『久留米競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:6月22日
 久留米競輪開設69周年記念「第24回中野カップレース」が6月23日から開幕する。主力メンバーは高松宮記念杯から中4日での参戦だが、その疲れを感じさせない晴れやかな表情で競輪場入り。4日間の戦いを前に、車体、身体検査を終えた。浅井康太、諸橋愛のS班を迎え撃つのは坂本亮馬を筆頭に総勢9名が参戦する地元、久留米勢。中野浩一氏の冠レース制覇へ、初日から熱い戦いを繰り広げる。
 本場では様々なイベントで記念開催を盛り上げます。開催中は毎日、中野浩一氏による予想会や「スピーチーズ」のライブステージが。初日は「おばたのお兄さん」のお笑いライブや「スタジオMJ」のダンスパフォーマンスも予定しています。「第24回中野カップレース」をぜひ本場でお楽しみください。

<1R>

 オープニングレースは阿部拓真のスピードに期待が集まる。前回の青森は初日予選でまさかの敗退。2場所続けて同じ失敗はできない。
 「最近の自分の感覚はあんまりよくないですね。成績はけっこういいんですけど。でも、前回の青森は初日に飛んでしまって…。久しぶりに先行したんですが、先行したらやっぱり弱いです。今回はしっかり結果を残せるように。朝早いレースはちょっと嫌なんですが、しっかり準備します」
 才迫開は前回の取手GIIIで2勝をマーク。成績の波は激しいが、はまった時の爆発力は凄まじい。
 「調子は徐々によくなっていると思います。取手の感触もよかったです。終わってからけっこう空いたので、練習は普通にやってきました。疲れもいい感じで取れたと思います。自力で行けるところから仕掛けます」


<2R>

 大矢崇弘は5月向日町で落車したが、続く6月静岡では2連対を果たした。
 「落車のケガはほとんどなくて、静岡は感じよく走れました。ここまでけっこう間は空いたんですけど、12から16日まで違反訓練に行ったので、そこまで練習はできてないんです。それが少し心配ですね。状態は悪くないと思うので、自力で力を出し切ります。ラインで決めたいですね」
 須賀和彦は4月松山で待望のS級初優勝を飾った。その後も好調を維持している。
 「優勝はちょっとデキすぎですね。タマタマだと思いますけど、その後も安定した走りができています。前の選手が頑張ってくれているおかげです。今開催で4日間トータルで100点平均で走り切れば、(S級)1班の点数が取れるので頑張ります」


<3R>

島川将貴選手
島川将貴選手
 島川将貴(写真)の先行力が一番だ。1月和歌山以来となる5カ月ぶりの記念参戦に気合が入っている。
 「(5月の)別府まではそんなによくなかったんですが、(2場所前の)岐阜からサドルの位置を後ろにして、感触がよくなりました。練習はいつもどおりやってきました。直前は雨でそんなにできなかったんですが、大丈夫だと思います。初日は先行基本に走ります。駆けるタイミングが重要ですね」
 木村隆弘は5月宇都宮の落車からパッとしないが、徐々に復調している。
 「落車してから1着が取れてないですからね。前に比べると、レース中に余裕がない。ちょっと影響がある感じですね。いまは我慢の時期だけど、よくはなってきています。島川君とは初めての連係。強いから楽しみですね。しっかり付いていって、援護できれば。ワンツーを決めたいですね」


<4R>

 FIではコンスタントに優出し、GIIIでも安定した活躍を見せる岡本総。8月にはオールスター出場も決まり、モチベーションも上がっている。
 「成績はまとまってるんで悪くない。めちゃくちゃよくはないけど、変わらずって感じですね。オールスターは考えてもなかった。夢のまた夢のことが…。自分が一番びっくりしてます。でも気持ちは入りますね。今のままじゃダメなんで、これからもっと力をつけたい」
 特選スタートを逃してしまった林雄一は加賀山淳の番手から勝ち上がりを狙う。
 「予選は覚悟して来ました。(最近は1か月近い欠場が2回)公務が入ったり、GIの権利を取るのに丁寧にいき過ぎた。やっぱり走ってナンボですね。前回(高松宮記念杯)はあまりよくなかったけど、GIを走って記念の予選が楽に感じれば。それを祈りたいです。状態は悪くないので今回できっかけをつかめればいいですね」


