『施設整備等協賛競輪in武雄(GIII)レポート』 初日編

配信日:11月25日

 武雄競輪場で第2回施設整備等協賛競輪in武雄「飛龍賞争奪戦(GIII)」が、11月25日に始まった。初日の特選は原田研太朗がまくりで制して、二次予選に弾みをつけた。26日の2日目には、初日特選組も加わり、二次予選の7個レースで勝ち上がりが争われる。
 なお、この開催は900人の入場制限を行った上で有観客開催として実施されます。場内では豪華予想陣による予想ステージ等が予定されていますが、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

田中誠選手
田中誠選手
 金子哲大と吉田篤史の動きを冷静に見ていた松岡辰泰が、打鐘から叩いて先頭に踊り出る。最終ホームで金子が中団外まで追い上げたが3コーナーで外に浮いてしまうと、車間を空けて待ち構えていた田中誠(写真)が自ら外を踏み込む渡邉晴智を張りながら直線で抜け出した。
 「朝一のレースだったので、ウォーミングアップからそわそわしていた。(松岡とは)11月の別府でワンツーが決まって今日(初日)も決まったけど、欲を言えばもう1周早くですかね。流れの中でいってくれれば。自分は中3日ですけど、前検日の朝もグループの練習に参加してきたし悪くない。フレームと前回からのシューズもかみ合ってきている」
 打鐘から1周半の仕掛けに出た松岡辰泰が懸命に踏み直し、直線中のコースを踏む吉田を振り切って2着に入線。
 「ペースが上がり切る前に出て、そこから自分のペースで踏んでいこうと。金子さんがきてると思って踏んだんですけど、中団で併走するような感じになっていたし最後までペースでいけました。ずっと引っ掛かりがある感じでしたけど、重たい感じでもないし脚は問題ないと思います」

<2R>

堤洋選手
堤洋選手
 後ろ攻めから押さえた瀬戸栄作を片岡迪之が打鐘で叩いて先頭に。正攻法の構えから引いて態勢を整えた染谷幸喜が一気のカマシで主導権。3番手の位置でまくり返しを狙った片岡であったが車の進みが悪く、最終2センターで片岡と二藤元太の間を割った堤洋(写真)が直線で突き抜けた。
 「染谷君も強かったですね。カマシに来るだろうとは思っていましたけど。僕は余裕もあって片岡がスーッと出れば付いていくだけでしたけど、進みが悪かったので内にいきました。ちぎれてばかりたっだので、今回からセッティングを大幅に変えたら良くなりましたね」
 初手から中四国勢を追走していた松永将が、堤に続いて2着に入線して好配当を演出した。
 「3場所連続落車で最後は左ろっ骨を骨折でした。ちょっと本数まではわからないですけど。少しずつ治していくしかない。前回よりはちょっと良かったですね。初手はあそこからであとは流れでって感じでしたけど、堤さんが行ってくれたので付いて行った感じです。これをキッカケにしたいですね」 


<3R>

伊藤裕貴選手
伊藤裕貴選手
 後藤悠と土屋壮登が残り2周で一緒に上昇してくると、伊藤裕貴も合わせて踏み込み北日本勢を受ける。中団外に浮いた土屋が打鐘で叩いてそのまま主導権取りへ。3番手の位置を確保した後藤が最終2コーナーからまくりに出たが、伊藤裕貴(写真)がさらにその上をまくってゴール線を駆け抜けた。
 「初手は(前から)3つ目が欲しかったんですけど、後ろでけん制していて出なかったので、作戦にない感じだった。後ろで併走になっていて締めっぱなしになってキツかったですね。ただ(山口)富生さんが上手なのでしのいでくれると思って信頼していました。桐山(敬太郎)さんがしゃくってきたので、無理くりいった感じでしたけど、逆にタイミングは良かったかな」
 道中で桐にからまれながらも伊藤の番手を死守した山口富生が懸命に続いて中部ワンツー。
 「(赤板で伊藤)裕貴だけが先にいってしまって、自分はアンコになって付いていけなかったので桐山も引けなかったんだと思う。併走になったけど、その後は裕貴に付いていけたし悪くないと思います」


<4R>

 川口聖二、片折亮太、荻原尚人の順番で叩いて出ると正攻法の構えから引いた平尾一晃が力強く巻き返して主導権。川口が再び後方から巻き返しを狙ったが、番手の小林弘和が外を張って内を突いてきた荻原を締めながら直線で抜け出して、地元戦で久々の白星を手にした。
 「外に川口君、内に荻原君がいたので、もう少し引きつけていれば良かったですね。地元で1着が欲しくて、早く踏んでしまいました。中3日ですけどまずケアを入れて荒井(崇博)さんと一緒に練習をさせてもらったので」
 荻原をリードしていたベテラン内藤宣彦が、冷静にコースを見極めて直線中を強襲して2着。
 「あの位置が取れるとは思ってなくて、スタートは後ろ以外ならって思っていました。でも、あの位置だとオギ(荻原)の先行になっちゃうし、2車だから難しいなって思っていたんですけど、平尾君が来てくれたのでいい形になりましたね。川口君が来てオギもかぶってしまってどうするんだって見てましたけど、内へいってくれたのでコースが空きましたね」


