 「最内が見えなくて…。(1着取れず)ご迷惑をおかけしました。(井上)昌己さんがまくり切れるかと思ったけど、合わされてしまったので。ギリギリまで待って、最後は踏みました。状態はすごく良いと思います」

<11R>
石川裕二選手
石川裕二選手
 野口大誠が後ろ攻めから動き誘導員後位が入れ替わる。「九州勢から」とコメントした石川裕二(写真)は前受けから下げられずにいたが、野口の上昇に合わせて九州勢とドッキングする。後続を一本棒にして野口は、打鐘の2センターからペースを上げてフルアクセル。筒井裕哉が最終2コーナーから踏み上げるも、菅原晃に番手まくりで合わされ不発。最後は菅原の後ろの石川が差し切って1着。
 「前を取って終わったかと思いました。ラインのおかげですね。関(貴之)さんも後ろにいて、前も駆けてくれて。最後は後ろに関さんがいたので、早めに踏ませてもらいました。状態は昨日よりも良いですね。踏んだ瞬間に出るなと。車が伸びてます」
 番手からまくった菅原晃が2着。野口を残せず手放しでは喜べない。
 「昨日の(野口の)デキなら残らないと思ったんで、焦りましたね。今回から新車。後方になることが多いので、惰性をもらって伸びるようにしてあるんですけど。もう少し伸びが欲しい」
 関貴之が3着に流れ込み、九州、関東の混合ラインで上位を独占。関は検車場に引き揚げて来ると、汗をぬぐいながら口を開く。
 「(記念の準決は)久しぶりです。感じがいいし、結果が出て良かった。石川が早めに抜きにいってくれて、連れていってもらえました。いやー、おもしろかった」

<12R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 打鐘過ぎにハナに立った坂本貴史に守澤太志、佐藤康紀が続くが、前受けの松岡貴久が佐藤と絡みながらさらに1車押し上げて番手勝負。最終ホーム手前で守澤が松岡貴を押し込むと、その隙を村上義弘(写真)が単騎に気おくれすることなく仕掛ける。逃げる坂本を2コーナーでまくり切った村上は、守澤のアシストで番手に入り詰め寄る坂本を振り切って連勝のゴール。
 「自分の判断力を信じて走りました。(1着に)もった、もたないは結果論ですから。あのタイミングで仕掛けて、思い切ったレースができるのがセールスポイントだと思う。どんなメンバーでも後方にならず勝負権のある位置を回るのが自分のポリシーなんで。ただ、修正点はたくさんあると思うんで、そこはしっかりと修正して」
 村上は止め切れずも、木暮安由、新田祐大らを守澤が阻み、村上を追いかける形になった坂本貴史が2着。ラインに感謝しながら、準決へと気を引き締める。
 「守澤さんだと自分もすごく気持ちが入る。でも、自分が流したところを、(村上に)逃さず行かれた。そこで隙を見せたらいけないですね。(出られて)自分のなかではまだ加速しきる前だったんで、あきらめずに踏みました。明日が一番の勝負だと思うんで、敵は強いけど小さいレースだけはしないように」
 松岡貴をキメて坂本の番手を死守した守澤太志は、最終2コーナーで木暮を猛ブロック。続いて新田のまくりも一発で仕留める大立ち回りを演じての3着。
 「(坂本)貴史が踏んでくれているから、自分もさばきやすかった。ああいうことをやっていかないと。(新田は)ちょうど3コーナーだったんで。なんとか形になったし、貴史が頑張ってくれたおかげです」
 最終2コーナーであおりを受けて大きく外に振られた新田祐大は、守澤のブロックで不発。「木暮さんが飛んできたんで、あれはしょうがないですね。(走っていての反応は)問題ないと思うし、明日ふつうにやれれば」と、淡々と振り返った。
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