『開設59周年記念武雄競輪(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:12月20日


 昨日までの寒さもやわらぎ、時折小雨はぱらついたものの、まずまずのコンディションで迎えた武雄競輪開設59周年記念「大楠賞争奪戦」は開催2日目。今日は二次予選A、B合わせて6個レースに、優秀の「飛龍賞」で準決勝への勝ち上がりを争った。二次予選では地元の九州勢が大活躍。総勢11名が準決勝へ勝ち上がった。
 明日からの展開予想会及び予想車券プレゼントのコーナーは内林久徳氏にバトンタッチ。地元選手会によるトークショーも予定されています。明日もぜひ武雄競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。


<5R>
小島雅章選手
小島雅章選手
   ホームガマシを決めた小島雅章(写真)が力強く押し切り、準決勝A一番乗りを決めた。
 「今日は藤田(和彦)さんの気持ちがすごく嬉しかったし、8番(工藤政志)も付いてたのでカマして行こうと決めてました。藤田さんには『小島のレースはいつも見てる。いいときは付いて、悪いときに付けないなんてことはない』と言ってもらって泣けてきましたよ。出切ってからあと1周だから思い切って踏んだ。車は伸びてるし、上出来すぎます」
 番手絶好の藤田和彦だったが、小島を交わせず2着に。
 「抜きに行ったけど、本当に抜けなかった。ホームでピリッと来たくらいだし、小島くんはすごいかかってましたよ」
 木本賢二のイン粘りをしのいだ藤田剣次が3着をキープ。
 「木本さんのイン粘りは覚悟してた。人気を背負ってたので勝ちたかったけどね」


<6R>
井手健選手
井手健選手
   先行態勢に入った峠祐介をホームから中野功史が豪快に叩くと、ライン3車で後続を千切る。絶好の展開を生かした井手健(写真)は「中野が強かった。ワンツーで、昭彦さんまで3着で最高の結果です」。久々の勝ち星に笑顔を見せた。
 2着の中野功史もこの結果には満足げだ。
 「直前は天気が悪くて練習ができなかったけど、2日間動いた感じは悪くないので、調子は悪くないと思います。昭彦さんにもあれでいいと言われてたけど、キツかったですね」
 ベテラン佐々木昭彦は3着に食い下がる。
 「ケツを下ろすのが早すぎてキツかったですね。でも今日は中野が強かった。中野は仕上がってるね」


<7R>
原司選手
原司選手
   小林弘和の先行を2センターからまくった柴田洋輔が連勝で準決勝Aに進出。「平原(康多)さんとの練習が大きかった。乗り方の意識も変えたし、競走でも落ち着いて行けと言われてたけど、こんなに違うんですね。前回までボロボロだったのが、まさかのピンピンですから。来年の立川記念に弾みがつきました」と終始笑顔で記者の質問に答えた。
 小林の番手を回った原司(写真)が僅差で2着を死守した。
 「柴田が強かったね。スピードが違ったので、誰も連れてくるなよって思ってました。昨日のほうが怖かったくらいで、今日は楽に抜いたと思ったんですけどね」
 逃げた小林弘和は3着に粘り明日は準決勝Cへ。
 「一度斬って考えようと思ったけど、まず柴田くんが斬ったので、そこをすかさず斬ってからの組み立てになりました。高谷(雅彦)さんの仕掛けを合わせられたのはたまたまで、今日は先行する気でいたのがよかったんでしょうね。残れたのは師匠(原)のおかげです」


<8R>
吉永和生選手
吉永和生選手
   三和英樹の先行を中団から田中誠が鮮やかにまくるとラインで上位を独占。番手の吉永和生(写真)が絶好の展開をモノにした。
 「誠さまさまですね。アイツは自分でやるタイプだから頼もしい。特に話はせず、感性に任せてました。ワンツースリーできたのもよかったし、明日もうひと踏ん張りしたいですね」
 まくった田中誠は「新田(康仁)さんを後ろに置くのは絶対条件。巻き返してくるのが見えたので思い切り踏みました。ギリギリかぶらなかったし、新田さんが止めてなかったらキツかったですね」と会心のレースを振り返る。
 同期・吉永の後ろを選んだ木村貴宏は「バックで新田さんが余裕そうだったから、ヤバかったですね。田中が強かった」と3着入線に笑顔。対照的に山口富生は「もう少し田中をブロックしたかったね。ワンテンポ見てしまってタイミングが合わなかった。動きが悪い」と厳しい表情を見せる。