<5R>

 櫻井正孝は3月別府の指定練習中の落車から復帰してこれが4戦目。前回の6月青森では復帰後初の1着で決勝に勝ち上がるなど徐々に調子を戻している。
 「徐々によくなってきてる。前回は決勝に乗れましたし、準決勝でまくったタイムもよかった。いい方向にいってますね。前回終わって1日してからこっちに来て合宿してた。昨日は調整したけど、張り切って練習しすぎてオーバーワークになってますね。久留米は冬季移動でもお世話になってるので、しっかり頑張りたい」
 889着だったダービーからピリッとしない佐藤友和はそろそろスランプを脱したい。
 「点数ください(笑)。練習の感触はずっと変わらずいい。ただ競走に行ったときに疲れない。レースで出し切れてないんでしょうね。最近はうまくサドルに座れてないなって感じがする。前回(6月佐世保)終わってから1週間ぐらいしかなかったけど、ヒントになることはあったので。それが楽しみ? 今の点数なんで不安しかないけど、やるしかないんで」


<6R>

 佐伯辰哉は5月川崎の落車から約1カ月ぶりの実戦となる。ここは人気になりそうなだけに、気になるのは状態面だ。
 「(欠場した)高松は落車から中3日だったんで。それを休んだら、ここまで空きました。その間は違反訓練とかに行ったけど、体は問題ない。ここまではやることもないし、練習しかしてません」
 友定祐己が予選スタート。前検日は今シリーズから投入する新車を入念に整備した。
 「2場所前に落車してるけど、体はもう大丈夫。ずっと使ってたフレームメーカーが使えなくなるし、早目に準備しようと思って今回からメーカーの違うフレームを持ってきた。一昨日来たばかりなので、まだ乗ってないけどサイズ自体は一緒なので」
 加藤圭一は目立った成績こそないが、近況は安定している。
 「前回は叩いたけど、状態は悪くないですね。久留米は3月にも352着だったし、確定板にはのれてる感じがする。今回もまずは流れに乗ってって感じですね」


<7R>

吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
 このレースを走る地元3車は同期で、同じ高校の出身。気心知れたメンバーで上位独占を狙う。先頭を走る吉本卓仁(写真)は地元記念に向けて気合いも十分だ。
 「状態はいいんですけどね。最近はやっと逃げようって気になってきた。その勇気すらなかったけど、今はそういう脚にはなってる。残ってないんでアレですけどね。地元記念は毎年走ってるし、自分はコソコソと決勝にいきたい。自分たちが頑張らないと盛り上がらないんで、しっかり頑張りたい」
 田中誠はここ5場所で優出4回。競走得点を大きく上げてきた。
 「1班に戻りたいし、(5月)玉野ぐらいから、点数は計算してやってきたんで。だいぶ集中してるというか、命削ってます。勝負どころは突っ込んでるし、それで届いてるから。前回(6月佐世保)は山崎(賢人)が強かったですね。僕もこんなに調子がよくて、抜けると思って抜けなかったのは初めて。最近は卓仁も差せてないんで、今回は仕留めたいですね」


<8R>

中西大選手
中西大選手
 中西大(写真)はここ久留米の出身。5月京王閣記念は体調不良で途中欠場となったが、その後はFI戦で連続優出するなど状態の不安はなさそうだ。
 「前回の福井は先行できなくて失敗してる。しかも2日目、3日目と同じ失敗をしたのでダメですね。もう同じ失敗はしないように。1番車は苦手なんですけど、頑張ります」
 年末の前橋で落車して左鎖骨を骨折した城幸弘。復帰戦は決勝に乗ったが、その後は大きな着も目立つだけに、ここは中西という強敵を相手にどう戦うか。
 「調子は変わらずですね。ただ前回、青森の前に鎖骨のピンも抜いたし、違和感はなくなった。今期は公傷だけど、来期からにいいイメージを持てるように頑張りたい」


<9R>

山崎賢人選手
山崎賢人選手
 山崎賢人(写真)は5月松阪でS級初優勝を飾ると、6月佐世保では完全優勝。S級の走りにも慣れ、そのポテンシャルを遺憾なく発揮している。
 「練習も普通だし、とくには変わってないんですけどね。ただちょっと考えすぎてたところがあったので、(4月)広島からシンプルに走るようにした。それがよかったんですかね。今度は記念でも決勝に乗れるように。今回は九州勢を引っ張っていければと思ってるので頑張りたいですね」
 坂本健太郎は5月川崎で999着かと思えば、続く佐世保では連勝で優出。と思えば前回の福井で993着と成績の波が激しい。
 「ちょっと気を抜いたら、こんな成績になってました(苦笑)。でも今回は大丈夫だと思う。そもそも999着したときも感じは悪くなかったので。今回はいつもより多めに調整したぐらいだけど、上向きと言えば上向き。山崎君に千切れんように頑張ります」


