『武雄競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月25日

 武雄競輪場で開催されている開設72周年記念「大楠賞争奪戦(GIII)」は、4月25日に3日目を迎えた。決勝をかけて熾烈な戦いが展開された準決では、3連単で97万円を超える配当が飛び出した。シリーズもいよいよ大詰め、4月26日の最終日には、S級S班の3人をはじめ、激戦を勝ち抜いた9人による決勝が行われる。
 なお、最終日も、予想ステージ、武雄競輪場公園付近でのお祭り縁日屋台、キッチンカーなどのイベントを予定しています。武雄競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<10R>

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 赤板過ぎに中団の山田英明が先に切って出る。島川将貴は内の吉田拓矢を警戒しながら、打鐘前に踏み込む。島川が先頭に立ち主導権を握るが、4コーナーで吉田がスパート。島川がペースを上げて最終周回。4番手に飛び付いた山田は前との車間が空くが、吉田はそのままスピードに乗せて前団に襲い掛かる。2コーナー過ぎに吉田がまくり切り、佐藤慎太郎(写真)がソツなく続く。3番手の櫻井正孝は遅れ気味も3車が出切る。山田は切り替えた池田憲昭とからんで前が遠い。番手の佐藤が吉田を交わした。
 「あそこは外に浮きながら行くところで難しいけど、(吉田は)ちゅうちょなく行って、力でねじ伏せてくれた。自分はいつ1着が取れるかわからないので、目の前の一戦をっていう気持ちでいます。勝ち上がれていることもうれしいけど、1着を取れているので自分の状態もいいのかなと」
 打鐘の4コーナーから反撃に出た吉田拓矢(写真)は、空いた中団に目もくれず、そのまま一気にまくり切った。
 「(ラインで上位独占なので)言うことない。あれで最後抜かれなければ100点だった。島川さんと力勝負かなと思ってたんで、(島川が)行ったところを無理やりでも行く気持ちだった。ヒデさん(山田)が(前と)空いてたんで、詰める勢いでもうひと加速できた。(乗車フォームで)若干、体がハマってなかったかなというのがある。でも、出足はいいので、あとひと粘りですね」
 遅れながらも吸い込まれるように前団を乗り越えた櫻井正孝は、S級S班の前の2人に脱帽しきりで振り返る。
 「全部、ヨシタク(吉田)、(佐藤)慎太郎さんがやってくれたんで。僕は付いていただけだった。今日(準決)の3番手の使命は付いていくことだけ。それで迷惑を掛けないようにと。全部、(前と)空いてしまった。でも、気持ちが折れないで追いかけたので、それで3着に入れて車券に貢献できたのかなと」

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稲川翔選手
稲川翔選手

平原康多選手
平原康多選手
 誘導を残したまま町田太我が引いて、小松崎大地が先頭に立つ。3番手に稲川翔(写真)がスイッチして、平原康多は5番手。8番手になった町田は赤板2コーナーから踏み込む。が、小松崎もペースを上げて駆ける。最終1コーナーで町田が出切るが、橋本強は付け切れず小松崎が飛び付く。平原は町田を目標にロングまくり。合わせる町田を平原がとらえるも、木暮安由をさばいた稲川が今度は守澤太志をすくってシャープに突き抜けた。
 「チャンスがある位置を自分で取りにいかないと話にならないので、初手は考えていた。全員をいかしてしまうと、厳しくなるし、前々に踏んでやった結果です。平原さんにスイッチして乗っていければ良かったけど、木暮も強い選手だし、そう簡単にはいかなかった。まだまだ甘いですね。最近のなかではすごい状態はいいです」
 さすがの反応でロングまくりを放った平原康多(写真)は、町田をねじ伏せて2着。
 「橋本が離れて降りたのでツーテンポくらい遅れました。小松崎とあたりながらで、なんとか町田を乗り越えた感じです。町田も掛かっていましたね。それなりにやってきたことが出せていると思う」
 稲川にからまれて連結を外した木暮安由だったが、最後は狭いコースを突いて意地で3着に入った。
 「(稲川に)からまれたところが、一番キツかったですね。車体故障したのかと思って、後ろを見たら大丈夫だったので突っ込むしかなかった。(最終)3コーナーからは内しかなかったですね。初日、2日目に比べれば、全然いいです」

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村上義弘選手
村上義弘選手

諸橋愛選手
諸橋愛選手
 打鐘で出た長島大介の上を、間髪入れずに柴崎淳が出て先行策。7番手の松浦悠士は4コーナーから仕掛ける。3番手の長島がまくるが、岡本総の横まで。長島に遅れた諸橋愛は、長島後位に入った松浦をすくい、さらに岡本を弾いて追い込む。諸橋が抜け出すも、三谷竜生マークから中のコースを鮮やかに追い込んだ村上義弘(写真)が1着。
 「(三谷が)いったんは松浦よりも前の位置が取れたけど、松浦の巻き返しが早かった。その辺はさすがですね。(最終バックの辺りからは)外のラインが伸びてたら、また違う判断をすべきところだった。(三谷)竜生も伸びそうなところもあったんで、1回見てからでした。コースを迷った部分があるけど、(結果的には)このバンクの一番いいコース、外の伸びるコースだった。前回の岸和田ではコンディションが上がってきてなくて、自分にガッカリしたところもある。ただ、(今回は)人の後ろに付いていても、前回よりは楽な感じがある」
 長島の踏み出しに反応し切れなかった諸橋愛(写真)だったが、その後はらしいコース取りで2着に入った。
 「タイミングというより自分の油断で(長島に)離れてしまって、そこを松浦に入られた。いっぱいで離れているわけではないので、リカバリーできた。もう(自分が)遅れちゃってるんで、合った人間をどかそうと。(最終)バックは詰まってきたんで、もう行けるところまでと。ホームで脚を使ってた分、最後は伸びなかった」
 松浦ライン3番手で外に浮いた大坪功一は、最終2センターでもまだ最後方。しかしながら、内よりのコースがぽっかりと空いて3着に届いた。
 「脚力的に劣っているので、イチかバチかだったけどセッティングをいじった。伸び仕様にしました。運が良かった。あそこ(のコース)がたまたま空いた。(3連単が97万円超の配当で)肝心なところで絡めなくて、申し訳ないですね」