『施設整備等協賛競輪in武雄(GIII)レポート』 3日目編

配信日11月27日

 武雄競輪場で開催されている第2回施設整備等協賛競輪in武雄「飛龍賞争奪戦(GIII)」は、11月27日に3日目を迎えた。地元の荒井崇博に熊本勢が3人と、九州地区は4人が決勝にコマを進めた。11月28日の最終日には、初日特選から3連勝で勝ち上がった原田研太朗、九州勢らによる決勝が行われる。
 なお、この開催は900人の入場制限を行った上で有観客開催として実施されます。場内では豪華予想陣による予想ステージ等が予定されていますが、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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松岡辰泰選手
松岡辰泰選手

五十嵐力選手
五十嵐力選手
 晝田宗一郎が後ろ攻めから押さえて出たが、山岸佳太が打鐘手前で叩いて先頭に。正攻法の構えからさっと引いて態勢を整えた小原佑太が青柳靖起に合わせて一気に踏み込む。松岡辰泰(写真)は外に浮かされる形となった青柳を冷静に迎え入れて残り1周。最終バックから青柳が、再び反撃に出たが車の進みはイマイチ。冷静に車間を空けて前の動きを見極めていた松岡が、最終2センターから外を踏み込み直線で突き抜けて初のGIIIファイナルへと進んだ。
 「準決に乗ってもここまでは999(ずべて9着のスリーナイン)だったので、まさか1着が取れると思っていなかったです。(松岡)貴久さんが後ろにいたのでちょっと迷いましたけど、まだ早かったので(青柳を)迎え入れました。誰も来ていませんでしたし。自分は脚を使っていなかったですけど、青柳君はキツいかなって見ながら、すくうか外をいくかって考えながら最後は踏みました。まくり追い込みは得意なので。初日、2日目と長い距離を行っていたので今日(3日目)はショートで楽でした」
 小原を巧みにリードしていた五十嵐力(写真)は、絶好の展開に思われたが直線で伸び負けて4分の3車輪差で2着。18年の佐世保記念以来のGIII決勝にたどり着いた。
 「小原君とは初めてでしたけど、新人であんなにトリッキーな動きができるってなかなかないですよね。どのくらい強いのかもわからなくて、怖くて車間も空けられなかったです。道中でまくりも来なかったですし、青柳君もちょっと後ろで止まったので脚はたまっていました。(ラインで)決まったかなって思ったんですけど、スピードが違いましたね」
 松岡を追走していた松岡貴久は、直線を踏み込み3着で決勝進出。近況の悪い流れをようやく断ち切ることができた。
 「中団から流れでって感じで、若い2人に任せていました。ちょっと青柳君も経験不足というか甘いところがありましたね。でも、一歩、一歩経験を積んでいってもらえれば、ポテンシャルはあるので。(最終ホームで)タツ(松岡辰)は入れるだろうなって感じでしたし、後ろだけ確認してました。2着にいきたかったですけど。現状はこんなもんですかね」

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原田研太朗選手
原田研太朗選手

内藤宣彦選手
内藤宣彦選手
 後ろ攻めから押さえた染谷幸喜は原田研太朗(写真)を打鐘手前で突っ張り、嵯峨昇喜郎が率いる北日本勢を受ける。平尾一晃が最終ホーム手前から力ずくの巻き返しに出ると、松川高大が離れてしまい嵯峨が番手に収まる展開に。態勢を立て直してホームで中団まで追い上げていた原田研太朗が、最終2コーナーから踏み込むと一気に加速。平尾の番手から抜け出す嵯峨の上を乗り越えて、ゴール線を先頭で駆け抜けた。
 「高原(仁志)さんのおかげですね。入れてもらったので落ち着いて仕掛けました。嵯峨君がハコに入っていたので、コーナーに入る前にいければと思っていた。何よりも(高原と)ワンツーがうれしいですね。最近はなかなか準決でラインで決められていなかった。今回は普段お世話になっている高原さんや堤(洋)さんと一緒の開催で気持ちも入っている。しっかりダウンして決勝に臨みます」
 打鐘手前で外に浮いてしまった原田を冷静に迎え入れてしっかりと追走した高原仁志が懸命に食らいつき2着に入線。
 「しんどかったですね。いろいろ動きがありましたけど、結果的に(原田)研太朗のレースになってくれましたね。初日に失敗していたので、乗り越えた時はホッとしました。日に日に良くなっている感じだし、決勝まで疲れを抜いていきます」
 連日、動きの良かった嵯峨を的確にリードして、ベテランの内藤宣彦(写真)がしぶとく3着に食い込んだ。
 「原田君が後ろにいたので、(嵯峨が)切るのかどう動いてくるかわからなくて。踏んだ時に口が空いてしまってキツかったですね。3着に入れましたけどメンバー的に助かりました」

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荒井崇博選手
荒井崇博選手

上田尭弥選手
上田尭弥選手
 正攻法に構えていた福永大智が、後ろ攻めから上昇してきた片岡迪之の動きを見ながら残り2周手前から誘導との車間を空けはじめる。打鐘手前で坂本貴史が片岡を叩いて先頭に出ると、上田尭弥が後方から力ずくのカマシを敢行。内から合わせて踏み込んだ福永は坂本と3番手の位置で外併走に。上田が最終1センターで外に上がると坂本が荒井崇博(写真)をすくって番手を奪取。地元の荒井は決勝進出へピンチに思われたが、4コーナーから車を外に持ち出した坂本を半ば強引にどかして直線で突き抜けた。
 「危なかったね、(最終)4コーナー。転ばしそうになってしまった。でも良かった。今日(3日目)はもう全部、上田に任せていたので。(上田には)1センターは上がらにずにまっすぐ走って欲しかったけどね。まっすぐ走ってくれていたら、俺がやってあげられたから。俺が降りないと上田がすくわれちゃうって思って降りたらちょっと遅れてしまったね。もう上田は最後まで粘るだろうし、あとは俺がどうするかってだけでしたね。上田のおかげだね。福永君も踏み合ってまで先行って感じじゃなかったし、上田は(福永が)切ったあとを叩いても良かったね。まあでももっとしっかり付いていかないといけなかった」 
 今シリーズは連日、まくりに回っていた上田尭弥(写真)だったが、正念場の準決は持ち味の先行力を誇示して2着で決勝進出を決めた。 
 「前中団を取れれば自分の展開に持っていけると思ったので。自分のタイミングで行けました。あとは福永君がカマしてくるかだけ警戒して駆けました。波をつくった時に後ろがゴチャついてしまって申し訳なかったですね。自分は2コーナーで上がりたいタイプなので、クセで上がってしまいました。でも今日(3日目)は本来の先行ができたので良かったです。今日が一番緊張しましたし、疲れはあるけどあと1日頑張りたい」
 判断良く前々に攻めた坂本貴史は、わずかに残っていた力を振り絞り気力で3着に入線。
 「車番が悪かったし、取れた位置から組み立てようと考えていました。福永君が前だったので、上田君が切って出させる流れになるのは嫌だなって。でも寬仁親王牌で(佐藤)友和さんにもらったアドバイスが生きました。本当は福永君のところで遅れちゃダメですけどね。いっぱい、いっぱいでしたけど1車でも前へと思って踏みました。(上田の)番手から出る脚はなくて、最後も荒井さんにいいのをもらって腰砕けになったしまったく踏めなかったけど、気持ちでなんとか3着に入れました」