『開設59周年記念武雄競輪(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:12月19日


 昨晩降った雪がまだバンク内に残るなか、武雄記念開設59周年記念「大楠賞争奪戦」は初日を迎えた。底冷えの寒さでもバンクでは1レースからハイレベルな戦いの連続。ともに3勝を挙げた佐賀勢、東京勢がシリーズの好スタートを切った。明日(20日)は優秀の「飛龍賞」をメーンに二次予選A、Bで準決勝への勝ち上がりを争う。
 明日は先着1000名様に配布される投票券で優秀競走「飛龍賞」の1着当てクイズに応募し、正解者から抽選で1名様に武雄温泉ペア宿泊券、5名様に武雄特産品が当たります。さらに緒方浩一氏による展開予想会、そして明日は地元選手会によるチャリティーオークションも開催されます。ぜひ武雄競輪場へご来場ください。


<1R>
柴田洋輔選手
柴田洋輔選手
   オープニングレースは柴田洋輔(写真)が豪快なまくりで久々の勝ち星を挙げた。
 「8番手になったときは焦ったけど、隊列が短くなったところを行こうと思ってた。余裕はありましたね。久しぶりの1着で嬉しいです。やっと(ファンの期待に)応えられた。よかったです」


<2R>
 ホームで上手く3番手に入った中野功史が2コーナーまくりで見事に一次予選を突破した。
 「今日は3番手をスンナリ取れた。そこだけですね。展開的には小島(雅章)さんを出したほうがよかったのかもしれないけど、流れの中で勝てるポイントが取れた。とりあえず初日は勝ち上がれたので明日頑張らないと」
 切り替え2着に食い込んだ村上清隆は「誰もいなかったので切り替えられたけど、ちょっと反応が悪かったね。今日は恵まれてだけど、感じは悪くない」とレースを振り返った。


<3R>
鈴木雄一朗選手
鈴木雄一朗選手
   記念初参戦の鈴木雄一朗(写真)がまくって快勝。ラインで上位を独占した。
 「ほんとは中団から攻めたかったんですけどね。押さえたと思ったら、すかさず村上(卓茂)さんが来た。ホームで永田(修一)さんが内に行ったのはラッキーだったけど、そのときは余裕がなかった。あんなときほど余裕を持っていかないといけないのに。とりあえず勝ち上がれたので、明日からは先行したい」


<4R>
 小林弘和が逃げ切り。地元勢の初勝利を飾った。
 「寒くて重かったですね。作戦は中団か前からだったけど、後ろになっても落ち着いて行けと言われてました。森田(康嗣)さんも引いてたので斬らなくてもよかったけど、結果的に斬って正解でしたね」
 池田浩士は2着で二次予選に進んだ。
 「ちょっと緊張しすぎた感じですね。でも弘和が落ち着いて走ってた。強かったですね」


<5R>
 一ノ瀬匠の先行に乗った原司がゴール前で内、外を来られる展開をしのいで1着。
 「打鐘でゴチャ付いた分、工藤(政志)くんにスンナリ3番手に入られてしまった。工藤くんの仕掛けには反応できたけど、内に入って来られた。もう少し匠を残せればよかったけどね。際どかったけど勝ててよかったです」
 2着には内を突っ込んだ藤田竜治が入線した。
 「工藤くんが強気に攻めてくれた。突き抜けるかなと思ったけど、何でしょうねえ。ちょっとからんだのが原因かな。重いと思ったら、意外と引っ掛かりがあったし悪くないですね」


<6R>
石渡正也選手
石渡正也選手
   白井圭一郎の当日欠場で8車立てとなったこのレース。打鐘から先行した高谷雅彦に乗って、番手の石渡正也(写真)がきっちり抜け出したが、レース後は浮かない表情。
 「もうダメですね…。余裕はあったんだけど、思ったより車間が空かなかった。2センターで高谷さんが外線を外してたのも気になったけど、僕の技術不足です。結果は1着だけど、高谷さんを残せず恥ずかしい」
 上手くペースに持ち込んだ高谷雅彦だったが4着に。「脚を使わずに駆けられたけど、ダメでしたね。S1の点数に勝負なんだけど」。二次予選Bからの準決勝進出で点数アップを狙う。


<7R>
吉村和之選手
吉村和之選手
   峠祐介が先行態勢に入ると、藤田剣次が番手で粘る。2コーナーで郡司盛夫、小林豊が落車するアクシデントがあったが、これを避けた吉村和之(写真)が鮮やかなまくりで1着をさらった。
 「(落車しそうで)ヤバい状態が見えてたので避けられた。藤田くんの動きで自分がどうするかだったけど、粘ってくれてモツれたのでいい展開になった。明日もチャンスがあれば頑張りたいですね」
 前がモツれると、とっさの判断で峠の番手を奪った小笠原弘高が2着に食い込んだ。
 「菊池(崇訓)くんは持って行く動きが大きいし、口が空くと思ったので上手く体が反応した。吉村くんが来なければ1着ですからね。体が動いてる」
 逃げた峠祐介は6着に敗れたが、「モガいた感じはいいけど、もうひと息スピードが足りないような。でもバック向かいで脚を使ったし、自分の形にはできてる」と明日から仕切り直しに自信をのぞかせる。