<10R>

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 ようやく落車禍から抜け出した諸橋愛だが、3カ月以上勝ち星からは遠ざかっている。
 「岸和田(高松宮記念杯)で自分の感覚が戻って来たなと思った。着以上に収穫はあったので、だんだん走れてきてるなと思います。今までは反応が悪くて動けず、脚もなかった。ただ最近は勝ててないんで、あとはきっかけかな。1着取らないと薬にならないんで。スイッチが入るのはそれからですね」
 2度目のGIファイナルに勝ち上がった高松宮記念杯から中4日。決勝戦は脇本雄太に力負けした吉澤純平(写真)だが、気持ちを切り替えここに備えた。
 「GIの準決勝クラスになると力任せに走っても厳しいので、しっかり考えて前々に攻めることができました。新田(祐大)君と力の差はあるけど、10回やって10回負けることはないと思ってます。決勝は後ろが競りになっても自分のやることは変わらなかったんですが、実力負けですね。中4日で疲れを取りながら練習してきました。感触はよかったです。しっかり自力で力を出し切ります」
 高松宮記念杯の2日目に落車した香川雄介だが、欠場することなく最終日には勝ち星も挙げた。
 「(落車で)左手と肩を痛めました。そのあとも走れてるけど、3日目より最終日のほうがキツかった。でも、そのときより悪くなってることはないです。終わってからはケアに努めて、ちょっと練習はしてきました。貴久とは何度か連係しているし、何でもできるオールラウンドプレーヤーですから信頼して」


<11R>

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 小川真太郎(写真)の高松宮記念杯は6398着。大きな着もあったが、準決勝では果敢に主導権を握って番手の原田研太朗の優出に貢献した。
 「宮杯は着が悪いけど、感じは悪くなかった。疲れもなかったし、中4日だけど普通に練習はやってきました。来月の地元記念に呼ばれてないし、ここで無念を晴らします。呼んどけばよかったと思われるように頑張りたいですね」
 地元のエースは坂本亮馬。2度目の地元記念制覇へ、初日は小川の番手でシリーズの好スタートを決める。
 「宮杯は初日に失敗というか(中川誠一郎と)共倒れでダメだったんですけど、残りの3日間は自転車とかセッティングをいろいろと試せました。中4日で急に強くなることはないし、調整程度に練習してきました。前回はちょっとオーバーワークだったんで、それよりはいいと思います。小川君とは初めてだけど、強いので信頼して付いていきます」
 GI連続優出はならなかった山中秀将だが、高松宮記念杯でもシリーズ2連対。引き続き好調を維持している。
 「宮杯は体の状態自体は悪くなかった。二次予選で中団に(吉澤純平に)入られてしまって…。あそこでしっかり位置を取らないとダメですね。初日はあんまりよくなくて、徐々に体が動くようになった感じです。いくら自分の状態がよくても、前の人にそれ以上のスピードで駆けられたら厳しいので、その辺も考えていきたいですね」


<12R>

浅井康太選手
浅井康太選手
 中部の機動型が不在で浅井康太(写真)は初日から自力で戦うメンバーに。それも頭に入れて来ているのだろう。終始リラックスムードで前検日を過ごした。
 「宮杯は失格に終わったけど、準決勝もしっかり走れた。お客さんには迷惑をかけましたけどね。調子は悪くないし、勝負できると思う。マーク屋ですけど、精いっぱい頑張ります」
 芦澤辰弘はダービー、高松宮記念杯と2連続でGIの準決勝に進出。関東屈指の追い込み型として確固たる地位を築こうとしている。
 「宮杯が終わって間もないので、疲れを抜くのにケア中心で来ました。練習も刺激を入れるぐらいですね。GIで勝ち上がれてるけど必死。余裕というのはないし、どこを走っても気が抜けないので楽しむ余裕もないです。脇本(雄太)君とかのタイムが違うし、これからそれをどう打破するか。僕も関東で戦う一員となって頑張っていきたいし、そのためにもまずは積み重ねだと思う。宇都宮の風邪から体も硬くなって調子はまだまだ。とりあえずダービーぐらいの仕上がりを目指したいです」
 中井俊亮はここ2場所FI戦の決勝進出を逃しているが、連対も多く悪くはなさそうだ。
 「渡邉(雄太)君もいるけど、積極的に動きたいですね。対戦はよくあるけど、成績は…。久留米はA級のころのイメージが強いけど、逃げ残れるイメージは強いですね」