<9R>
松岡健介選手
松岡健介選手
   前受けした松岡健介(写真)が引いた七番手から豪快にまくり返して快勝。
 「中団で小埜(正義)と併走しても飛ばせるなと思ってたけど、佐藤もけっこう流してたので引かないと始まらないなと思った。1センターから2コーナーの風が強かったので、小埜が来ても対応できたでしょうね。調子は中の中って感じだし、勝負は明日なんで」
 抜けなかった澤田義和は思わず苦笑い。
 「ちょっと空けすぎたかな。抜けると思ったら抜けなかった。踏み出しはよかったけど、2コーナーからキツそうだったからね。2人で3着までには入るなと思ってたけど、なかなかないチャンスだから抜きたかったね。でも引いてすぐ行ったんで慌てましたよ」
 直線で坂上忠克と兵藤一也が落車。内で懸命に粘った佐藤朋也が3着に食い込んだ。
 「踏み上げて行く前に松岡さんが来た。いつもあの形でやられちゃうんですよね。出られたあとはとにかく前に前に全開で踏んで行くだけでした。武雄は相性がいいので、恵まれて準決勝Aに乗れましたね」


<10R>
石毛克幸選手
石毛克幸選手
   後ろ攻めの伊藤正樹が上昇。前受けの北津留翼が誘導員を残して車を下げると、残り1周で伊藤が意を決して先行勝負に出る。楽に3番手をキープした石毛克幸(写真)が北津留に合わせてまくりを打ち、混戦レースを制した。
 「北津留は引いてカマシだろうから、そうなったときにどうするかだったんですけどね。北津留も来ないし、1周スンナリだから伊藤さんもかかってた。こんなこともあるんですね。北津留が見えたら行こうと思ってたけど、ちょっと重かったです」
 北津留のまくりに乗った牧剛央が鋭い伸びで2着に食い込んだ。
 「翼はもっとビュンと行くかと思ったけど、見すぎてたし石毛と合ってひるんだみたいですね。僕はけっこう伸びてるし脚の感じはいい。今年はあまりよくなかったので、最後ぐらい決勝に乗って終わりたいですね」


<11R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   全員が準決勝進出の権利を持つ「飛龍賞」を制したのは小倉竜二。三宅達也のまくりに乗ると、合わせて出た岡部芳幸を鋭くとらえた。「2着と思ったけど、よく届いたね。達也がよく踏んで行ってくれました。(前回のことは)だいぶ忘れてきたし、みんなにも忘れてもらわんと。ただこのままではダメなんでね」。気持ちも新たに鋭い伸びでシリーズを席巻する。
 岡部芳幸(写真)は2着の結果にも致し方なしといった表情。
 「あのメンバーで一成も火がついたんでしょうね。行かれるようなら出させても3番手は取れるし、ある程度のスピードなら突っ張りますと言ってた。達也のまくりを止めに行くのは難しかったけど、2日間それなりに番手のレースはできてるんでね。明日もしっかり頑張ります」
 三宅達也も連日、復活間近を思わせる走りを見せている。
 「中団を取り合ってくれたし、展開もあるけどね。踏み出しでイケるなと思ったけど、岡部さんが一緒に出てきたから。徐々に流れと感じが上がってきてくれればいいですね」
 中団併走になった佐藤友和は「そのまま(渡邉一成を)叩こうと思ったけど、一成が流さなかったので。もう引けなかったし、一成が流したときにはもう内を見てたから」とレースを説明。7着で準決勝Bに回った。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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