『施設整備等協賛競輪in武雄(GIII)レポート』 2日目編

配信日:11月26日

 武雄競輪場で開催されている第2回施設整備等協賛競輪in武雄「飛龍賞争奪戦(GIII)」は、11月26日が大会2日目。準決への勝ち上がりを争った二次予選7個レースでは、地元エースの荒井崇博や初日の特選を制した原田研太朗らが1着をゲット。27日には、シリーズの佳境ともなる準決3個レースでファイナリスト9名を決定する。
 なお、この開催は900人の入場制限を行った上で有観客開催として実施されます。場内では豪華予想陣による予想ステージやスペシャルゲストとして吉岡稔真氏の登場等が予定されていますが、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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小原佑太選手
小原佑太選手
 残り2周手前から上昇してきた内山雅貴が誘導員の後ろに収まる。平尾一晃が静岡勢の後ろに付けて、福永大智が5番手の外まで追い上げて小原佑太(写真)と併走する。内山が腹を括って残り一周手前からスパート。平尾が3番手の位置から先まくりを放ったが、福永を捌いた小原が鋭くまくって連勝ゴールを決めた。
 「できれば前からでしたけど、前中団の展開も考えていました。福永君が自分の後ろになったので福永君に先行されるのは嫌だなって思って、誘導を残して下げたんですけどね。でもああなったら勝負するしかないので。予想外でしたけど。やっぱりヨコは得意じゃないです。直線が長いから最後は差されたかと思いましたけど粘れて良かったです」
 小原に捌かれて外に浮きかけそうになった福永大智であったが、小原マークの佐藤和也が離れていたため、追い掛ける形から直線で鋭く迫り2着。
 「あの位置が取れると思っていなくて、切って切ってで行こうと思ったんですけど小原君に内で粘られたので。あそこから叩いてカマされるのはちょっと嫌だった。出させるにしても難しい位置だったので。初めての展開でどうしたらいいか分からなくなってしまいました。行きたいところで飛ばされてしまったし、大失敗でしたね…。どかされたし差せなかったし完敗ですね。脚は悪くないけど自分らしいレースができなかった」

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上田尭弥選手
上田尭弥選手
 後ろ攻めを選択した土生敦弘が赤板手前で誘導員を降ろして先頭に立つ。桐山敬太郎が中団まで追い上げて、上田尭弥(写真)ら九州勢は7番手まで下げる形で打鐘が鳴る。中団で車間を空けながら間合いを取っていた桐山が最終2コーナー手前から先まくりを放ったが、大外を踏み込んだ上田がまとめて前団をのみ込んだ。
 「阿部(兼士)さんまで連れ込みたかったですね。あまり内容が良くないですね。ジャンからカマそうかなとは思っていたんですけど、土生君がフカしていたのでまくりしかないと思って切り替えました。詰まってきたのでいけるかなと思ったんですけど、キツかった。持ち味の逃げが決まっていないので、明日(27日)はタイミングを見て行けるところで仕掛けたいです」
 4コーナーから車を外に持ち出した松岡貴久が桐山の仕掛けに乗って踏み込む白戸淳太郎に伸び勝ち、同県の上田に続いて2着をキープ。
 「ワンツーが決まって良かったです。(上田が)もがける距離が一番長かったし乗り越えるんだと思って付いていました。だいぶ外を回されましたけど、練習でもあの辺を踏んでいるし問題はないかなと。抜けていないのでまだまだですけど、落車前より上げていきたいですね」


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高原仁志選手
高原仁志選手
 近藤隆司が赤板過ぎに押さえた上を青柳靖起が切る。青柳が流して様子を窺っていると、打鐘から外を踏み込んだ片岡迪之がその上を叩いて先行態勢。6番手の位置となった近藤が打鐘過ぎ4コーナーから巻き返しを狙ったが、外に車を外した青柳の動きを見て踏み込むのをやめてしまう。後方の稲毛健太は誘われるままに内へと潜り込み苦しい展開に。軽快に逃げる片岡をリードした高原仁志(写真)が内、外を気にしながら援護して直線で鋭く追い込んだ。
 「細切れ戦だったので周りもどう動いてくるのか分からなかった。出たところ勝負でしたね。でもまさか先行までは考えていなかったのでビックリですね。ホームで青柳君が仕掛けてきたのか、浮いたのかわからなかったですね。3コーナーで一本棒になっているのがわかったんですけど、直線が長いのでいつ来るかって感じで不安はありましたけど。連戦でちょっと重いというかダルさがあるけど日に日に良くなっていってくれれば」
 打鐘から絶妙ペースで駆けて2着に粘り込んだ片岡迪之は確かな手応えをつかんだ様子。
 「取れた位置から仕掛けようと思っていました。いい内容だったと思います。今日(26日)はもうアップから昨日とは全然違って久々に手応えがありました。力を出し切れれば何とかなると思っていました。そこだけですね、出し惜しみしないように。明日もしっかり今日くらいになるように準備したい」