<5R>

 後ろ攻めから勢いよく飛び出した土生敦弘が、赤板過ぎに先頭に踊り出る。打鐘から巻き返しを狙った伊早坂駿一を最終1コーナーで突っ張り切ったが、両者の踏み合いを冷静に見ながら脚をためていた地元の青柳靖起がスピードよくまくって前団をのみ込んだ。
 「前のレースで小林(弘和)さんが勝っていたので、めちゃくちゃ気合は入りました。今日(初日)は行けるところから行こうと思っていて、前も踏み合ってくれたので。アップはめちゃくちゃ重かったんですけど、地元なので気持ちで走りました。同期の土生さんと初めて対戦だったんですけど、やってやろうと思っていたし勝てて良かったです。今回は勝っても負けても力を出し切るレースをして見せ場を作りたいですね」
 青柳の鋭い踏み出しに付け切った山口貴弘が、4分の3車身差で2着に入線。
 「(青柳とは)今日で3回目でしたけど、自分はいつも確定板に乗っているし相性はいいですね。カマす展開にはならなかったですけど、結果的に展開が良かったですね。シューズを調整して最近はだいぶ良くなりました」


<6R>

三谷政史選手
三谷政史選手
 佐伯辰哉を打鐘で押さえた福永大智が、先頭に立って流しながら後方の様子をうかがう。原田泰志に動きはなく、真船圭一郎が6番手の位置から豪快なカマシを狙ったが、福永が合わせて踏み込みレースを支配。番手で福永をリードしていた三谷政史(写真)が車間を空けて援護しながら、直線で鋭く踏み込み半2車輪交わしたところがゴール線。
 「福永君が強かったですね。出てから後ろにレースをさせなかったですからね。真船君はダッシュがいいのに、平気で合わせ切っていましたから相当強い。自分は真船君が外にへばりつくように軽く張る感じで。上がってきていると思います。(三谷)竜生のビッグフレームに換えて5カ月くらい乗っていますけどいい感じだと思います」
 1周半踏み切ってライン決着に成功した福永大智は、2着での一次予選突破ながら確かな手ごたえ。
 「駆けた感じいけるかなって。軽かったので。踏むのがちょっと遅くて危なかったですけど。本当は真船君の後ろからが良かったですけどね。あそこからだと長い距離を行かないといけなくなるので。風は感じなかったですね。最後は焦ってハンドルを早めに投げてしまった」


<7R>

 近藤隆司を今岡徹二が押さえたあとに佐藤幸治が切って菅田和宏ラインを待って3番手をキープ。車間を空けて間合いを取りながら、最終2コーナーからまくってそのまま力強く押し切った。
 「こられる前に自分で行こうと思っていた。多少体に違和感はあるけど、行けるタイミングで仕掛けられているし悪くないと思う。北日本の後ろを回れば展開もいいかなと思ったし、ある意味いい勉強になりました」
 別線に警戒された近藤隆司は、7番手からまくり上げるも4分の1車輪差で届かず2着。
 「後ろ攻めになってしまったんですけど、結果的に前からのような展開になってくれて良かった。ホームが向かい風だったので後方で脚をためていたんですけど、前がちぎれていたのが見えたので慌てて踏んで。明日(2日目)以降はもっと良くなると思うし脚も軽くなると思う」


<8R>

松川高大選手
松川高大選手
 小谷実が後ろ攻めから上昇すると晝田宗一郎は誘導を残して車を下げる。関根健太郎が打鐘叩いて出ると、松川高大が俊敏に追い上げて南関勢の後ろにスイッチ。晝田宗一郎が一気のカマシを放ったが、最終2コーナーから車を外に持ち出した松川高大(写真)が、友定祐己のけん制を警戒しながら直線でのみ込んだ。
 「風が強かったので、前か中団が取れればって思っていました。晝田君が引いてきた時に自分の内で粘ったら叩こう思いましたけど、下げたので。関根君がまくりに行くかなって思ったんですけど、行かなかったので自分から行きました。キツかったですけど、先行の方がキツいと思いますよ。いい時に比べたらスピードの乗りは全然まだまだでしたね」 
 松岡貴久は直線で松川の外を踏み込むもわずかに届かず、2着で二次予選へとコマを進めた。 
 「まだ痛いところはありますけど、体は大丈夫です。すべて松川に任せていたので。久々にワンツーが決まってうれしい。追走は余裕がありました。抜いていれば一番ですけどね。点数も賞金も上げないとなので頑張りたいですね」