<8R>
 逃げる阿竹智史の番手を木本賢二が奪うと、中団の浦川尊明がバックまくり。さらに上をまくった小埜正義が豪快に前団を飲み込んだ。
 「いいときは思う前に動けてたのが、思ってから動くようになってる。かみ合ってないので今日も夢中でしたよ。行こうと思ったら先に行かれたのでビックリした。とりあえずラインで決められてよかったです」
 2着に続いた山田幸司だが浮かれる様子はない。
 「10月に落車した体はだいぶよくなってます。最近は2日目で負けてるので、頑張らないといけないですね」
 先まくりを打った浦川尊明は3着で二次予選Aに勝ち上がる。
 「飛び付いても内が重いし、内に詰まってしまうくらいならまくり一発でと戸邉(英雄)さんとも話してた。あの上を行かれるのは仕方ないですね」


<9R>
紫原政文選手
紫原政文選手
   打鐘から三和英樹が主導権を握ると、中団の田中誠がバックまくり。この動きに乗った紫原政文(写真)が久々の勝ち星をゲットした。
 「4月(西武園記念)以来ですよ。誠もけっこう行ってくれて、これがいいきっかけになりますね。やっと1着が取れて元気が出ました。やっぱりいいですね、1着は(笑)」
 三和の先行を利した南修二が2着に入る。
 「何とかもう少し仕事ができればよかったけど…。今日は寒くて苦しかった」
 7番手から外を強襲した佐藤友和が3着で「飛龍賞」へ。
 「何とも言えないレースでしたね。余裕はあったけど、タイミングを遅らせ、遅らせってされて。でも4コーナーあの位置から届いたんだから調子はいいですね」
 僅差で4着に敗れた梶應弘樹は「友和を来させないように走ったら内が3着に残ってしまうし、思い切り踏んでの勝負しかなかった。後ろで気配は感じたけど、あっと言う間に来られたね。あのスピードが羨ましい」と悔しがった。


<10R>
廣川貞治選手
廣川貞治選手
   打鐘過ぎに先頭に立った松岡健介をホームから渡邉一成が一気に叩く。これをバックから石毛克幸がまくったが伸びを欠くと、石毛後位から最後は中を割った廣川貞治(写真)が鋭く突き抜けた。
 「競輪祭のときに(平原)康多たちにセッティングを見てもらって、前回(大垣F1)から使ってるフレームでもそのままのセッティングで走ってる。今回のフレームは前半を縮めて取り回しがよくなってるし、ギアを一枚上げてるのも合ってますね。東京勢で3連勝ができて、とりあえずよかったです」
 岡部芳幸は廣川の動きが予想外だったようだ。
 「廣川さんがあのコースに入ってくるとは思わなかった。僕は一成のダッシュに付いて行くことに集中してたし、今日は一成が頑張ってくれた」
 逃げた渡邉一成は3着に粘った。
 「今日は寒いし、バンクが重い。踏み出しはよかったけど、出てからがキツかった。明日、天気がよくなってくれれば走りやすいかな」
 まくり不発の石毛克幸は「バックで休んだのが失敗。あれで勢いを殺してしまった」とガックリ。


<11R>
小倉竜二選手
小倉竜二選手
   逃げる北津留翼に三宅達也がまくりで迫ると、番手の荒井崇博が合わせて番手まくり。そのまま後続を振り切って地元記念の好スタートを切った。
 「翼の気持ちが嬉しかった。達也さんのまくりを止めたかったけど、止められるスピードじゃなかったので翼の気持ちに応えるためにも番手から行った。みんな重いと言ってるけど、重いバンクは自分に合ってる」
 上手く荒井の番手に三宅を入れた小倉竜二(写真)が2着に食い込んだ。
 「内も外もいなかったし、達也もまだ踏んでたから入れた。達也がタレてれば考えたけど、瞬時に判断ができたね。前回の失格で立ち直れんかと思ったけど、今日は落ち着いていけた。問題ないと思う」
 3着で「飛龍賞」に駒を進めた三宅達也は小倉に感謝しきり。
 「3コーナーで合わされたけど、小倉さんに入れてもらったおかげです。僕が明日は(前を)任せたいくらいですよ(笑)。出切ったと思ったけど、荒井が強かったですね。2日目の優秀は気持ち的に大きいです」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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