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原田研太朗選手
原田研太朗選手
 吉田篤史が残り2周から勢いよく駆けだす。正攻法に構えていた佐藤幸治が近畿勢を送り出して3番手の位置に収まると、山岸佳太が立ち遅れまいと5番手に追い上げて打鐘を迎える。後方に置かれてしまった原田研太朗(写真)であったがどっぷりと構えることなく打鐘過ぎ2センターから力ずくでロングスパート。合わせて踏みだす山岸にも怯むことなく外を踏み切り堂々と押し切った。
 「今日は長い距離を行きたいなと思っていたし、早めに巻き返せて良かった。山岸さんが僕の所でフタしてきたのですんなり下げて行けるところでと思っていた。もうちょっと早く行けたんですけど山岸さんの動きを見て少し遅くなりました。(三宅)達也さんは差し脚ある人だし、押し切れたのは良かったです。競輪祭はテレビで見て経験できなかった悔しさがあるし、練習から気持ちを入れて頑張っています」
 中四国勢に出切られると、その後位に切り替えてきた山岸を最終4コーナーでひと振りして鋭く追い込んだ三宅達也であったが8の1車輪差で2着。
 「研太朗が強かったですね。出切ってこれはいくなという感じだったし、あとは後ろを見て警戒して。自分も付いてて余裕はあって、最後も抜いたと思ったんですけどね。今回はシューズのサンとセッティングを変えて、前回は離れたけど今日(26日)は付いていけたし悪くないです」


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晝田宗一郎選手
晝田宗一郎選手
 橋本瑠偉が赤板過ぎに押さえた後に晝田宗一郎が切ってペースダウン。染谷幸喜が打鐘手前で内へ切り込むと、外に浮かさる形となった橋本が再び踏み込み先行態勢に入る。谷口遼平は後方でどっぷりと構えたまま動けず、残り1周でラインごとに車間が空いたタテ長の隊形で一本棒に。最終バック付近から踏み込んだ晝田宗一郎(写真)が小林弘和のけん制を交わしてそのままゴール線を駆け抜けた。
 「作戦はなかったですね。取れた位置から体が動くままに野生の勘で。押さえて駆けても2車だったので、厳しいかなって。前のレースも残っていなかったので。来なければ腹を括って駆けましたけど。染谷さんは内をしゃくってましたし、橋本さんが来たのでいい展開になりました。谷口さんもついてきていなかったので。吸い込まれる感じで行けましたし4着には入れると思った。120%出し切りました」
 好位からまくった晝田を追走した堤洋は絶好展開かに思われたが、4分の3車輪届かず2着で入線。
 「晝田君が強かったですね。普段、先行しているからまくりに回ると強いね。千切れそうでやばかったです。抜きたかったけどもういっぱいでした。けど晝田君が巧かったね。晝田君のおかげです。セッティングをいじるかちょっと考えます」


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坂本貴史選手
坂本貴史選手
 後方8番手の位置から押さえて出た南潤が打鐘で松川高大の上昇を阻みペースアップ。中団外まで追い上げてきた薦田将伍の仕掛けにも合わせようともがき合い覚悟で主導権取りに出たが、正攻法から引いて態勢を整えていた嵯峨昇喜郎が最終ホーム手前からロングスパート。番手を回っていた同県の坂本貴史(写真)が後ろの状況を確認しながら余裕を持って抜け出して青森ワンツー。
 「(嵯峨が)いいタイミングで仕掛けてくれた。踏んだ瞬間に大丈夫かなという感じで付いてました。青森記念でも連係していたし、嵯峨君がいいレースをしてくれました。昨日(25日)の方がバンクコンディションが良くて楽だったんですけど、今日もしっかり付いていけているので悪くないと思う」
 長い距離を踏み切った嵯峨昇喜郎はバンクの重さと寒さに苦しみながらも2着で準決への切符を手にした。
 「初手の並びが思ったのと違ったんですけど、結果オーライですね。薦田さんがいくかいかないか分からなくて見てからですけど、タイミングは良かった。踏み出しは良かったんですけど出てからが重くて最後の方はタレてきていましたけど、貴史さんのおかげで粘れました」


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荒井崇博選手
荒井崇博選手
 正攻法に構えていた今岡徹二が後ろ攻めから上昇してきた伊藤裕貴を突っ張ると、外を回して付け直した友定祐己の上を荻原尚人が叩いて先頭に立つ。そこへ反応良く車を外に持ち出していた松岡辰泰がダッシュ良く巻き返して主導権取り。3番手を回っていた坂本晃輝は離れてしまい最終ホーム手前で伊藤。友定と接触して3名が落車するアクシデント。余裕を持って松岡をリードしていた地元の荒井崇博(写真)が車間を空けながら荻原以下を何度も見やってけん制しつつ抜け出して白星を奪取。
 「スタートで前を取りそびれた。ひと脚で決まるなら前よね。その後ろだとひと脚ではちょっと長いよね。ラインで決めたかったけどしょうがない。(松岡は)ちゃんと踏めていたし、後ろからくる気配もなかったから。ワンツー決まってよかった。(落車で3名落車したことは)なんとなくわかった。あとは(決勝まで)どれだけもつかよね」
 二日連続となる積極策で機動力をアピールしている松岡辰泰が2着に踏みとどまり九州で決着。
 「本当は前が良かったですけどね。一発狙ってカマシの方が得意なので。でも前中団になったときも考えていました。ちょっともつれてワンテンポ遅れましたけど、そのあとは流れで仕掛けられました。ずっと8割くらいで踏んでいってって感じでした。ホームが追いでバックがむかいなので、バックで耐えられればホームでもう一回、追ってくれるので。脚は悪くないですね」