『開設59周年記念武雄競輪(GIII)レポート』 最終日編
配信日:12月22日
武雄競輪開設59周年記念「大楠賞争奪戦」は12月22日に最終日を迎えた。優勝したのは佐藤友和だった。打鐘で飛び出すと、単騎でカマして来た渡邉一成の番手にはまる好展開に。今年最後の開催で、今年の初優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
号砲が鳴るといち早く木村貴宏が飛び出してスタートを取り、並びは渡邉一成-岡部芳幸-木村に小倉竜二が続き、その後ろが内に佐藤友和-山口富生、外は南修二-澤田義和に吉永和生が続いて併走となった。
周回が進み、赤板を過ぎると佐藤は八番手まで車を下げた。すかさず佐藤が一気に巻き返しに出て、ジャンで先頭に立つ。すると、今度は渡邉がホームからカマして主導権を奪いに出た。岡部は内から来た南にすくわれ番手を奪われると、その南も渡邉を追い切れずに離れてしまい、渡邉は単騎の逃げとなってしまった。そうなると展開は佐藤のもの。佐藤は落ち着いて渡邉との車間をゆっくり詰めていくと、その勢いを利用して追い込み優勝。2着は連係した山口富生。最終バックで後方に置かれた小倉竜二だが、直線で外を強襲して3着に食い込んだ。
佐藤友和選手
今年はここまで優勝がゼロ。デビュー以来、優勝ができなかった年はない
佐藤友和
にとってはこれが最後のチャンスだった。前検日から「優勝で締めたい」と話していたとおり、まさに有言実行の優勝劇。最後の最後に勝利の女神が微笑んだ。
「記念優勝は2年4カ月ぶり。南さんはインを斬って岡部さんのところで粘ると思ってたのに、まさか俺のところに来るとはね。ああなったのでとりあえず叩くしか勝負権がなかった。番手に入っても余裕はなかったけど、後ろから来る人は誰もいないだろうと思ったから気持ちの余裕はあった。焦らずいけましたね」
今年は連続でのSS入りを逃すなど不本意な1年だった。それだけに最終戦での優勝は格別だろう。
「今年はしょうがないけど、また来年に向けて最高の結果を出せたと思います」。最後は来年からの巻き返しを力強く口にした。
山口富生
は準決勝に続いての佐藤マークだったが、交わせず2着。
「友和は落ち着いてましたね。まさか友和が番手に入るとは思わなかった。打鐘でフカしてたし、友和はけっこう脚を使ってたけど、ハコから追い込んだだけ。あれじゃ番手と言っても(優勝には)遠い位置だね。でも上出来です」
中団確保から外を回した
小倉竜二
が3着に強襲。今シリーズは連日、鋭いキメ脚が光った。
「僕は脚を溜めて突っ込みしか考えてなかったけど、まさか友和が番手にはまるとはね。もう1回内に行って中割りならもうちょっと伸びたかも。脚の方は感じが良かったけど、今日は番手に友和が入ってたのとコース取りが敗因です」
直線で外に持ち出した南を尻目に内を踏んだ
木村貴宏
だが、惜しくも4着で確定板を逃した。
「悔しい…。やっぱり世界が違いますね。もう一度、岡部さんを入れようと思ったけど、流れてたし南に付いて行こうと思った。ちくしょー。競輪祭(の権利をゲット)かと思ったら…」
単騎で逃げる形になった
渡邉一成
は「友和さんを突っ張りたかったけどスピードがよくて突っ張れなかった。そこですね。出切って後ろを見たら友和さんのフレームが見えてヤバイと思ったけど、流せなかった」とレースを振り返る。
南の動きに惑わされた
岡部芳幸
は「持ち味なんだろうけど、南の動きが読めなかった。内からどこまでもすくって行くのかと思ったら、バック踏む形で飛び付いてきたから。しょうがないね」と優勝のチャンスを逃してガッカリ。
南修二
も「失敗ですね。友和の三番手を取るか、ちゃんと付いて行くかどっちかでしたね」と肩を落とした。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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