九州勢が6名ファイナルに進出し、並びが注目されたが、荒井崇博(写真)は迷いなく準決勝Aで連係した北津留翼の番手を選択。その北津留が大塚健一郎にまくられる展開となったが、切り替え策から渾身のV差し。地元記念にかける荒井の執念が実った。 「ホッとしました。今日は翼が突っ張る作戦。昨日の強さなら、それでもワンツーが決まると思ったから。でも、4回転で踏み上がらなかったみたい。やっぱり3・71に下げるようにアドバイスした方が良かったかな。そこが誤算でした。大塚さんはもう止められるスピードじゃなかったし、切り替えるしかなかった。最後はもう見境なく踏んでいました。苦しかったけど、抜けて良かったです。今回は調子どうこうではなく、勝たないといけない場所。そこできっちり勝てたのは大きい」
3連勝と無傷で勝ち上がった大塚健一郎は準Vに終わったが、見せ場十分のレース内容だった。 「亮馬は前を見ながら踏んでいましたね。1回バックを入れてから仕掛けたので、スピードに乗せ切れなかった。でも、荒井と力勝負できたから納得です。荒井の優勝で良かった」
3着の原司も弟子の優勝を祝福する。 「荒井が優勝してくれたし、良い形で終われたと思います。打鐘からみんなで踏み合いになって最後はヘロヘロだったけど、直線もそれなりに伸びました」
荒井マークの藤野光吉は4着に入るのが精一杯だった。 「ブロックして戻った後に内に差してしまいました。2コーナーで荒井が出てくれれば、たぶんワンツーでしたね。でも、これが三番手だからしょうがない。地元記念の決勝の雰囲気を味わえたし、いい勉強になりました。もっと点数を上げて、今度は自分が主役となれるように頑張ります」
北津留翼は前受けから突っ張って先行。荒井の優勝に大きく貢献した。 「前を取って出させない作戦でした。さすがに疲れましたね。2人は何とか合わせたけど、大塚さんのまくりまでは…。4回転だからもう少し惰性を付けて仕掛けたかったけど、内も空けられませんからね。上手く踏み上がらなかった。でも、荒井さんが優勝してくれたから良かったです」
北津留と別線となった坂本亮馬はサバサバとした表情でレースを振り返る。 「いい展開だったんですけどね。荒井さんが番手から出られるので、見ながら仕掛けてしまった。今日の北津留はかかっていなかったし、思い切り踏めば出切れたかもしれません。ちょっともったいなかったけど、いい経験になりました」