<9R>

 初手で中団に構えた南潤が外併走から叩いてでた原口昌平を叩いて打鐘から一気のスパート。7番手に置かれてしまった山岸佳太であったが最終ホームから反撃を開始。中団の原口が踏み遅れるほど前半から飛ばしていた南が最終4コーナーまで抵抗していたが、力ずくでまくり切ってみせた。
 「1着ですけどあんまり良くない感じですね。展開も作れていないし、中団でちょっと休もうとしてしまって。スピードを殺してしまったので(最終)4コーナーまで勝負を長引かせてしまった。ある程度のスピード域ならホームでいける感じはあるので、あとは気持ちの問題ですね」
 連係を外すことなく続いた尾崎剛が、直線で外を迫り2着に入線した。
 「車番的にキツかったので、後ろより前が取れればいいなと。南も結構、掛かっていたので、入りかけましたけどすかさずいってくれたので。前回は静岡で雨谷(一樹)に離れていたので、今日(初日)は踏み出しに集中していた。思っていたより脚も残っていたし悪くないと思います」

<10R>

 菊池竣太朗が赤板過ぎに嵯峨登昇郎の外で1回止まってから小原周祐を叩いて先頭に。中村一将が後方から力強く巻き返して主導権取りに出たが、俊敏に車を外に持ち出した嵯峨昇喜郎が自慢のスピードでのみ込み後続を4車身引き離して余裕のゴール。
 「今日(初日)は前からで後ろが切って切ってで、バーンとジャンから先行できればって感じでした。でも、菊池さんが外で止まったりして遅くなったけど反応は悪くなかったと思う。スピードの乗りも良かったですね。最後はタレてしまいましたけど、抜かれないように踏みました。最終バックは取りたかったので。もうちょっと周りを見る余裕があればいいかなって」
 嵯峨の番手を回っていた佐藤和也が踏み出しで離れてしまい、中村を巧みにリードしながら抜け出した藤木裕が2着に入線。
 「だいぶ(後ろを)引き付けました。前(嵯峨)を追いかけたら(中村)一将さんが沈んでしまうので。最善は尽せたと思います。2人で勝ち上がれたので。最近は不安定な状況で、前を回っても中途半端でしたし、後ろを回ったら離れたりしていたので。今日はフレームを換えてセッティングも換えて。ホッとしました」


<11R>

稲毛健太選手
稲毛健太選手
 橋本瑠偉、内山雅貴、古屋琢晶の順番で切って流すと、正攻法の構えから引いて態勢を整えた稲毛健太がさらに叩いてペースを落とす。再び仕掛けのタイミングをうかがっていた橋本が後方から一気のカマシを敢行。地元勢を受けた稲毛健太(写真)は3車身ほど空いた車間を焦ることなく徐々に詰めていき、直線で鋭く追い込んだ。
 「落ち着いて走れた思う。初手の順番なら先行しようと思ったんですけど、ちょっと距離が長いかなと。追っかけていった方が楽かなと思って、見てからいきました。9車立てなので無理せず中途半端なことはしないで下げるところは下げて。脚を回せていたし、どこから行くだけでした。日に日に状態は良くなると思うし、ハンドル周りを少し調整して明日(2日目)以降に臨みます」
 橋本をリードしていた古川貴之は、直線で慌てて踏み込むも2着。
 「(橋本が)行きごろなところで仕掛けてくれました。後ろの車間も空いていたし、このまま決まるかなと思ったんですけど、すごいスピードできたので慌てて踏んでしまって」


<12R>

原田研太朗選手
原田研太朗選手
 地元の荒井崇博が号砲と共に飛び出して上田尭弥が正攻法に構える。谷口遼平が1番車を生かして前中団を取り、ライン3車の原田研太朗が中近勢の後ろで構える。後ろ攻めを選択した小原佑太が残り2周で上昇を始めると気配を察知した原田が上田を叩いて青森勢を待って3番手の位置をキープ。すかさず巻き返しを狙った谷口と小原で踏み合う流れになると、タイミングを見ながら最終バックでまくり出た原田研太朗(写真)がそのまま1着でゴール線を駆け抜けた。
 「車番的にも前か後ろ中団のどっちかが取れればと思っていました。先に切って小原君を出させたほうがいいかなって。ちょっと谷口君に入られかけたのは反省点ですけど、そのあとは踏み合ってくれて展開が向きました。1回切って脚を使っていた分、キツかったですけど。高原(仁志)さんがからまれてしまったので、もうワンテンポ早めに行ければ良かったですね。僕にしたら珍しいレースでしたけど、たまにはって感じで。修正点はないのでしっかり休みたい」
 地元の荒井崇博は目標の上田が不発と判断すると、3コーナーで内をすくって2センターから車を外に持ち出して直線で大外を強襲して2着。
 「最後の3コーナーは内に行かないと、自分の勝負権がなくなるので。1着まで行けると思ったけどね。ハラケン(原田)が強かったね。まああおりもあったから」
 原田にまくられながらも谷口の仕掛けに合わせ切った小原佑太が、懸命に踏み直して3着に踏みとどまった。
 「前を取らされるかと思ったけど、自分的には後ろからが理想でした。原田さんなら切って待ってくれると思ったので。あとは上田君が(原田を)突っ張る突っ張らないかだけでした。踏み込みを強くして流れでそのまま前に出たんですけど、谷口さんが早めにきていたので慌てて踏み直しました。もうちょっと早めに踏んでいれば(坂本)貴史さんも付けやすかったと思うので、そこは反省ですね。疲れはありますけどいいパフォーマンスはできていると思います」